様々な投資型クラウドファンディングのサービスがある中で、海外ファンドに特化したプラットフォームも複数見られています。海外ファンドへの投資は高利回りの案件も多く、円の下落リスクを分散する効果が期待できるなど、様々なメリットがあります。
一方、国内ファンドとは異なる海外ファンドのリスクやデメリットがあります。これらの点に注意しながらも、投資を検討することが大切です。
そこで今回は、クラウドファンディング投資のメリット・デメリットに加え、海外ファンドへ投資できるクラウドファンディングサービスを紹介します。海外ファンドへの投資を検討している方はご参考ください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- クラウドファンディングで海外ファンドに投資するメリット
1-1.少額から投資できる
1-2.想定利回りが高い
1-3.分散投資がしやすい - クラウドファンディングで海外ファンドに投資するデメリットや注意点
2-1.為替リスクがある
2-2.短期的に大きな利益を得にくい
2-3.プラットフォーム以外から情報を仕入れるのが難しい - 海外ファンドへ投資できるクラウドファンディング4選
3-1.TECROWD(テクラウド)
3-2.CROWD CREDIT(クラウドクレジット)
3-3.Crowd Bank(クラウドバンク)
3-4.COMMOSUS(コモサス) - まとめ
1.クラウドファンディングで海外ファンドに投資するメリット
クラウドファンディングで海外ファンドに投資するメリットは下記のとおりです。
- 少額から投資できる
- 想定利回りが高い
- 分散投資がしやすい
1-1.少額から投資できる
クラウドファンディングでは、少額から海外に投資できるメリットがあります。クラウドファンディングは1口1万円から投資できるファンドが多く、高くても10万円程度あれば投資可能です。
まとまった資金が無くても海外に投資できるというのは、クラウドファンディングのメリットと言えるでしょう。
1-2.想定利回りが高い
クラウドファンディングで海外ファンドに投資するメリットの1つが、利回りの高さです。海外へ投資できるクラウドファンディングでは、低くて3%程度、高ければ10%を超える利回りが設定されたファンドが提供されています。
ただし、高利回りの案件が多い点は海外ファンドのメリットと言えますが、反面、高利回りの案件になるほどリスクが高くなる傾向がある点に注意が必要です。
1-3.分散投資がしやすい
分散投資がしやすくなるのも、クラウドファンディングで海外ファンドに投資するメリットです。
分散投資とは、複数の資産や地域などに投資をすることで、投資のリスクを避けるための手段です。クラウドファンディングでは海外ファンドに投資しやすく、投資対象もさまざまなので、国外への手軽な分散投資を求める方にも適した投資方法と言えるでしょう。
2.クラウドファンディングで海外ファンドに投資するデメリットや注意点
クラウドファンディングで海外ファンドに投資するデメリットや注意点は下記のとおりです。
- 為替リスクがある
- 短期的に大きな利益を得にくい
- プラットフォーム以外から情報を仕入れるのが難しい
2-1.為替リスクがある
外貨建てのファンドであれば為替変動リスクにより、利益の目減りや損失の発生を招くことがあります。為替リスクを避けるためには、為替ヘッジのついている案件を選ぶなどの対策を講じることも検討されてみると良いでしょう。
なお、投資先で運用される通貨は、投資する国の政治・経済情勢によってマーケットが変動するカントリーリスクの影響を受けます。新興国への投資ではカントリーリスクが高まる傾向にあるため、マクロ的な社会情勢についても注意することが大切です。
2-2.短期的に大きな利益を得にくい
クラウドファンディングで提供されるファンドには、最低でも数ヶ月、長ければ年単位の運用期間が設定されています。また、事前に想定されている利回りを大きく上回る事例は少なく、高くとも10%前後の利回りの案件が中心となってきます。
また、株式投資・FXのように期間内の売却も原則としてできません。短期的な売買取引や権利の譲渡によるキャピタルゲインを狙えないという点も、短期投資に適していない特徴となります。
2-3.プラットフォーム以外から情報を仕入れるのが難しい
運用対象の詳細を調査し、投資家に分かりやすくファンド情報を提供してくれるという点は、クラウドファンディング投資の大きなメリットと言えます。
しかしその反面、海外ファンドへの投資の場合、ファンドを提供するプラットフォーム以外の情報を探すのが難しくなるという点に注意が必要です。
例えば、国内不動産を運用対象としたファンドの場合、不動産の地価や周辺の家賃相場などの情報を日本語ベースで取得することが可能です。一方、海外ファンドの場合、自身で英語ベースの情報を精査し、投資判断をすることになります。このような違いから、プラットフォーム外での情報を取得する難易度が上がってしまうという点がデメリットと言えます。
