SBI証券と楽天証券を徹底比較!手数料、サービス、使いやすさは?

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これから投資信託や株式投資を始める方にとって、どの証券会社で取引を行うかは悩みどころかと思います。

国内の証券会社の中ではトップクラスのシェアを誇るSBI証券や楽天証券をまず候補に入れてみるのもいいでしょう。しかし、SBI証券と楽天証券を比較する際、どこをどのように比較すればいいのかは分かりにくく、時間もかかるかと思います。

そこで今回は、SBI証券と楽天証券の手数料やサービス、使いやすさやツールなどから両者を比較します。

※2022年7月15日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. SBI証券と楽天証券の対応サービス
    1-1.投資信託、つみたてNISA、iDeCoの本数
  2. 初心者向けのサービスを比較
    2-1.初心者向けの解説動画やセミナーの有無
    2-2.株式投資に関連するニュースや特集の方向性
  3. 株式投資の手数料コストやツールなどを比較
    3-1.株式投資の売買手数料
    3-2.株価の分析ツールや情報量
  4. 操作性やツールなど使いやすさを比較
    4-1.取引ツールの種類
    4-2.取引ツールの特徴
  5. まとめ

1.SBI証券と楽天証券の対応サービス

SBI証券と楽天証券は、どちらも国内証券会社ではトップクラスの口座開設数を誇り、株式投資をはじめ、さまざまな金融商品やサービスを提供しています。

まずは2社共通のサービスを、以下にまとめます。

  • 株式投資
  • 投資信託
  • FX
  • 先物取引・オプション取引
  • CFD取引
  • 金・プラチナ
  • 債券
  • NISA・つみたてNISA
  • iDeCo
  • ラップ口座・ロボアドバイザー

金融商品の種類については、SBI証券と楽天証券で大きな違いはありません。どちらも多種多様なサービスを提供しており、品ぞろえは証券会社の中でもトップクラスの充実度と言えます。

1-1.投資信託、つみたてNISA、iDeCoの本数

SBI証券と楽天証券は、投資信託、つみたてNISA、iDeCoの取扱本数も充実しています。

項目 SBI証券 楽天証券
投資信託の本数 2,660 2,652
つみたてNISAの本数 183 181
iDeCoの本数 88 32

違いがあるのはiDeCoで、SBI証券のほうが取扱本数は多くなっており、商品選択の幅に優れています。対して楽天証券では厳選された商品のみを扱っているため、選びやすい点はメリットとも取れます。

2.初心者向けのサービスを比較

続いては、投資初心者に向けたサービスやキャンペーンなどを比較し、どのような特徴・強みがあるのか解説します。

2-1.初心者向けの解説動画やセミナーの有無

SBI証券と楽天証券は、両社ともにセミナーや無料コンテンツなどを用意しています。

SBI証券の場合は、トップ画面にて、「セミナー」や「学ぶ」、「投資レポート・特集」といった学習系のコンテンツを提供しています。「学ぶ」では、株式投資や債券投資など、各金融商品の意味や仕組みから取引方法まで丁寧に解説されています。

一方、楽天証券は、セミナーやレポートに加え、投資初心者の方に向けた「はじめての〇〇(金融商品)」コンテンツや、投資の情報を幅広く発信する「トウシル」などを提供しており、こちらも入手できる知識は幅広くなっています。

2-2.株式投資に関連するニュースや特集の方向性

SBI証券と楽天証券では、ニュースや分析レポートの内容なども大きく異なります。

SBI証券では、コンテンツはSBI証券内の同一ページへカテゴリごとに整理されていますが、楽天証券ではトウシルやお金の学校など、別ページにてそれぞれ解説する形がメインとなっています。

1つのページでまとめて確認したい方にはSBI証券の方が見やすく感じ、ジャンルごとに情報を分けて閲覧したい方は楽天証券の方が確認しやすいと感じることでしょう。

また、SBI証券および楽天証券の株式投資関連ニュースを取り扱っているページには、以下のような特徴もあります。

  • SBI証券は個別銘柄の最新ニュースも多く、発信元で区分表示
  • SBI証券は同証券の金融調査部による分析レポートなどを作成・公開
  • 楽天証券は個別銘柄の最新ニュースよりも特集記事が多い
  • 楽天証券の特集記事は独自メディア「トウシル」にて公開

楽天証券は、経済や時事情報に関する独自考察・解説記事を中心に作成している傾向です。一方SBI証券は、金融調査部による個別銘柄・セクター別(業種別)分析レポートを作成している傾向が強いといった違いがあります。

