PO株(公募増資・売出)のメリット・デメリットは?購入できる証券会社も

IPO(新規公開株)は個人投資家に人気がありますが、PO(公募増資・売出)については知らない人も多いかと思います。そこで今回はPOとIPOとの違いや、POのメリット・デメリット・購入方法について解説します。

目次

  1. PO(公募・売出)とは
  2. POとIPOの違い
  3. POの申し込み方法
  4. POのメリット
    4-1.株式を割引価格で買える
    4-2.将来的に株価に好影響がでる可能性がある
    4-3.業績や株価を把握してから購入できる
  5. POのデメリット
    5-1.株価が希薄化し、短期的に株価が下がる場合がある
    5-2.長期の運用が必要
  6. PO取引ができる証券会社3選
    6-1.SBI証券
    6-2.SMBC日興証券
    6-3.auカブコム証券
  7. まとめ

 

1.PO(公募・売出)とは

POとは『Public Offering」の略で、日本語では『公募・売出』とも呼ばれています。公募とは「不特定多数の投資家に対して、新規に発行する有価証券の募集を行うこと」で、売出とは「すでに発行している有価証券の売出又は買い出しの申込を勧誘すること」です。

POは、すでに証券取引所に上場して株取引されている企業が、大株主の保有株売却や追加の資金調達などを目的として行われます。

2.POとIPOの違い

POと似たような言葉に「IPO」があります。IPOとは「Initial Public Offering」の略で、日本語では「新規株式公開」と呼ばれています。まだ上場していない企業が、株式などの有価証券を証券取引所に上場することです。これにより一般の人が企業の株式を保有し、証券取引所で自由に売買が可能になるのです。

POとIPOの違いは、以下の通りです。

【PO】

  • すでに上場している株式
  • 株式を新規に発行し、資金を調達する(公募)
  • 自社株や大株主がこれまで保有していた株式を市場に売却する(売出)

【IPO】

  • 上場していない株式
  • 企業は初めて資金を募集したり、株式を売却したりする

3.POの申し込み方法

それでは、POの申し込みから購入までの流れを説明します。

  1. 購入申込期間中に目論見書の確認を行う
  2. ブックビルディング期間中に需要申告する
  3. 公募・売出価格が決定する
  4. 当選通知のあと、申し込みをする

ブックビルディングとは、POの値段を決める際に仮条件を投資家に提示し、「その値段でどれぐらいの投資家が購入したいか」という投資家のニーズを調べたあとに価格の決定を行う方法で、「需要積み上げ方式」ともいわれています。

POとIPOの申し込み方は、ほとんど同じですが、価格について、POはブックビルディング期間に希望の割引率で申告するという点が異なります。たとえば、割引率の幅が2.0%~6.0%の場合、「4.0%」で買いたいと入力するのです。一方のIPOでは仮条件として、たとえば1,200~1,500円などの価格が提示されていて、希望価格を申し込む形です。

また、POは需要申告が上限に達したら、申し込みを打ち切るケースがあり、売出価格の決定、購入申し込み期間、株券交付のスケジュールが繰り上がります。IPOの場合、申し込み打ち切りはありません。

4.POのメリット

POのメリットは、以下の3つです。

4-1.株式を割引価格で買える

POの1番のメリットは、市場より割引価格で買えることです。2019年4月には株式会社かんぽ生命保険が4.0%割引、2020年11月には日本航空が3.04%割引でPOを行いました。

4-2.将来的に株価に好影響がでる可能性がある

POによって株数が増えると、流動性が高くなり株式の売買が活発になります。企業側も増資すると設備投資や新しい事業にチャレンジでき、経営が良好になると株価にもいい影響がでます。

4-3.業績や株価を把握してから購入できる

IPOとは違ってすでに上場している銘柄のため、業績や株価を把握してから購入できるのもメリットです。

5.POのデメリット

POのデメリットについても解説します。

5-1.株価の希薄化が発生し、短期的に株価が下がる場合がある

公募増資をした場合、発行済み株式数が増加することで希薄化が発生し、1株当たりの価値が低下します。そのため短期的には売り圧力がかかり、株価は下がる傾向にあります。また実際にPO株を手にするまでには7日程度かかるため、すでに株式を持っている人が売却してしまうと、供給過剰となり株価が下落してしまう可能性もあります。

5-2.長期の運用が必要

POで資金調達ができたとしても、企業が業績アップの成果をだすまでには時間がかかります。そのため短期で売却すると損する恐れもあり、長期目線での運用が必要になります。

6.PO取引ができる証券会社3選

PO銘柄を購入する際に便利な証券会社を3つピックアップしてご紹介します。

6-1.SBI証券

SBI証券の口座数は2020年3月末で500万口座を超えています。その人気の理由の一つは、株式手数料の安さです。また、PO株の購入時の手数料がかかりません(ただし、売却時はかかります)。PO銘柄のラインナップも豊富です。

6-2.SMBC日興証券

SMBC日興証券

三井住友フィナンシャルグループであり、国内3大証券の1つです。信用取引の手数料無料や、初心者に対する「株式ミニ投資」「キンカブ」「日興フロッギー」などのサービスが豊富です。主幹事を多くしているので、PO株の扱い銘柄数も豊富です。また、オンラインで申し込むとすべて抽選になり、ネットだけで手続きが済みます。

6-3.auカブコム証券

auカブコム証券は、三菱UFJフィナンシャルグループの証券会社です。ネット証券の中でも最低水準の手数料で、独自の「シニア割・女子割・au割」などの割引も充実しています。POについては三菱UFJモルガン・スタンレー証券が引き受ける銘柄に申し込みが可能です。また購入手数料は無料で、ネットだけで申し込みが完結します。

まとめ

この記事では、POの特徴とメリット・デメリットについて解説しました。

POのメリットは、市場価格よりも割引価格で株式を手に入れられることです。また、POで資金調達した資金で、企業は新しいことにチャレンジができ、将来的に株価が上がる可能性もあります。一方のデメリットは、株価の希薄化のため短期的には株価が下がる可能性があることです。

短期的な視点ではなく、長期で応援したい企業のPOに申し込むようにしましょう。

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山下耕太郎

山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011