また、海外ファンドには特定事業者の小規模事業を投資対象していることも多く、案件によっては情報収集すること自体のハードルが高いというケースもあります。プラットフォームでの情報を熟読したり、できるだけ多くの情報を掲載しているプラットフォームを選択するなど、投資の是非については慎重に判断するようにしましょう。
3.海外ファンドへ投資できるクラウドファンディング4選
海外ファンドへ投資できるクラウドファンディングサービスは下記のとおりです。
- TECROWD(テクラウド)
- CROWD CREDIT(クラウドクレジット)
- Crowd Bank(クラウドバンク)
- COMMOSUS(コモサス)
3-1.TECROWD(テクラウド)
TECROWD(テクラウド)は、国内外の不動産をファンドに投資できる不動産投資型クラウドファンディングです。経済発展の著しい中央アジアの新興国のオフィスビル・レジデンスに投資できるファンドを提供しています。
これまでに提供された海外投資可能なファンドはモンゴルの不動産物件を対象にしたもののみでしたが、2022年からはカザフスタンの高級レジデンスに投資できるファンドが加わっています。ファンドの想定利回りも8%~10.5%と高水準なのが魅力です。
TECROWDを運営しているのは、建築・土木・設計・管理・開発などを手がける建設会社で、投資対象物件の施工工程や品質の管理・監督も行っています。品質の高い物件・不動産を対象にしたファンドを提供しているのは、投資家にとってメリットとなります。
ほかにも、優先劣後方式を採用して投資家の保護を図っている点や、出資金・会計の分別管理、日本円での出資・償還など投資へのリスクヘッジを行っているのも特徴といえます。
3-2.CROWD CREDIT(クラウドクレジット)
CROWD CREDIT(クラウドクレジット)は、海外の国の人や事業に投資できる融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)です。
海外の資金需要が大きい国・資金需要者を対象に出資できるのが特徴で、アジア・ヨーロッパ、アメリカ、中南米などの国に出資可能なファンドを提供しています。2022年2月時点5.1%~10.7%と高い利回り水準のファンドを提供しており、相応のリターンを期待できます。
運営会社が直接現地に足を運んで調査を行って厳選されてファンドのみを扱い、リスク管理も徹底しています。1つの事業に投資するファンドや、複数の事業をまとめた分散投資可能なファンドなど、投資の選択肢が多いのも特徴的と言えます。
ただし、クラウドクレジットでは新興国を対象とした運用ファンドも多く組成されており、高利回りの案件では返済遅延や元本割れの事例も見られています。利回りのみを重視するのではなくリスクにも着目し、投資金を集中させないよう分散投資を検討しておきましょう。
3-3.Crowd Bank(クラウドバンク)
Crowd Bank(クラウドバンク)は、米国圏やアジア、オセアニア、アフリカ、中南米などの国や事業に投資できる融資型クラウドファンディングです。
特定の事業や中小企業を支援するためのファンドを多く取り扱い、不動産や太陽光発電、ローンファンドなど投資対象が幅広いのも特徴的です。実績平均利回りも6.8%と高水準なため、高いリターンを期待できます。
2022年1月時点の元本回収率は100%であるほか、投資リスク・投資家保護のための対策をしっかり講じているため、利用しやすいソーシャルレンディングサービスといえるでしょう。ただし、将来における回収率を約束するものではなく、元本棄損のリスクがあることに注意が必要です。
3-4.COMMOSUS(コモサス)
COMMOSUS(コモサス)は、株式会社コモサスが運営するソーシャルレンディングサイトです。
案件によって最低投資額は異なりますが、ほとんどのファンドが1万円から投資可能となっており、あまり投資の経験のない人でも少額から始めることができるメリットがあります。予定利回り3.0%〜7.0%(2019年9月〜2021年8月の取扱実績、年率・税引前)と、リスクとリターンのバランスも検討しやすいのが特徴です。
過去にはカンボジア農家支援ファンドやエチオピア環境リサイクルファンドが募集されたことがありました。
まとめ
今回は海外ファンドへ投資できるクラウドファンディングサービスについて紹介しました。クラウドファンディングを利用すれば、少額から簡単に海外への投資ができます。利回りも高水準であることが多く、分散投資もしやすいなどのメリットがあります。
一方、為替リスクがあることや、短期的に大きなリターンを狙いにくいこと、案件によってはプラットフォーム外からの情報収集のハードルが高いという点はデメリットとなります。これらの点にも注意しながら、慎重に検討することが大切です。
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山本 将弘
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