沖縄発ソーシャルレンディング「ポケットファンディング」特徴やリスクは?

2019年3月6日現在、案件を継続的に提供しているソーシャルレンディング会社は10社程度です。maneoマーケットのソーシャルレンディングプラットフォームを利用している事業者、いわゆるmaneoファミリーを除けば、自社でソーシャルレンディングサイトを運営している会社はそう多くありません。

そういったmaneoファミリー以外のソーシャルレンディング会社の一つに、ポケットファンディングがあります。ここでは、ポケットファンディングの特徴やメリット、リスクをチェックしていきましょう。

目次

  1. ポケットファンディングとは
    1-1.沖縄に本社を持つソーシャルレンディング会社
    1-2.沖縄に地盤を持つ財全グループの1社
    1-3.沖縄の不動産案件が中心
  2. ポケットファンディングの案件の特徴は?
    2-1.累計募集実績は5億円程度
    2-2.利回り、運用期間は平均的
    2-3.ソーシャルレンディング案件の内容は不動産中心
    2-4.案件の保証は不動産を設定
    2-5.最低投資可能金額は1万円
    2-6.未成年でも投資が可能
  3. 沖縄の不動産市況は?
    3-1.那覇市を中心に値上がりしている
    3-2.観光客が増加し、宿泊施設の需要が増えている
    3-3.人口も増加し、経済規模も拡大中
    3-4.沖縄ならではの投資案件もある
  4. ポケットファンディングのリスク
    4-1.募集実績が少ない
    4-2.投資対象が少ない
    4-3.リファイナンス案件が多い
  5. まとめ

1.ポケットファンディングとは

ポケットファンディングは、2017年8月から案件の提供を始めたソーシャルレンディング会社です。ソーシャルレンディングの運用実績は約1年半となっています。

1-1.沖縄に本社を持つソーシャルレンディング会社

ポケットファンディングを運営するソーシャルバンクZAIZEN株式会社は沖縄県那覇市にあります。ほとんどのソーシャルレンディング会社が東京に本社を持つ中、沖縄に本社を構えている会社はポケットファンディングだけです。それゆえに、沖縄という地盤を活かしたソーシャルレンディング案件を投資家に提供しています。

1-2.沖縄に地盤を持つ財全グループの1社

ポケットファンディングはソーシャルバンクZAIZEN株式会社が運営しています。このソーシャルバンクZAIZENは、沖縄の不動産開発などを手がけている財全グループの1社です。財全グループでは、ソーシャルレンディングや不動産開発事業以外にもファクタリングやM&Aなどを手がけています。

1-3.沖縄の不動産案件が中心

ポケットファンディングが投資家に提供する案件の最大の特徴は、沖縄の投資案件が中心である点です。千葉県など沖縄エリア以外の案件も一部ありますが、2019年3月時点では9割以上が沖縄に関する案件となっています。沖縄は日本国内では唯一亜熱帯に属する県であり、国内外の観光客が訪れる観光地として人気が高い場所です。

また、人口増加率も東京都を超え、国内で一番高い数値です。まさに現在、活況に沸いている地域とも言えます。その反面、県民の平均年収は全国でも最低ランクであり、最低時給も同様に全国最低です。人が増えているものの、平均収入は多くないという特徴があるのです。

2.ポケットファンディングの案件の特徴は?

それでは、ポケットファンディングが提供している案件の特徴を見ていきましょう。

2-1.累計募集実績は5億円程度

2017年8月から募集を開始したポケットファンディングですが、2019年3月6日時点での累計募集実績は5億4400万円程度になっています。1ヶ月あたりの募集金額は、2,500万円から3,000万円といったところです。他のソーシャルレンディングサービスと比較すると、大きな金額ではありません。

案件数自体はそれなりに多いものの、一案件の募集金額が500万~1,000万円など、金額が小さいものが多い傾向です。大量に資金を投資したい人にとっては、この実績は物足りない数字かもしれません。

