東日本旅客鉄道(JR東日本)の株主優待内容や配当金・配当利回りは?注意点も【2021年】

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株主優待とは、企業が株主に対して自社製品や金券、優待券などを贈呈する制度です。上場企業の約4割が株主優待を行っており、東証プライム上場企業の東日本旅客鉄道(JR東日本)も株主優待を実施しています。

今回は2021年度の東日本旅客鉄道の株主優待について内容の詳細や配当、注意点などを紹介しますので、銘柄選びの参考にしてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 東日本旅客鉄道(JR東日本)の株主優待の内容
    1-1.株主優待割引券
    1-2.株主サービス券
  2. 東日本旅客鉄道(JR東日本)の配当の内容
  3. 東日本旅客鉄道(JR東日本)の業績の内容
  4. 東日本旅客鉄道(JR東日本)の企業情報
  5. 東日本旅客鉄道(JR東日本)の優待を受ける場合の注意点
    5-1.株主優待割引券と株主サービス券には有効期間がある
    5-2.株主優待割引券には利用制限がある
    5-3.株主優待割引券は必ず携帯しなければならない
    5-4.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
    5-5.権利付最終日での購入には注意
    5-6.元本を毀損する可能性がある
  6. まとめ

1.東日本旅客鉄道(JR東日本)の株主優待の内容

銘柄 東日本旅客鉄道
コード 9020
優待回数 1回
優待権利確定月 3月
優待利回り
株価 6,957円
優待を得るための最低投資額 695,700円
権利付最終日 2021年3月29日(月)、2021年9月28日(火)

※株価、最低投資額、優待利回りは2021年12月3日時点でのデータ

東日本旅客鉄道(9020)の株主優待の内容は下記の通りです。

  1. 株主優待割引券(JR東日本路線内の運賃・料金の割引券)
  2. 株主サービス券(同社グループの施設などで利用できる各種サービス券)

それぞれ詳しく紹介します。

1-1.株主優待割引券

東日本旅客鉄道(JR東日本)の株主優待の1つが、株主優待割引券です。

JR東日本の営業路線が割引の対象となり、割引券1枚につき1人分の運賃や料金が40%割引されます。なお「運賃」とは営業路線内の普通片道乗車券、「料金」とは片道の特急券、急行券、グリーン兼、座席指定券を指します。

所有する株式数によって、割引券の発行枚数が下記のように変動します。

保有株式数 株主優待割引券の発行枚数
100株~1,000株 100株ごとに1枚
1,000株超~10,000株 10枚+1,000株超過分200株ごとに1枚
10,000株超~20,000株未満 55枚+10,000株超過分300株ごとに1枚
20,000株以上~50,000株未満 100枚
50,000株以上~100,000株未満 250枚
100,000株以上 500枚

※2021年12月3日時点のデータ

株主優待割引券は、旅行開始前の発売箇所において、乗車券などを購入する場合に限り利用可能です。利用の際は指定席券売機で発券するか、みどりの窓口などへの発券申し込みが必要です。

1-2.株主サービス券

東日本旅客鉄道(JR東日本)の株主優待では、100株の保有で株主サービス券も贈呈されます。各サービス券の内容は下記の通りです。

JRE MALLクーポン1枚 JR東日本直営のECサイト「JRE MALL」で1,000円以上の買い物に利用できる500円クーポン
鉄道博物館入館割引券2枚 通常料金の50%割引で入館可能
※1枚につき1人1回の割引
東京ステーションギャラリー入館割引券2枚 通常料金の50%割引で入館可能
※1枚につき1人1回の割引
株主優待宿泊券6枚 対象ホテルを一般販売価格の10%~20%程度の割引価格で利用可能
レストラン・バー割引券3枚 東京ステーションホテル、メズム東京、メトロポリタンホテルズのレストラン・バーを正規料金の10%割引で利用可能、ドリンク1杯無料
GALA湯沢スキー場リフト割引券・スクールレッスン料金割引券各3枚 ・場内一日券を正規料金の50%割引で利用可能
・スクールレッスン料金を正規料金の20%割引で利用可能
駅レンタカー割引券3枚 対象の営業所において駅レンタカーを基本料金(補償付)の30%割引で利用可能
STATION BOOTH利用券1枚 最大1時間まで無料利用可能
ベックスコーヒーショップ・ベッカーズドリンク割引券3枚 ドリンクを100円割引で購入可能
いろり庵きらく・そばいち 選べるトッピング無料券3枚 たまご・わかめ・揚げ玉の3種類からトッピング一品を無料サービス
リラクゼ 料金割引券3枚 リラクゼーションなどのサービスを正規料金の15%割引で利用可能
JR東京総合病院 人間ドック料金割引券1枚 人間ドックを基本料金の10%割引で受診可能
※1,000株保有が条件

