CREALやRenosyなど、不動産投資型クラウドファンディングサービスの数も順調に増えつつあります。投資家にとっては少ない資金から不動産投資が可能といったメリットがあり、投資後は売買や運用の手間もなく、無事に運用が進めば定期的に配当金を受取ることができます。
その不動産投資型クラウドファンディングサービスのひとつに、大手不動産会社の『あなぶき興産』が運営するサイト「Jointo α」(ジョイントアルファ)があります。この記事では、ジョイントアルファを検討している方に向けて特徴やメリットなどを見ていきたいと思います。
目次
- 投資先としてのジョイントアルファのメリット
1-1.10万円からの投資が可能な不動産クラウドファンディング
1-2.優先劣後スキーム採用で一定割合の損失をあなぶき興産が負担
1-3.日本全国の不動産物件への投資が可能 - ジョイントアルファの案件をチェック
2-1.区分マンションやゲストシェアハウスへの投資が中心
2-2.予定の利回りは3.6~5%
2-3.運用期間は6ヶ月~12ヶ月
2-4.キャンペーンの実施状況 - 運営元のあなぶき興産とは
3-1.東証プライム上場の不動産会社
3-2.1964年創業の老舗企業 - まとめ
1.ジョイントアルファの特徴・メリット
ジョイントアルファについて解説をしていく前に、まずはサービスの特徴などを見ていきましょう。以下は運営企業やサービスの投資利回りなどの概要情報となります。
運営会社名 | 穴吹興産株式会社 |
本社所在地 | 香川県高松市鍛冶屋町7-12 |
設立 | 1964年 |
代表取締役 | 穴吹 忠嗣 |
資本金 | 7億5,500万円 |
上場有無 | 東証プライム上場 |
サービス開始年月 | 2019年4月 |
参考利回り | 3.6%~5.0% |
投資金額 | 10万円から |
累計応募金額 | 2億5,300万円(2020年6月時点) |
運用期間 | 6ヶ月~12ヶ月程度(案件により異なる) |
元本毀損実績 | 元本毀損実績0円(2020年6月時点) |
※2020年6月時点の情報となります。最新情報に関しては上記サイトを御覧ください。
投資家の方が気になるのは、実際にジョイントアルファに投資することで得られるメリットではないかと思いますので、以下ではジョイントアルファの特徴から投資先としてどのような特徴があるかを確認してきましょう。
1-1.10万円からの投資が可能な不動産クラウドファンディング
ジョイントアルファは、不動産特定共同事業法によって運営されている不動産投資型クラウドファンディングサイトです。ジョイントアルファでは投資家と匿名組合契約を結び、サービス運営元であるあなぶき興産が投資家から集めた資金と同社の供出金を元手にして不動産を購入します。そして、購入した不動産の運用益や売却益を投資家に分配します。
ジョイントアルファは10万円からの投資が可能になっています。一般的に不動産投資では自己資金を数百万円用意し、さらに、それ以上の金額の融資を受けて物件を購入する必要があります。それゆえに、誰しもが参入できる投資ではありません。
一方、ジョイントアルファでは一口10万円からの投資が可能ですので、通常の不動産投資に比べれば投資のハードルは低いと言えます。また、客付けや物件の管理・運用などの手間もかかりません。
ただ、先行する不動産投資クラウドファンディング大手のCREALでは1万円から投資が可能ですので、数万円から不動産投資クラウドファンディングを始めてみたいという方はまずはCREALなどの利用を検討されてみると良いでしょう。
1-2.優先劣後スキーム採用で一定割合の損失をあなぶき興産が負担
ジョイントアルファの大きな特徴の一つに、投資家に対する手厚い保護が挙げられます。
不動産投資型クラウドファンディングでは、事業者が投資家から集めた資金をもとに不動産を購入します。そして、得られる家賃収入の一部を投資家に分配しながら、最終的には物件を売却し投資家に元本を返還します。そのため購入時以上の価格、もしくは同等の価格で売却できれば、元本は満額の状態で投資家に戻ります。
しかし、仮に不動産が大きく値下がりしてしまった場合、元本が目減りする可能性があります。そういったリスクを避けるために、不動産投資型クラウドファンディングサイトの多くでは、優先劣後方式のスキームを導入しています。ジョイントアルファでもこのスキームを採用しています。
優先劣後方式のスキームについて説明します。例えばジョイントアルファで1億円の不動産物件の運用案件を募集したとしましょう。投資家の資金で1億円の70%にあたる7,000万円を出資します。これを『優先出資』と言います。そして、残りの3,000万円をジョイントアルファが出資します。このときのジョイントアルファ側の出資を『劣後出資』と言います。2019年11月現在までの全ての案件で、劣後出資割合は30%となっています。
これは、仮に不動産の売却時に相場が下落して7,000万円でしか売れなかったとしても、損失分の3,000万円は劣後出資したあなぶき興産が補填する形となります。そのため、価格が30%以上下落しない限り、投資家は損失を負わないことになります。
なお他の不動産クラウドファンディングサイトでは、劣後出資の割合は10%~20%程度です。同業他社と比較した場合に、ジョイントアルファの劣後出資の割合の高さは特筆すべきものがあります。(なお、劣後出資は案件によって異なることがありますので、各案件ごとに確認するようにして下さい)
1-3.日本全国の不動産物件への投資が可能
ジョイントアルファが掲げるコンセプトの1つは、『地方の創生』です。ジョイントアルファを運営するあなぶき興産は香川県高松市に本社を構える不動産会社であり、地方の不動産物件の取扱いを得意としています。
実際にジョイントアルファは、大阪・福岡・京都・高松などの東京以外のエリアに不動産投資型クラウドファンディングの案件を抱えています。東京・大阪と特定のエリアに集中して投資するのではなく、複数のエリアに分散して投資ができるため、ひいてはリスクの分散につながります。
2.ジョイントアルファの案件をチェック