2-2.利回り、運用期間は平均的

利回りも気になるところです。ポケットファンディングでは、案件の利回りを最低4%以上としていますが、実際に運用された案件を見ると、6~7%台が中心です。他社と比較して高いわけではありませんが、目立って低いわけでもなく、ソーシャルレンディング業界では平均程度の収益が期待できます。

案件の運用期間は基本的には12ヶ月ですが、6ヶ月という短期間のもの、24ヶ月という長期間のものもあります。自分の運用スタイルに合わせ、運用期間を選ぶことができます。

2-3.ソーシャルレンディング案件の内容は不動産中心

案件の内容を見ていくと、基本的には沖縄県内の不動産事業者への融資が多いといえます。観光業が盛んな現在の沖縄だけに、宿泊施設などの開発案件が目立ちます。

また、特徴的なものとして、軍用地への融資案件があります。軍用地は沖縄県以外にもありますが、日本の国内における軍用地の74%は沖縄に集中しています。このように沖縄を舞台にした特徴のある案件は、他のソーシャルレンディング会社にはない魅力と言えるかもしれません。

2-4.案件の保証は不動産を設定

投資時に気になるのは、案件の保証です。ポケットファンディングでは、不動産担保のLTVを70%に設定しています。つまり、不動産価値の70%までしか資金を融資しません。そのぶん、ある程度資産価値が下がっても、資金を回収できる見込みが高くなると言えるでしょう。

また、軍用地など、価値が大きく左右しにくい投資対象もあります。軍用地は国が国民から土地を借り受け、アメリカ軍に貸し出しています。それだけに、貸し倒れのリスクは低く、資金を回収できる見込みが比較的高いと言えます。

2-5.最低投資可能金額は1万円

ポケットファンディングは1万円からの投資が可能になっています。積み立てるように、少額からソーシャルレンディング投資をすることができます。分配金も毎月15日前後に振り込まれるため、再投資も容易です。

2-6.未成年でも投資が可能

ポケットファンディングは未成年でも口座開設が可能です。ただし、親権者等がポケットファンディングに口座を開設していること等の条件を満たすことが必要です。個人の基礎控除は38万円(2019年3月時点)ですので、利回り6.5%程度の案件で年間500万円程度の投資であれば、収入は38万円の範囲に収まり、源泉徴収された20%分の所得税が戻ってきます。

ただし、アルバイトなどで得た給与所得65万円、その他の所得(ソーシャルレンディングなど)38万円のいずれかを超過してしまうと、扶養から外れてしまい、親と未成年者本人の税負担が大きくなるリスクがありますので、注意する必要があります。

3.沖縄の不動産市況は?

ポケットバンクが主に取り扱う、沖縄県内の不動産市況をチェックしてみましょう。

3-1.那覇市を中心に値上がりしている

沖縄県那覇市エリアの公示地価の推移は、ここ10年で以下のようになっています。

公示地価平均 坪単価平均 前年比
2009年[平成21年] 15万7551円/m2 52万830円/坪 -2.09%
2010年[平成22年] 15万3197円/m2 50万6437円/坪 -2.54%
2011年[平成23年] 15万4046円/m2 50万9244円/坪 -1.74%
2012年[平成24年] 15万3355円/m2 50万6961円/坪 -0.82%
2013年[平成25年] 15万4161円/m2 50万9624円/坪 +0.11%
2014年[平成26年] 15万6790円/m2 51万8317円/坪 +1.12%
2015年[平成27年] 15万9543円/m2 52万7415円/坪 +1.50%
2016年[平成28年] 16万5471円/m2 54万7014円/坪 +3.15%
2017年[平成29年] 17万7102円/m2 58万5461円/坪 +4.09%
2018年[平成30年] 19万2106円/m2 63万5061円/坪 +6.84%

土地代データ 那覇市の公示地価平均より引用

これを見れば分かるように、那覇市の不動産価格はここ3年で大きな伸びを見せています。ポケットファンディングの案件を見ると、大まかに担保の所在地が記載されています。那覇市の中心部や沖縄本島の南部など、不動産が値上がりしているエリアの開発案件を選んで投資できます。

