米国株に投資できる人気の投資信託10本は?購入時に見るべきポイントも

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GAFAを始めとしてテクノロジー関連の世界的な銘柄が多い米国株ですが、個別に投資するには口座開設や為替の問題など障壁が多くあり、尻込みしてしまう方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

また、米国企業の情報は国内企業と比べてあまり出回っておらず、どの企業に投資をすればいいか分からないという方も少なくないでしょう。そういった場合に活用できるのが、米国株の投資信託です。既存の証券会社の口座から投資することが可能で、銘柄選定なども運用会社に任せることができます。

この記事では、米国株を投資対象に含んだ投資信託の人気ランキングトップ10(SBI証券の販売金額ランキングに基づく)を紹介しています。外国株に投資する投資信託の見るべきポイントについても、詳しく開設していますので米国株への投資を考えている方はぜひ内容をご確認ください。

※本記事は2021年6月時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用を判断ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 米国株投資信託のメリット
    1-1.世界一の株式市場への参加
    1-2.大型株への分散投資
    1-3.少額から米国株へ投資できる
    1-4.3指数へのインデックス投資
  2. 外国株投資信託で抑えておきたいポイント
    2-1.買付手数料
    2-2.信託報酬
    2-3.分配金の実績
    2-4.投資テーマ・為替ヘッジの有無
  3. 米国株に投資できる投資信託ランキングTOP10
    3-1.SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
    3-2.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
    3-3.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
    3-4.ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
    3-5.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
    3-6.三井住友DS-グローバルAIファンド(為替ヘッジあり予想分配金提示型)
    3-7.楽天-楽天・全米株式インデックス・ファンド
    3-8.SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド
    3-9.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
    3-10.三井住友DS-グローバルAIファンド(予想分配金提示型)
  4. まとめ

1.米国株投資信託のメリット

米国株への投資には国内株と違う、いくつかのメリットがあります。以下、5つのポイントをピックアップして解説します。

1-1.世界一の株式市場への参加

米国の株式市場は世界で最も時価総額が高く活発に取引が行われている市場で、他国の株式市場にも大きな影響を与えるほどの規模を誇っています。世界的な大型銘柄が揃っており、市場参加者が世界中から集まってくるため、地合いが強い点も特長の一つです。

短期の収益を狙うための銘柄を探すのも良いのですが、S&P500のインデックス投資は長期的に上昇しているなど、長期投資に適した投資先でもあるのです。投資信託に投資することで様々な米国株へ間接的に投資することができ、一般の投資家にとっては定番の運用先の一つとなっています。

1-2.大型株への分散投資

米国市場には、世界に名だたるGAFAやマイクロソフトなど世界の時価総額トップ10に入る世界的企業が上場しています。堅調な米国のGDPに支えられ成長を続ける米国企業は、世界の株式市場に大きな影響を与え続け、金融市場をリードしているのです。

以前のリーマンショックのような恐慌が発生した場合、新興国や新興企業の株式から売られる傾向があります。一方で米国の大型株は荒れた市場にも強く、比較的リスクが限定されており、大型株への分散投資が実現できる投資信託はメリットを有しています。

1-3.少額から米国株へ投資できる

投資信託のメリットの一つとして、少額から投資できる点が挙げられます。最近では個別株も少額から投資できるようになりましたが、投資信託は1,000円程度で複数の株式へ分散投資ができるのです。

リスクヘッジの観点からみても、少額から分散投資ができることは意義のあることです。

1-4.3指数へのインデックス投資

米国株へ投資する投資信託の中でも、各指数へのインデックス投資を行うファンドには強みがあると言えます。インデックス投資は指数へ連動させるように運営するため、指数を上回る運用を目指すアクティブファンドに比べて運営コストが低く、そのために信託報酬が安いこともメリットです。

以下、米国の3つの指数について解説します。

S&P500

S&P500は、米国株式市場のニューヨーク証券取引所とNASDAQに上場する500銘柄を対象とした指数です。歴史のある指数で、計算がスタートしたのは1896年。米国市場の時価総額の8割をカバーしています。

バイ・アンド・ホールドの投資手法の解説では、必ずと言っていいほど取り上げられる代表的な指数の一つです。

ナスダック

1971年にスタートしたナスダック市場は、世界初の電子株式市場として注目されました。米国のベンチャー企業向けの市場であり、日本でいうところのジャスダックやマザーズのような市場です。

ナスダック市場にはナスダック総合指数という指標があります。上場全銘柄を時価総額加重平均で算出した数値のことです。ナスダック100は、ナスダック選抜100のことを指します。

ダウ平均

ダウ平均株価は、30、20、15とありますが、最も有名なものはダウ工業株30種平均です。ニュースでいつも伝えられているのはダウ30種平均です。米国を代表する30の銘柄が選出され、時代に合わせて入れ替えが行われます。計算当初に選出されていた企業は、全て入れ替わっており、時代とともに企業の代謝が進んでいます。

