ソーシャルレンディング投資家が教える、初心者向けの案件は?

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日本にはソーシャルレンディング事業を運営している会社は日本に20社以上あります。それぞれが独自性のある案件を投資家に提供しているため、ソーシャルレンディング投資を始めたいという人の中にはどの会社の案件を選べば良いのか迷ってしまう人も多いでしょう。

そこでこの記事では、投資家の視点から初心者の方に向いている案件の条件についてお伝えします。

目次

  1. 投資家にとっておすすめできる案件の条件
    1. 収益性の高い案件
    2. 運用期間が短期である案件
    3. 担保の信頼性が高い案件
    4. 事業の信頼性が高い案件
  2. 注意すべき案件とは?
    1. 担保の信頼性が低い案件
    2. 為替リスクが生じる海外投資案件

1 初心者投資家におすすめできる案件の条件

まずは、投資する案件を決める前に自分がどのような目標・目的をもってソーシャルレンディングに投資するのかを考えることが大切です。とにかく多少のリスクを冒してでも収益が高い案件を好む人、余剰資金を数ヶ月程度の短期で運用したい人、収益は低くてもコツコツ資金が増えるものが良い人など、それぞれの投資スタンスによっておすすめの案件は変わってくるためです。

以下では、それぞれ詳しくご紹介していきたいと思います。

1-1 収益性の高い案件

投資である以上、できるだけ利益の高い案件に投資したいと思う人は多いはずです。そういった方は、リスクは高くなりますが、利回りの高い案件を検討してみると良いでしょう。

国内のソーシャルレンディング会社の案件を見ると、年間の利回りは4%から10%の案件が中心です。しかし、海外でマイクロファイナンスなどを手がけるクラウドクレジットというソーシャルレンディング会社では10%を超える案件や、クラウドリースというソーシャルレンディング会社の案件も利回りは11%~12%というものが多くなっています。

たとえば、利回り12%の案件に投資すれば、源泉徴収税(利息に対して約20%)を引かれたあとでも年利で約9.6%と非常に高い金利が得られます。100万円を投資した場合、1年間の収益は約96,000円です。さらに分配金を再投資に回せば、翌年には当初の100万円に対して10%以上の非常に高い利益(金利)が得られます。利回りを重視するというのも一つの考え方です。

1-2 運用期間が短期である案件

ソーシャルレンディング案件は、あらかじめ運用の期間が決まっています。実際には融資を受けた事業者が支払利息を減らすため、早期償還が発生することもありますが、基本的には当初に想定された期間で運用されることになります。投資家は一旦投資した後は、運用終了までお金を引き出すことはできません。そのため、自分が投資したお金が一定期間拘束されるというリスクがあります。

ソーシャルレンディングの中には2年~3年間といった長期運用案件もあり、その運用途中で経済の状況が大きく変化すれば、融資先の経営が悪化して倒産するリスクが高まります。そのようなリスクを避けたいのであれば、できるだけ運用期間が短い案件に投資すると良いでしょう。3ヶ月~半年程度の案件に投資すれば資金を拘束されるリスクが少なくなり、状況に応じた投資先が選べます。

数ヶ月の短期運用が可能なサービスとしては、たとえば最短2ヶ月から運用できるソーシャルレンディング大手のmaneo、3ヶ月の案件や早期償還の実績もあるオーナーズブックなどがあります。

1-3 担保の信頼性が高い案件

ソーシャルレンディング投資で懸念しなくてはいけないのは、融資先から借金が返済されないといういわゆる「案件リスク」です。ソーシャルレンディング案件における開示情報を見ると、例えば、先ほどのmaneoでも10%程度の金利で融資を行っています。そのため融資を受けた事業者が借金を返済できなくなるリスクも存在しています。

借金が返済できない場合は融資の際に設定した担保を換金し、投資家に対して資金を返済します。つまり担保がしっかりしていれば借金を返済できなかった場合でも、投資家に資金が返済される可能性が高いのです。担保の中で比較的安全性が高いものと言えば不動産です。公示地価の変動などを見ると日本では東京、大阪、名古屋の都市部は現在地価が値上がりしています。そういったエリアに不動産担保を設定している案件を選べば、万が一貸し倒れが起きても不動産を売却することで投資家に返金される可能性が高いと言えます。

また不動産の評価額に対してどの程度のお金を融資しているのかも重要です。1億円の評価を受けた担保に対して8,000万円を融資していれば、20%評価が下がっても資金を全額回収できます。

