SBIネオトレード証券は手数料の安さなどが特徴のネット証券です。最近はIPOの取扱銘柄数も増えてきているため、IPO取引のための証券会社として注目している方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、SBIネオトレード証券のIPO取引の特徴、メリット・デメリット、評判、始め方について詳しく解説します。IPO取引に関心のある方、SBIネオトレード証券を検討している方は、ご参考ください。
※本記事は2021年5月時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用を判断ください。
目次
- SBIネオトレード証券のIPO取引の特徴
1-1.混合抽選方式の採用
1-2.購入代金が無くても抽選に参加できる - SBIネオトレード証券のIPO取引のメリット
2-1.初値売却で利益を狙いやすい
2-2.誰にでも当選のチャンスがある
2-3.コストを抑えたIPO取引が可能
2-4.NISA口座での取引も可能
2-5.SNSでIPOの取扱開始を知らせてくれる - SBIネオトレード証券のIPO取引のデメリット
3-1.ステージ別抽選は高い資金力が必要
3-2.過去のIPO実績は豊富でない - SBIネオトレード証券のIPO取引の評判
- SBIネオトレード証券のIPO取引の始め方
5-1.証券総合口座の開設
5-2.IPO株の申込み - まとめ
1 SBIネオトレード証券のIPO取引の特徴
SBIネオトレード証券は、2021年1月1日に旧ライブスター証券から商号変更した証券会社です。現在はネット証券大手のSBI証券を傘下に持つSBIグループの一員として運営されています。
SBIネオトレード証券では、現物株や信用取引、先物取引、投資信託などの様々な金融商品の取引が可能です。IPO銘柄は2017年から取扱い開始となり、取扱銘柄数は主要ネット証券と比較して多くないものの、年々取り扱いが増えています。
1-1 混合抽選方式の採用
IPOとは、未上場の会社の株式を証券取引所に上場する新規株式公開のことを指します。上場前の株式は主幹事や幹事を務める証券会社を通じて投資家に配分されますが、配分方法は証券会社によって異なります。
SBIネオトレード証券のIPO取引では、保有資産や取引実績に応じて当選確率が変わる「ステージ制抽選」と、誰でも平等にチャンスのある「完全平等抽選」の2方式が採用されています。
これまでは配分予定数量の100%を完全抽選で配分する方式でしたが、2021年6月以降、個人投資家に割り当てられる株数のうち、10%を申込者全員が対象となる1人1票の平等な割合で抽選し、残りの90%は取引状況や保有資産の状況に応じたステージ別の抽選方法となります。
これにより、SBIネオトレード証券で株式売買などの取引をしていない方にも、抽選に参加するだけで10%のIPO株が平等に割り当てられます。
1-2 購入代金が無くても抽選に参加できる
IPO株の抽選に申し込む際は、基本的にブックビルディングへの参加が必要になります。ブックビルディングとは、上場企業が新株を発行して公募増資を行う際に1株あたりの発行価格を決める方法の一つで、証券口座を持っている証券会社から参加可能です。
このブックビルディングに参加する際、抽選までに申し込んだ株数を買えるだけの資金を証券口座に用意しなければならない証券会社が多い中、SBIネオトレード証券は抽選参加時点では証券口座の資金が原則不要です。
これもSBIネオトレード証券の大きな特徴の一つとなっており、複数のブックビルディングに参加する場合や、前もって資金が必要になる証券会社を併用する場合に、資金的な負担を軽くできます。
2 SBIネオトレード証券のIPO取引のメリット
SBIネオトレード証券でIPO取引を行うメリットは以下の通りです。
2-1 初値売却で利益を狙いやすい
IPO株は上場後の初値売却によって、多くの場合、利益を出すことができます。新型コロナウィルスによって経済が大きく影響を受けた2020年でも、初値が公開価格を上回ったIPO株の割合は74.2%と高い水準です。株式市場が堅調だった2019年以前は80%後半から90%とさらに高い割合でした。