構成銘柄が少ないため、指数の変動は他の指数と比べると大きくなります。

2.外国株投資信託で抑えておきたいポイント

外国株を投資対象とする投資信託への投資で、確認するべきポイントを以下にまとめました。総資産額や騰落率は気になるポイントではありますが、その他にも抑えておきたいポイントをピックアップしました。

2-1.買付手数料

買付手数料とは、投資信託を買い付ける時に購入額に対してかかる手数料の事で、一般的には1~3%程度の手数料がかかります。最近では手数料がかからないノーロードの投資信託が増えてきましたので、買付手数料が1%を超えると高いと言える水準です。

買付手数料は販売会社の収入となりますので、銀行や証券会社ごとに割合が異なり、店舗を持たないネット証券はコスト削減が実現できるぶんノーロードのファンドが多いことを強みとしています。

買付手数料は一見小さな額にも見えますが、購入時は買付手数料分だけマイナスのスタートとなり、状況次第では手数料分のマイナスがなかなか埋まらないことがあります。ファンドを選ぶ時はできるだけノーロードのものを選びましょう。

2-2.信託報酬

信託報酬はファンドの運用や管理にかかる費用で、どの販売会社で購入しても一律にかかる費用です。目論見書に記載されている年率が日割りされ、基準価額の計算時に費用として毎日差し引かれています。自動的に引かれており、投資家が直接支払う感覚がないのですが、年間でみると結構な金額になり得ます。投資信託で成果を出すには費用のコストを抑えることが重要です。

信託報酬は固定の場合と純資産総額に合わせて変動するパターンがあります。インデックスファンドと比べてアクティブファンドは、情報収集や調査、分析、取引の執行などの手間がかかることと、成果を出すために積極的な取引を行うことから高めに設定されていることが多くあります。

2-3.分配金の実績

投資信託には収益の一部を投資家へ還元する分配金という仕組みがあります。一般的には決算時に支払われるケースが多いのですが、毎月分配金があるファンドも存在します。

収益の一部を還元する場合は問題ないのですが、収益が出ていないのに分配されるファンドもありますので、分配金の実績や分配方針はしっかりと確認しておきましょう。分配金と総資産額をあわせた収益が気になる方は、トータルリターンの項目を確認するとファンドがどの程度収益を出しているのか、確認することができます。

2-4.投資テーマ・為替ヘッジの有無

投資信託には、インデックスファンドの他に投資テーマをもったファンドがあります。定番のファンドから、ブームに合わせたファンドも売り出され、最近ではAIなどのテクノロジー、サイバーセキュリティのファンドが多くなりました。

他には、ヘルスケア、エネルギー、インフラ、新興国など利益を追求するアクティブファンドが中心にラインナップされています。ブル・ベア型や仕組債を組み込んだリスクが高いファンドもあり、あらゆる需要に対応できるラインナップが揃っています。

外国株へ投資する投資信託を選ぶ時は、為替ヘッジ有り・無しもしっかり確認しておきましょう。為替ヘッジ無しだと為替変動の影響を直接受けますが、為替ヘッジ有りの場合は円高による損失を抑えることができるのです。反面、円安のメリットを受けられず、かつヘッジにかかるヘッジコストが発生することも覚えておきましょう。

3.米国株に投資できる投資信託ランキングTOP10

積極的に米国株へ投資しているファンドを中心に、人気上位の10ファンドをピックアップしました。ファンド選びの参考にどうぞ。

※SBI証券の投資信託販売金額ランキング(2021/5/31~6/4集計分)参照。信託報酬は全て税込

3-1.SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

投資テーマ S&Pインデックス投資
信託報酬 0.0938%程度
分配金 年1回の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

S&P500のインデックスファンドで、信託報酬0.0938%の低さが強みです。毎年9月14日に決算が行われ収益が出ている場合に分配金がでますが、ファンド開始以来まだ分配金は出ていません。

長期的に成長が見込めるS&P500へのインデックス投資は長い目で見る必要があり、どのくらいの期間もち続けることができるのかがポイントとなります。

3-2.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

投資テーマ 先進国(日本含)と新興国の株式市場へ投資
信託報酬 0.1144%以内
分配金 年1回の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

日本を除く先進国や新興国の株式へ投資するテーマとなっていますが、構成銘柄の上位は、Apple、マイクロソフト、Amazon、アルファベット、Facebookとアメリカの企業となっており、実質アメリカの大型株で構成されたファンドです。指数連動型のインデックスファンドではありませんが、信託報酬0.1144%という低さは強みです。

欧州やアジア・オセアニアの銘柄が40%ほど含まれていますので、S&P500だけでは物足りない方にも向くファンドです。

3-3.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

投資テーマ S&Pインデックス投資
信託報酬 0,0968%
分配金 年1回の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

1位のSBIバンガードのS&P500のインデックスファンドと内容は同じですが、三菱UFJ国際投信のほうが信託報酬がわずかに高くなっており、その差が順位の差となって表れていると思われます。

