円安相場の持続性は?注目通貨ペアや日銀の緩和政策の見通しも解説

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円安相場で儲けたいと考えている方の中には、相場の持続性が気になっている人も多いでしょう。今後の経済動向を予想する上で、知っておきたいのがファンダメンタルズ分析です。

チャートを使い、視覚的に理解できるテクニカル分析に比べて、各国の経済動向を分析するファンダメンタルズ分析をとっつきにくく感じるFX初心者は多いでしょう。しかし理解できるとより勝率や精度の高いトレードを行うことが可能となります。

そこで今回は2022年7月現在、円安で動きが注目されている日銀をファンダメンタルズ分析を使って解説し、注目通貨ペアも紹介します。

※本記事は7月15日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. ファンダメンタルズはマーケットの焦点に合わせて分析するのがポイント
  2. 円安の理由は日銀の緩和政策 今後も円安は続くの?
  3. 円と組み合わせたい注目通貨は?
  4. ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は両輪
  5. まとめ

1.ファンダメンタルズはマーケットの焦点に合わせて分析するのがポイント

ファンダメンタルズとは、日本語で経済の基礎的条件を指します。分析対象はその国の経済の関わる全てです。

範囲が広く、難しいと思う方もいるかもしれませんが、通貨は全ての要因が重なって変動しているため、経済を総合的に考慮して方向性を見極めることが必要です。

ファンダメンタルズの見方

ただし、ファンダメンタルズ分析のポイントがあります。「現状マーケットの焦点に合わせて分析を行う」ということです。

2022年67月現在、アメリカのインフレ懸念が強まる中でFRBの利上げペースが早まるのかがマーケットでは注目されています。利上げペースの予想においては、物価指標やFRBメンバーの発言がポイントになります。貿易統計等といった、無関係な指標を細かくフォローする必要はないのです。

その時々で見るべきポイントも変わってくるため、マーケットの焦点に合わせてファンダメンタルズ分析をしましょう。

2.円安の理由は日銀の緩和政策 今後も円安は続くの?

2022年7月現在、円安が進んでおり、日銀の政策運営に注目が集まっています。日本円の下落が止まらず、クロス円(ドル円、ユーロ円、豪ドル円等)が上昇しています。

日本円の価値がどんどん下落している背景には、日本の緩和政策の維持があります。緩和政策の継続により、経済活動を活性化させるために金利はできる限り低い位置に留められています。

日銀は現在10年金利を0.25%を上限として金利水準をコントロールすると市場にメッセージを発信しています。金利を上げないため、政策金利を引き上げる予定はないと市場参加者は予想できます。

しかし足元ではこの日本国債の10年金利は0.25%を突破するような動きが断続的に続いています。市場がそろそろ日銀は一旦緩和政策を止めて、政策変更をするタイミングにきているのではないかという予想をする投資家が増えてきたということです。

金利の上限を上げる場合は日本の金利上昇幅を容認する意志の表れとも言えます。円安ポジションで投資をしていたトレーダーや投資家は一旦円安ポジションを閉じる、数量を減少させることが次のアクションとして想定され、円高に振れる要因、もしくは円安が進まなくなった要因となる可能性があるのです。

あくまで日銀の政策変更を仮定した場合の予想であり、今後新たな要因で出てきた場合はこの限りではありません。ファンダメンタルズ分析を行うことで、現状の円安の要因だけでなく、今後の値動きも予想できるようになります。

3.円と組み合わせたい注目通貨は?

ここで注意したいのは、FXはあくまで通貨同士の交換比率を売り買いしているだけであるという点です。日銀の政策だけでドル円やユーロ円が動いているわけではありません。

ファンダメンタルズ分析から、日銀の政策変更の可能性が高まっている中、円高に振れる可能性があることが分かりました。FX戦略を立てる際には、ここからさらに円高と組み合わせる通貨を探る必要があります。

円高と組み合わせる通貨は、売られやすい通貨を探しましょう。売られやすい通貨というのは例えば、経済状況が弱い国や、現在の市場環境の場合インフレが急激に進行しており、インフレ対策を先んじて行って政策金利の引き上げ等を行っており、ポジションがロングに傾いている国です。

プロトレーダーである筆者としては、米ドルを円と組み合わせたいと考えています。アメリカは7月まで急激なペースで利上げを行うことが織り込まれており、ドル高で推移する予想が市場では既に反映されています。

次の動きとしては、ドル高のポジションを解消するようなフローが出ることが予想できます。タイミングとしては、インフレ懸念が弱まってFRBが利上げを行ったりする必要性が低下したときだと考えています。

4.ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は両輪

ドル円は中期的な方向性で下落方向というメインシナリオを作った場合、いきなりポジションを取ってはいけません。あくまでこれは方向性を結論づけただけであり、エントリーポイントを探る必要があります。

エントリーポイントを探る方法として、テクニカル分析があります。テクニカル分析を行わないと、高値掴みにつながります。エントリーのタイミングが勝敗を分けると言っても過言ではありません。

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析は両輪なのです。

5.まとめ

今回はファンダメンタルズ分析を使って、2022年7月現在の円安動向と今後の持続性を解説しました。

売る通貨と買う通貨をそれぞれ発見し、テクニカル分析を行って精緻にエントリーポイントを分析する流れは知っておきましょう。

FX初心者はまず、マーケットの注目点を把握するとファンダメンタルズ分析に取り組みやすくなります。ぜひ今後の資産形成に役立ててください。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12