IPO取引は新規上場となる銘柄の見極めが重要ですが、初値で売却する場合は売買のタイミングが決まっているので、初心者でも利益を狙いやすいのが特徴です。ただ、各証券会社におけるIPOの抽選倍率は相当高くなっており、当選するのが難しい取引となっています。
2-2 誰にでも当選のチャンスがある
SBIネオトレード証券のIPO取引は、抽選に参加するだけで誰にでもIPO株に当選するチャンスがあります。
SBIネオトレード証券では個人投資家に配分するIPO株のうち10%を取引金額や保有資産に関係なく平等に抽選します。これにより、普段は株などの取引をしない方でも口座を開設し、抽選に参加することで平等に当選のチャンスが生まれます。
IPO株はどこの証券会社でも競争率が高くなっているため、当選確率をアップさせるためには複数の証券会社に口座を開設し、数多くの抽選に参加する必要があります。
その点、SBIネオトレード証券は口座を開設しているだけで平等な抽選に参加することができるため、普段使いしないIPO取引専用の証券会社として口座を持っておくことも可能です。
2-3 コストを抑えたIPO取引が可能
SBIネオトレード証券のIPO取引では、新株の購入時に手数料がかかりません。また、上場後の初値で売却する場合は売却金額などに応じて手数料が必要になりますが、SBIネオトレード証券は株式の取引手数料も業界最安値の水準となっているため、コストを抑えてIPO取引できる点もメリットの一つです。
また、IPO株の当選確率を上げるためには数多くの抽選に参加する必要もありますが、証券会社によってはブックビルディングへの参加の際に前もって証券口座に買付資金を準備しておかなければならず、多くの資金が必要になります。
その点、SBIネオトレード証券は抽選参加時点での口座資金も不要なため、複数のIPO銘柄に同時に応募しても当選しない限り、買付資金は必要ありません。資金が潤沢でなくても数多くのIPO銘柄の抽選に参加しやすいのもSBIネオトレード証券の強みです。
2-4 NISA口座での取引も可能
SBIネオトレード証券はNISA口座でIPO株を取引できます。NISAとは、2014年にスタートした個人投資家のための税制優遇制度で、毎年120万円までの非課税投資枠内であれば上場株式の売買益や配当が非課税になります。
SBIネオトレード証券では、NISAが適用されるNISA口座でIPO株の取引ができるため、初値売却などによって得られた利益に対して税金がかかりません。通常、株式などの売買で利用される特定口座では、売買益に対して20.315%の所得税および住民税がかかるため、これらの税金を節税しながら投資できる点も大きなメリットです。
2-5 SNSでIPOの取扱開始を知らせてくれる
SBIネオトレード証券は、TwitterやLINEなどのSNSでIPOの取扱開始をお知らせしてくれます。
IPO銘柄の情報は日々更新されている上、ブックビルディングの参加期間は基本的に短期間となっているため、IPO株の抽選に参加するためには情報のチェックが必要ですが、SBIネオトレード証券はSNSでのお知らせ機能があるので便利です。
3 SBIネオトレード証券のIPO取引のデメリット
SBIネオトレード証券でIPO取引を行う際の注意点は以下の通りです。
3-1 ステージ別抽選は高い資金力が必要
SBIネオトレード証券では、個人投資家に配分されるIPO株のうち、10%を完全平等抽選、残る90%をステージ別の抽選で割り当てますが、ステージ別抽選を受けるためには高い資金力や豊富な取引実績が求められます。
ステージ別抽選を受けるための最低条件は、IPO株の申込みを行った前月の取引金額3千万円以上、もしくは前月末時点の資産評価額3億円以上となっています。この条件を満たさない場合、残りの10%の完全平等抽選を受けることになります。
3-2 過去のIPO実績は豊富でない
SBIネオトレード証券は過去のIPO実績が豊富ではない点もデメリットの一つです。以下は2018年〜2020年のIPO実績を主要ネット証券と比較した表です。