担保にしている不動産の価値が適正な数字なのかも気になるところです。実際に行政処分を受けたラッキーバンクは、この評価額の数字の算出方法で改善指導を受けています。一方、全案件に不動産担保をつけているオーナーズブックでは、不動産鑑定士を社内に多数抱えており、不動産の担保評価を高い精度で行っている会社の一つです。また、レンデックスというソーシャルレンディングの会社では、大手不動産会社である東急リバブルが担保不動産の評価を行っています。このように不動産鑑定士などのプロが担保評価を行っているケースや、第三者による審査・評価が入っている場合は、評価額の信頼性は高いと言えるでしょう。

1-4 事業の信頼性が高い案件

ソーシャルレンディングは事業資金の融資が多いため、融資先の会社が展開する事業の確実性が高ければ、分配金が振り込まれる可能性が高くなります。一方で貸金業法により融資先の社名は明らかにされません。そのため断片的に公開されている事業内容などから、成功する可能性が高い事業なのかどうかを投資家は見抜く必要があります。

一概に「この事業は成功する」と言える材料はありませんが、可能性の高い案件としては次のものが考えられるでしょう。

公共事業の案件

また公共事業に取り組む建設業者への融資案件なども、比較的安全性が高いと言えます。国や自治体などが関与する案件ならば、事業がスムーズに進む可能性が高く、売上もしっかりと確保でき、投資家に対しても手堅く分配と返済が行われるでしょう。

2 注意すべき案件とは?

投資家の視点から見て安心して選べる案件がある反面、逆にこの案件は危険性が高いと考えられるものもあります。それはどういった案件でしょうか。

2-1 担保の信頼性が低い案件

ソーシャルレンディングでは融資先の名前が明らかにならない以上、事業の確実性はあくまで推測でしかありません。そこでリスクを避けるには、案件に設定されている担保をよく見て選びましょう。

担保の順位

まず見るべきは担保の順位です。具体的には設定した担保が換金された際の、事業者の返済順位が何番目に当たるのかを見ましょう。担保が第一順位であれば、担保を売却した際の資金が優先的に返済されるので、資金を回収できる可能性が高いです。

一方で担保が第二順位、第三順位の場合、第一順位の事業者に返金されて残ったお金で返済が行われます。そのため投資したお金が全額返ってくるとは限りません。リスク面をみれば担保の順位は大変重要です。

担保の換金性、担保価値

また担保自体の換金性や価値の不変性も重要です。
債権を担保に設定しているソーシャルレンディング案件もありますが、債権は回収までに時間がかかる傾向があり、きちんと全額回収できる保証もありません。また事業そのものを担保に設定している案件もあります。

事業権利の譲渡の場合、事業権を購入する事業者を見つけるまで換金できません。そのため担保としての信頼性は低いと言わざるを得ません。
その他にも店舗の備品や什器などの動産を担保に設定している案件もあります。これらも換金性や、価値の不変性では不動産などと比べると一歩劣るものがあるでしょう。
店舗設備などは老朽化がありますし、新製品が出るとその価値が大きく下がることも珍しくありません。

こういった担保を見て、信頼性が低そうな案件の場合は投資しない方が無難かもしれません。
ソーシャルレンディング業界では、2017年、2018年と、相次いで運営会社で行政処分が発生し、投資先の安全性や損失の可能性を改めて考える人が増えています。案件は金利や運用期間などの条件で選ぶことも重要ですが、失敗しないために担保の信頼性をよく見てから投資先を選ぶようにしましょう。

2-2 為替リスクが生じる海外投資案件

ソーシャルレンディングの案件の中には、クラウドクレジットのように、海外事業者への投資を中心に行っている会社や案件もあります。その場合に注意をしたいのが、為替リスクです。

ソーシャルレンディングにおける為替リスクとは

ソーシャルレンディングの投資案件が「外貨建て」になっている場合、運用期間中にその通貨が値下がりした場合、ソーシャルレンディングの運用利回りよりも通貨の値下がり率が大きくなると、最終的に赤字になってしまうというリスクがあります。(もちろん、通貨が値上がりすれば運用利回りに値上がり益が上乗せされる形となります)

この為替リスクを回避するためには、海外案件であっても「円建て」で投資ができる案件に投資をするか、そもそも海外案件を避けるということが必要になります。

このように、ソーシャルレンディングも案件によっては元本割れリスクがありますので、注意をして案件を選ぶことをおすすめします。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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