実際にジョイントアルファでは、どのような不動産投資型クラウドファンディング案件を募集しているのでしょうか。実際に確認してみましょう。
2-1.区分マンションやゲストシェアハウスへの投資が中心
ジョイントアルファの募集(予定)案件の一覧は、サイトのトップページで確認できます。
内訳をみる限りでは、先に挙げたように東京・大阪・京都・福岡などの主要都市に案件を分散しています。また、本社を構える香川県高松市自体の案件もあります。取扱う不動産の種類はマンションが中心ですが、高松市の案件は海外からの観光客向けゲストシェアハウスになっています。
2-2.予定の利回りは3.6~5%
2019年10月現在、ジョイントアルファの各案件において予定される利回りの範囲は3.6%から5.0%です。不動産投資型クラウドファンディングの利回りとしては平均的な水準でしょう。
類似する投資対象のソーシャルレンディングに比べて年間の利回りは低めですが、運営先の不動産の住所や築年数などの詳細な情報を公開し、運用シミュレーションにもとづく詳細な結果も併せて提供している点では透明性が高いと言えます。
もともと一般的な区分マンションの運用利回りは、中古でも4%~7%程度とそれほど高い数値にはなりません(東京23区など都市部を想定した場合)。これを考えると、ジョイントアルファの予定利回りは無理にリスクを追わずに安定した運用を心がけた結果だと言えるでしょう。
香川県高松市のリノベーションゲストハウスでは、予定の利回りが5%とやや高めの数字です。ゲストハウスだけに賃料収入の上限が区分マンションよりも高いため、期待収益率が高いのです(ただし、その分リスクも高くなります)。
2-3.運用期間は6ヶ月~12ヶ月
2019年11月時点でジョイントアルファサイトに掲載されている案件を閲覧すると、運用期間が6ヶ月の案件が1件、12ヶ月が4件となっています。
運用期間は短期間から中期間のものが多く、2年以上と長期にわたって運用される案件は現在のところ公開されていません。運用期間が1年程度であれば、運用期間中に不動産の相場が大幅に下落する可能性は低く、損失の発生率が下がります。
2-4.キャンペーンの実施状況
投資キャンペーンに関してですが、2019年10月時点のジョイントアルファでは、同業他社のように投資家の口座開設やキャッシュバックに関連するキャンペーンは実施されていません。こまめに情報を確認し、キャンペーンが実施されていたら投資してみるというのも良いでしょう。
3.運営元のあなぶき興産とは
不動産投資型クラウドファンディングの投資先を選ぶときにチェックしておきたいのが、運営元の会社についての情報です。運営元が倒産すれば、損失が発生する可能性も高くなってしまいますし、資金回収までの時間もかかります。倒産のリスクを避けるため、あなぶき興産株式会社のこともチェックしておきましょう。
3-1.東証プライム上場の不動産会社
あなぶき興産株式会社は東証プライム上場企業です。香川県高松市に本社を構え、2018年6月期の売上は900億円となっています。不動産投資型クラウドファンディング業界、ソーシャルレンディング業界を見ても東証プライム上場企業が直接運営を行っている例は非常に少なく、他社に比べてサービスの信頼性などは高いと言えるでしょう。
3-2.1964年創業の老舗企業
あなぶき興産は1964年創業の不動産会社です。バブル期やリーマンショックを乗り越え、不動産事業で50年以上営業を続けて利益を長年生み出している実績は評価に値します。
不動産投資型クラウドファンディングを専業とする会社の場合、事業で利益が出なければ倒産のリスクがはね上がります。しかし、あなぶき興産は本業である不動産開発や売買事業で大きな利益を出しています。たとえ不動産クラウドファンディング事業で一定期間利益が出なくても、会社自体が倒産するリスクは低いのです。
4.まとめ
ジョイントアルファは、東証プライム上場企業のあなぶき興産の運営による不動産投資型クラウドファンディングサイトです。東証プライム上場企業の運営によるバックボーンの確かさや法令遵守意識の高さに期待できることに加え、投資案件ではジョイントアルファで劣後出資を30%の比率で行っているため、投資家が負うリスクは既存サービスと比べて限られたものになっています。年間の利回りは平均的な水準ですので、不動産投資の手始めや分散投資先として検討する価値は十分にあるでしょう。
無料で口座を開設できますので、まずはジョイントアルファに登録してみて定期的に情報収集をされてみてはいかがでしょうか。
- 海外成長国投資・インパクト投資ができるソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 手数料が安いソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 不動産担保があるソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 1万円から投資できるクラウドファンディングサービスの比較
- 大手が運営しているソーシャルレンディングの比較・まとめ
- 利回り10%以上が狙えるクラウドファンディング投資の比較・まとめ
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
最新記事 by HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム (全て見る)
- COZUCHI(コヅチ)の評判は?利回り実績やメリット・デメリットも - 2024年11月5日
- 【2024年11月】ソーシャルレンディング徹底比較!利回り・リスクや募集実績も - 2024年11月5日
- 不動産投資型クラウドファンディングを選ぶポイントは?注目の10社を紹介 - 2024年11月5日
- オーナーズブックの評判は?メリット・デメリットや始め方も - 2024年6月27日
- ソーシャルレンディング投資歴8年の私が本当に伝えたい7つのこと - 2024年6月27日