不動産型担保を設定した案件であれば、不動産価格の上昇によって担保の確実性も上がります。

3-2.観光客が増加し、宿泊施設の需要が増えている

日本全国で海外からの観光客は増加していますが、沖縄県は顕著です。これは平成28年度と平成29年度の沖縄県の観光客数を比較した数字です。

平成29年(暦年)の入域観光客数は 939万6,200人で、前年比で78万3,100人、率にして9.1%の増加となった。初の900万人台を記録し、5年連続で過去最高を更新した。
引用:沖縄県「平成 29 年(暦年)沖縄県入域観光客統計概況

この資料のように、沖縄県の観光客数は毎年増加を続け、過去最高を更新し続けています。日本国内からの観光客も多く、人気がある場所だけに、観光客が急激に落ち込むとは考えにくいと言えます。

宿泊施設の規模は、2017年と2018年の比較で以下のようになっています。

引用:沖縄県「平成29年「宿泊施設実態調査」の結果について

沖縄県が目標に掲げている2021年度の入域観光客数1,000万人という目標に照らすと、宿泊施設はまだ足りないと言える状態です。そのため、依然として沖縄県内ではホテル開業ラッシュが続いています。

3-3.人口も増加し、経済規模も拡大中

沖縄の人口は現在、日本で一番の伸び率となっています。子供の出生による自然増加が特徴です。東京やその近辺のような、付近の都道府県からの流入による人口の増加ではありません(参照:平成 29 年 沖縄県人口動態統計(確定数)の概況)。
沖縄の経済規模も年々拡大しているため、県全体の景気は好調です。

3-4.沖縄ならではの投資案件もある

ポケットファンディングには沖縄県ならではの不動産投資案件もあります。
ポケットファンディングのブログ記事でも記載されていますが、特に軍用地の投資案件が目立っています。軍用地は日本国から借り受けている場所であり、賃貸料を払うのは国です。それだけに信頼できる借り手が付いている投資と言えます。

一方で、軍用地が使われなくなって日本に返還されれば、賃料収入が無くなるリスクを伴います。軍用地が那覇市内の住宅や店舗付近にあり、宿泊施設の需要のある場所などであれば、もし土地が返還されても有効活用できる可能性が上がるため、ある程度のリスクはカバーできます。

4.ポケットファンディングのリスク

ポケットファンディングのリスクについても詳しく見ていきましょう。

4-1.募集実績が少ない

ポケットファンディングの募集実績は、累計で5億円程度と小規模です。毎月3,000万円程度の募集ですから、会社としての実績はあまり多くないと言えます。まだ会社規模や実績が大きなものではないことから、倒産リスクや事業撤退リスクなどを考える必要性があります。

4-2.投資対象が少ない

募集実績が少ないため、毎月投資できる金額に限りがあります。数百万円~数千万円単位で運用して多額の分配金を毎月獲得したい人にとっては、現状のポケットファンディングは少々物足りないと思える投資先です。

4-3.リファイナンス案件が多い

ポケットファンディングでは、案件の詳細にリファイナンス(主に追加融資)について記載しています。リファイナンスの事情は様々ですが、不動産の開発資金のためにポケットファンディングから借り入れたにもかかわらず、期日までに不動産を売却できなかったため、再度の借り入れを行ったということも考えられるでしょう。

そういった点が気になる場合、ポケットファンディングでは案件ごとに投資家からの質問を受け付けています。同社に直接質問してみると、疑問が解消できるかもしれません。

まとめ

沖縄という地盤を活かしたソーシャルレンディング案件を提供しているポケットバンク。会社や事業の規模はあまり大きくありませんが、特徴的な案件をもとに着実に実績を重ねています。未成年でも投資できたり、手堅い軍用地案件への投資ができたりなど、他のソーシャルレンディング会社にない独自性が魅力です。

ただし、事業者リスクや倒産リスクなどにも注意を払わなければいけません。そういった魅力とリスクを天秤にかけながら、分散投資の一環として投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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