※2021年12月3日時点のデータ
※詳しい利用方法などは公式WEBサイトなどで確認してください。

2.東日本旅客鉄道(JR東日本)の配当の内容

東日本旅客鉄道の配当の内容は下記の通りです。

年度 1株配当(円) 配当利回り
2017年3月 130円 1.34%
2018年3月 140円 1.42%
2019円3月 150円 1.40%
2020年3月 165円 2.02%
2021年3月 100円 1.28%
2022年3月 100円(予想1株配当) 1.40%(予想配当利回り)

※1株あたり配当金額は過去決算資料より集計
※配当利回りは決算期末日の終値より集計

ここ5年の1株当たりの配当金額は100円から165円の間で推移しています。2022年3月決算では、前年と同様100円の予想1株配当となっています。

実績配当利回りは1.28%から2.02%で推移しています。配当金額が下がった2021年でも1.28%の配当利回りをキープしており、2022年3月決算では予想配当利回りが1.40%とやや回復すると見られています。

3.東日本旅客鉄道(JR東日本)の業績の内容

東日本旅客鉄道の業績の内容は下記の通りです(単位:円)。

年度 営業収益 営業利益 経常利益 純利益 包括利益
2017年3月期 2兆8,808億 4,663億900万 4,123億1,100万 2,779億2,500万 2,934億7,000万
2018年3月期 2兆9,501億 4,812億9,500万 4,399億6,900万 2,889億5,700万 3,006億4,700万
2019年3月期 3兆20億 4,848億6,000万 4,432億6,700万 2,952億1,600万 2,959億2,800万
2020年3月期 2兆9,466億 3,808億4,100万 3,395億2,500万 1,984億2,800万 1,733億200万
2021年3月期 1兆7,645億 -5,203億5,800万 -5,797億9,800万 -5,779億 -5,657億7,100万

※過去決算データより集計
※営業収益=売上高

2020年度まで安定した営業収益を上げてきた東日本旅客鉄道ですが、2021年度は新型コロナウイルスの影響により営業収益は約1兆2,000億円減少しています。これにより経常利益が約5,800億円の赤字、純利益でも約5,780億円の赤字となっています。

2022年3月期決算では営業収益が2兆円台に回復すると見込まれていますが、経常利益・純利益の予想値は1,600億円の赤字となり、黒字に転換するまでには至っていない想定です。

4.東日本旅客鉄道(JR東日本)の企業情報

社名(英語社名) 東日本旅客鉄道(EAST JAPAN RAILWAY CO.)
業種 陸運業
代表者 代表取締役社長 深澤 祐二
決算 3月
資本金 2,000億円
本社所在地 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号
上場市場 東証一部
上場年月日 1993年10月26日

東日本旅客鉄道(JR東日本)は、運輸事業、流通・サービス事業、不動産・ホテル事業などを展開する企業です。

運輸事業では、鉄道事業をメインに旅客運送事業や旅行業、清掃整備業、駅業務運営業、設備保守業、鉄道車両製造事業、鉄道車両メンテナンス事業などを手掛けています。

国鉄分割民営化をきっかけに1987年4月に誕生した同社は、首都圏から東北に至る東日本全域の鉄道運営を行っており、1日あたり約1,780万人を輸送しています。

5.東日本旅客鉄道(JR東日本)の優待を受ける場合の注意点

東日本旅客鉄道の株主優待を受ける場合は、下記のポイントに注意しましょう。

  • 株主優待割引券と株主サービス券には有効期間がある
  • 株主優待割引券には利用制限がある
  • 株主優待割引券は必ず携帯しなければならない
  • 優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある
  • 権利付最終日での購入には注意
  • 元本を毀損する可能性がある