同じ指数に投資するインデックスファンドは数多くありますので、その場合、信託報酬が安い方を選んだほうがよりよい選択となります。

3-4.ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

投資テーマ 主要先進国(日本除く)株式への投資
信託報酬 0.1023%
分配金 年1回の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

日本を除く主要先進国の株式へ投資するファンドで、主要な構成銘柄は、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベットといった米国の先進企業が占めています。

このファンドは米国の企業が7割を占めていますので、実質は米国株中心の投資ファンドと考えてよいでしょう。残りの2割はヨーロッパ、アジアや中南米は1割弱の構成です。

3-5.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

投資テーマ 主要先進国(日本除く)株式への投資
信託報酬 0.1023%
分配金 年1回の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

日本を除く先進国の株式市場の値動きに連動するインデックスファンドです。当初の資産構成は、米国が7割程度となっていましたが、執筆時点の最新情報では6割強に後退しており、ヨーロッパの割合が増えています。

インデックス投資ですが、資産構成の割合はベンチマークであるMSCIコクサイ・インデックスによって変わりますので、たまに確認しておくと良いでしょう。

3-6.三井住友DS-グローバルAIファンド(為替ヘッジあり予想分配金提示型)

投資テーマ 世界のAIを活用する企業へ投資
信託報酬 1.925%
分配金 毎月の決算に基づく
為替ヘッジの有無 あり

インデックス型のファンドが上位を占める中、数少ないアクティブ型ファンドのランクインです。AIを導入し、うまく活用している会社への投資がテーマですが、構成銘柄は上位に、ログ、テスラ、Amazon、ゼネラルエレクトリック、スナップとなっており、すべてアメリカの企業です。

こちらのファンドは為替ヘッジありで、分配金が毎月出ています。トータルリターンは2021年6月現在プラスですが、毎月分配型のファンドは特別分配金(元本払戻金)となっていないか、よく注意しておく必要があります。

3-7.楽天-楽天・全米株式インデックス・ファンド

投資テーマ 主要米国株式市場へインデックス投資
信託報酬 0.132%
分配金 毎年7月15日の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

米国株式市場の動きを捉えることを目指したインデックスファンドです。米国株式市場全体を捉えるCRSP USトータル・マーケット・インデックスをベンチマークとしていることから、構成銘柄は多岐にわたりますが、構成の上位はアップル、マイクロソフト、アマゾンなどの時価総額が高い銘柄が中心となっています。

米国株へ網羅的に投資したい場合は、選択肢に上がるファンドとなります。

3-8.SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド

投資テーマ 全世界の株式市場の動きを捉えるインデックス投資
信託報酬 0.1102%
分配金 年1回の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

全世界の株式市場の動きを捉える事を目指したインデックスファンドです。構成銘柄の上位は米国株で占められていますが、特徴的な点として、テンセントやサムスンなどの、アジアのIT企業でも構成されています。

米国株中心に投資したい一方で他の国の有力な企業の銘柄も抑えておきたい、という方には適したファンドです。

3-9.三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

投資テーマ 日本を除く先進国や新興国の株式に投資
信託報酬 0.1144%
分配金 年1回の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

日本を除く先進国や新興国へ投資するインデックスファンドです。基本的には、米国のソフトウェア企業を中心に投資するファンドですが、米国以外にもアジア企業の、テンセント、サムスン、アリババも構成されています。

バランス良く世界の注目企業に分散投資されている点がポイントです。

3-10.三井住友DS-グローバルAIファンド(予想分配金提示型)

投資テーマ 世界のAIを活用する企業へ投資
信託報酬 1.925%
分配金 毎月25日の決算に基づく
為替ヘッジの有無 なし

こちらのファンドは7位の三井住友DS-グローバルAIファンドと同じ内容で、為替ヘッジなしバージョンとなります。注意すべき点は為替リスクと毎月の分配金で、指数連動型のインデックスファンドに比べると多少値動きが大きくなります。

2021年6月現在、トータルリターンはプラスとなっていますが、特別分配金が連続するようになると、資産を減らしてしまう可能性もあります。また情勢の変化により円高になると、基準価額にも影響がでますので、為替の動きにも注目しておきましょう。

まとめ

SBI証券の販売金額ランキングをもとに、よく売れている上位10本のファンドを見てきましたが、インデックスファンドがよく売れている点が特徴的でした。また最近のトレンドを抑えて、AI関連のファンドがランクインしていたことも注目ポイントです。

投資信託の選び方のポイントとして、長期的に運用できることが重要になりますので、米国を始めとした世界の株式市場にバランス良く投資するファンドから選択するのが望ましいでしょう。

米国へ投資できるファンドをメインに、バランス良く投資できるファンドを探してみてはいかがでしょうか。

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sayran

「資産形成をより身近に」をモットーに、証券会社にて投資信託を中心にリスクの低い資産形成をオススメしていました。 テキストではよりわかりやすくみなさんの興味分野を解説し、資産形成の理解を広めていきたいと思っています。