項目 | SBIネオトレード証券 | SBI証券 | マネックス証券 |
---|---|---|---|
2020年 | 7 | 85 | 50 |
2019年 | 5 | 84 | 45 |
2018年 | 4 | 86 | 50 |
SBIネオトレード証券は2017年にIPO株の取り扱いを始めたばかりで、取扱件数は増加傾向です。また、IPO実績が豊富なSBI証券と同じSBIグループの傘下企業となったことで、取扱件数の増加にも期待を持てますが、ネット証券として最も取扱実績の多いSBI証券等と比べた場合、SBIネオトレード証券のIPO抽選に参加する機会は少なくなります。
4 SBIネオトレード証券のIPO取引の評判
SBIネオトレード証券のIPO取引を利用している投資家からは以下のような口コミが寄せられています。
- 前もって口座資金に入金しておく必要がない
- 気軽にIPO株の抽選に参加できる
- 取引金額などに関係なくチャンスがある
- NISA口座でIPO取引ができるため事前にNISA口座を開設した
- 落選の場合でも抽選結果をメールで連絡してくれる
- 取扱銘柄が少ない
※個人の感想です。サービスのご利用にあたっては、ご自分でも情報収集をされた上で最終的にご判断ください。
事前に資金を用意しなくてもIPO株の抽選に参加できる点が高く評価されているほか、取引金額などに関係なく誰でも平等に抽選を受けられる点も評判となっています。
一方、2021年6月からの抽選方法の変更に不満を持つユーザーもいます。資金が潤沢でない多くの一般投資家にとっては、100%が完全平等に配分された以前の抽選方式のほうが良かったと考えられています。
なお、抽選方法の変更について、これまではログイン後の画面で抽選結果を確認する必要がありましたが、変更後は落選の場合でもメール連絡が来るようになります。わざわざログインして抽選結果を確認する手間が省けるため、この点については好意的な口コミも多く見られます。
5 SBIネオトレード証券のIPO取引の始め方
SBIネオトレード証券でIPO取引を始めるためには証券総合口座の開設が必要です。証券総合口座の開設が完了すると、専用ページからIPO株の申込みができるようになります。
5-1 証券総合口座の開設
SBIネオトレード証券の証券総合口座は、インターネットでのみ開設手続きが可能です。
開設ページでは、住所や氏名などの基本情報を入力した後、本人確認書類をアップロードします。マイナンバーカードや運転免許証とマイナンバー通知カードなどをスマートフォン等で撮影し、アップロードすれば手続きは完了です。最短、1週間ほどでログインID等が簡易書留で届きます。
5-2 IPO株の申込み
口座開設後は、IPO専用申込み画面から抽選参加が可能になります。ログイン後、抽選に参加できる銘柄があれば選択して申込フォームを表示します。執行条件はデフォルトが「成行」となっているため、申告株数を入力した後に目論見書を確認して「申告確認」ボタンを押すと申告内容の確認に進みます。
株数などの申告内容に問題がなければ、「申告」ボタンを押すだけで手続きは完了です。その後、登録したメールアドレスに抽選結果が届き、当選した場合は口座への入金と購入意思表示の手続きが必要になるので、メールなどの案内をもとに期限内に購入手続きを済ませます。
まとめ
SBIネオトレード証券のIPO取引は、抽選参加時の前受金が不要な上、これまでの取引実績や預かり資産額に関係なく誰にでもチャンスのある抽選方式を採用しています。過去のIPO実績は多くないものの、最近は取扱件数を伸ばしています。証券総合口座は維持手数料などもかからないため、初めて証券会社に口座を持つ方でも申し込みやすいのが特徴です。
IPO株の当選確率を上げる場合は複数の口座開設が必要になることもあるため、SBIネオトレード証券が気になる方は、口コミや評判なども参考にしながら検討してみてください。
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