株式投資の取引画面(非取引ツール)については比較的似た点が多く、どちらも一目でどのような機能・内容か分かるデザイン・配置となっています。また、注文ボタンは、「買い」や「売り」といった分かりやすい表記ですし、数量や注文方式も1つの画面に集約されています。取引画面については、各投資家の好みによる部分も大きいでしょう。

3.株式投資の手数料コストや分析ツールを比較

株式投資を始める上では、手数料コストや分析ツールを比較することも大切です。

具体的には以下のポイントを確認しましょう。

  • 売買手数料
  • 売買手数料のプラン
  • 各銘柄のチャートや情報量
  • 標準実装されている指標の数や種類

それでは各ポイントを見ていきたいと思います。

3-1.株式投資の売買手数料

株式投資の売買手数料および手数料がかかる仕組みは、それぞれ異なります。両社とも、1注文もしくは1日合計の約定代金に対して手数料がかかる2種類の体系を用意しており、取引スタイルによってお得な方を選ぶことが可能です。

現物取引の手数料

SBI証券(ゼロ革命) 楽天証券(ゼロコース)
0円 0円

※SBI証券:ゼロ革命のみ
※楽天証券:ゼロコースのみ

1注文ごとの手数料は、SBI証券と楽天証券いずれも同額となっています。ただし、SBI証券は取引額の1.1%がTポイントで還元され、楽天証券は1.0%(+家族プログラム等で追加ポイントあり)が楽天ポイントもしくは楽天証券ポイントで還元される点に違いがあります。

信用取引の手数料

SBI証券(ゼロ革命) 楽天証券(ゼロコース)
0円 0円

信用取引も、1注文あたりの手数料は両社とも同様です。

外国株式の手数料

項目 SBI証券 楽天証券
米国 約定代金の0.45%(税込0.495%)
最低手数料:0ドル
上限手数料:20ドル(税込22ドル)
約定代金の0.45%(税込0.495%)
最低手数料:0ドル
上限手数料:20ドル(税込22ドル)
中国 約定代金の0.26%(税込0.286%)
最低手数料 : 47香港ドル(税込51.7香港ドル)
上限手数料 : 470香港ドル(税込517香港ドル)
中国株式 約定代金の0.275%(税込)・最低手数料:550円(税込)・上限手数料:5,500円(税込)
インドネシア 約定代金の1%(税込1.1%)/最低手数料:238,000インドネシアルピア(税込261,800インドネシアルピア)
※売却時には、損益に関わらず、売却代金の0.10%を売却税として徴収
※売却代金が最低手数料に満たない場合、約定代金の50%(税込55%)が手数料
約定代金の1.1%(税込)
※最低手数料550円(税込)
シンガポール 約定代金の1%(税込1.1%)/最低手数料:28シンガポールドル(税込30.8シンガポールドル)
※売却代金が最低手数料に満たない場合、約定代金の50%(税込55%)が手数料
約定代金の1.1%(税込)
※最低手数料550円(税込)
タイ 約定代金の1%(税込1.1%)/最低手数料:761タイバーツ(税込837.1タイバーツ)
※売却代金が最低手数料に満たない場合、約定代金の50%(税込55%)が手数料
約定代金の1.1%(税込)
※最低手数料550円(税込)
マレーシア 約定代金の1%(税込1.1%)/最低手数料:76マレーシアリンギット(税込83.6マレーシアリンギット)
※売却代金が最低手数料に満たない場合、約定代金の50%(税込55%)が手数料
約定代金の1.1%(税込)
※最低手数料550円(税込)
韓国 約定代金の0.9%(税込0.99%)/最低手数料は9,000韓国ウォン(税込9,900韓国ウォン) 取扱なし
ロシア 約定代金の1.2%(税込1.32%)/最低手数料:500ロシアルーブル(税込 550ロシアルーブル)
※売却時に売却代金の0.1%をキャピタルゲイン税として徴収
取扱なし
ベトナム 約定代金の2%(税込2.2%) / 最低手数料:1,200,000ベトナムドン(税込1,320,000ベトナムドン)
売却代金が最低手数料に満たない場合、約定代金の50%(税込55%)が手数料
取扱なし