5-1.株主優待割引券と株主サービス券には有効期間がある

株主優待割引券や株主サービス券にはそれぞれ有効期間が設定されています。

株主優待割引券 6月1日から翌年5月31日までの1年間
※有効期間は購入日が基準となる(乗車日ではない)
※割引券の有効期間内に乗車券などを購入した場合、乗車券などに記載されている期間まで有効
株主サービス券 6月1日から翌年5月31日までの1年間
※優待価格宿泊券はチェックインの日(宿泊開始日)が基準となる
※駅レンタカー割引については利用開始日が基準となる

有効期間はどちらも6月1日から翌年5月31日までの1年間となります。サービス内容によって有効期間の基準が異なるため、利用する前に確認しておきましょう。

5-2.株主優待割引券には利用制限がある

株主優待割引券が利用できないケースがあります。詳細は下記の通りです。

サービス 詳細
定期券、回数券、Suica ・株主優待割引の対象外
グランクラス、プレミアムグリーン、個室、寝台列車(寝台を併結した列車の寝台車・座席車を含む) ・運賃のみが株主優待割引の対象
・料金は株主優待割引の対象外

上記の利用制限のほか、他の割引サービスとの重複併用はできず、すでに割引している商品も株主優待割引の対象外となります。優待割引券が利用可能か必ず確認するようにしましょう。

5-3.株主優待割引券は必ず携帯しなければならない

天災地変など、不慮の事情により列車の運行ができなくなったり、遅延したりしたときには、乗車券などの払戻が可能です。払戻料金に株主優待割引券を利用した割引を受けている場合、一度利用した優待割引券を再度利用可能な状態に戻すことができます。

その際、手続きのために割引券で購入した乗車券などのチケット類と利用した株主優待割引券を一緒に、みどりの窓口に提示する必要があります。そのため、株主優待割引券は旅行中・移動中も必ず携帯しておく必要があります。

払戻時に優待割引券を紛失・廃棄している場合、再発行ができませんので注意しましょう。

5-4.優待内容の変更・株主優待の廃止の可能性がある

株主優待は内容が急に変更されたり、優待自体が廃止されたりすることがあります。株主優待の内容変更や廃止が発表された場合、保有株が手放されて株価が急落し、損失が発生する可能性もあるため注意が必要です。

特に、業績が良くない銘柄や東証プライムに上場して間もない銘柄、優待利回りが高すぎる銘柄などは、株主優待の内容が変更・廃止となることが多い傾向にあります。

株主優待の内容に変更などがないか、定期的にチェックしておきましょう。

5-5.権利付最終日での購入には注意

権利付最終日(権利確定日から2営業日前)やその直前で株式を購入し、株主優待を受けようとするのは避けたほうがいいでしょう。人気が高い優待銘柄は権利確定日に向かって株価が上昇し、権利落ち日(権利付最終日の翌日)以降に株価が大きく下落する傾向にあるからです。

割高な金額で株式を購入したうえに含み損を抱えてしまうケースがあるので、購入のタイミングには十分気を付けましょう。

5-6.元本を毀損する可能性がある

株式投資を行う以上、元本を毀損する可能性があります。

先述したような優待内容の変更や廃止、権利確定日以降の値動きに加え、他にもさまざまな要因によって株価は変動します。株主優待が目的で株式を購入する場合でも、株価の動きについては必ずチェックしなければなりません。

損失が発生しそうなら、元本毀損前の株式売却や損切り(=損失を確定させるための売却)を決断するべきです。株式優待だけにフォーカスするのではなく、さまざまな状況と対処法を想定して行動することが重要です。

まとめ

今回は東日本旅客鉄道の2021年の株主優待について紹介しました。

東日本旅客鉄道(JR東日本)では、片道料金が4割引になる株主優待割引や、関連するサービスで利用できる株主サービス券などの特典を受けられます。

ただし、今後も同じ優待が受けられるとは限りません。株主優待を目的に株式購入を考えているなら、優待に変更・廃止などがないか定期的に確認しましょう。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。