外国株式手数料は両社とも大きな違いはありませんが、SBI証券は現地通貨ベース、楽天証券は日本円ベースで手数料が計算されます。

SBI証券では、楽天証券では取扱のない韓国、ロシア、ベトナム株も取引できるため、その点ではSBI証券にアドバンテージがあると言えます。

3-2.株価の分析ツールや情報量

証券会社には、個別銘柄の画面を開くとチャートや板、決算などの情報も表示されます。そして、もう1つ注目すべきポイントが分析ツールです。

SBI証券と楽天証券では、企業情報などに加え、チャート画面にテクニカル指標も表示できるよう、指標に関する機能も実装しています。

SBI証券、楽天証券どちらも取引画面に実装している機能・情報

  • ローソク足の時間軸:1分足、5分足、15分足、1時間足、日足、週足、月足
  • 出来高:棒グラフにて1分~1日単位の出来高を、チャート下部に表示
  • 企業概要:設立年や事業内容、株主などの詳細
  • 業績:直近3年間の業績情報、および来季の業績予想に関する情報

そしてチャート画面に実装されているテクニカル指標は、SBI証券27種類・楽天証券59種類と、楽天証券が充実しています。下記の取引ツールを使わなくても、楽天証券であればブラウザ上でもより快適に取引ができる環境が整っています。

一方SBI証券も、企業スコアなど独自の分析情報を公開しており、情報量は多いといえる水準となっています。

4.操作性や取引ツールなど使いやすさ

株式投資の売買手数料やチャートなどを比較しましたが、取引ツールについてもよく確認しておくことをおすすめします。SBI証券と楽天証券では、それぞれ独自のツールを用意していて使い方や種類も異なります。

4-1.取引ツールの種類

SBI証券で提供している株式投資の取引ツールは、パソコン版の「HYPER SBI」とスマホアプリの「SBI証券 株」「SBI証券 米国株」の3種類です。外国株取引ができるアプリが分かれている点はネックです。

楽天証券で提供している株式投資の取引ツールは、パソコン版の「MARKET SPEEDⅡ」と「MARKET SPEED」、MacOS対応の「MARKET SPEED forMac」、そしてスマホアプリ・タブレット版の「iSPEED for iPad」、「iSPEED」と、5種類で構成されています。

種類・数で比較した場合、楽天証券の方が充実しています。また、タブレットに対応した「iSPEED for iPad」をリリースするなど、多種多様な端末で取引しやすい点も優れたポイントといえます。

4-2.取引ツールの特徴

SBI証券の取引ツール「HYPER SBI」の大きな特徴は、マウス操作「ドラッグ&ドロップ」で取引できるスピーディで手間のかからない機能を持つという点です。

また、HYPER SBIは、一般的な注文方法と異なるワンクリック発注「スピード注文」も実装しています。スピード注文は、現在発注できる最も安い買い価格・高い売り価格で注文できる機能で、デイトレードにも役立ちます。

他にも20銘柄を同時に表示できたり、ファンダメンタル指標(PERやPBR)やテクニカル指標・最新ニュースも表示できたりと、必要な情報を瞬時に整理・入手可能です。

HYPER SBIは、取引にかかる情報収集や準備を短縮できますし、短期取引に関心がある方にも注目のツールです。

一方、楽天証券の取引ツールの中でも改良を進めた「MARKET SPEEDIⅡ」は、条件付き注文(アルゴ注文)に注目です。条件付き注文とは「○○円以上まで株価が上昇したら発注手続きを行い、約定後は○○円で売り注文を行う」といった、特定の条件で自動注文を行う設定のことです。

「MARKET SPEEDIⅡ」はこのような条件付き注文の条件が豊富です。また、登録した銘柄のチャートを20種類同時に表示できる機能や、相場に合わせた注文内容の自動修正など、主に兼業投資家・忙しい方に合わせた仕様となっています。外国株も同アプリ内で取引が可能です。

まとめ

SBI証券と楽天証券は、取引ツールの機能や分析レポートの有無・初心者に向けたサービス内容など、それぞれに違いがあります。また、売買手数料については、1日の約定代金にかかるプランを選択する場合、金額および増額のルールが異なります。一方、1回の注文にかかるプランは、金額から増額のルールまで共通しています。

共通しているプラン・機能もあれば、取引ツールや取引画面の使い方などに違いもあるため、どこを重視するか決めておくのが大切です。また、SBI証券では主にTポイント、楽天証券では楽天ポイントを貯めたり使えたりする点も、どちらを使えば良いかの判断材料になるでしょう。

また、SBI証券と楽天証券を比較する際は、ニュースや分析レポートにも注目です。楽天証券は、株に関する幅広い情報を解説している傾向があり、SBI証券は個別銘柄を深く分析・レポート化している傾向もあります。

株の情報量や方向性にも着目しながら、口座開設先を検討してみてはいかがでしょうか。

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菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。