新興国(発展途上国)投資信託のメリット・デメリットは?購入方法も

※ このページには広告・PRが含まれています

投資信託を始めてみると、先進国型や国内型、そして新興国型など地域で分けられていることに気付くかと思います。中でも、新興国型ファンドの特徴やリスクを知りたい方はいるのではないでしょうか。

新興国を対象にした投資信託は、安易に購入すると国内型や先進国型ファンドよりも大きな損失を被る可能性があります。新興国型ファンドを購入する際は、運用実績に加えて新興国ならではのリスクやメリットも熟知することが大切です。

そこで今回は、新興国を対象にした投資信託の仕組みや概要をはじめ、メリットとデメリットも解説します。

目次

  1. 新興国を対象にした投資信託とは
    1-1.新興国の企業や債券を組み入れたファンドの総称
    1-2.新興国に該当する国
    1-3.新興国型ファンドの種類
    1-4.エマージングファンドも新興国ファンド
  2. 新興国を対象にした投資信託のメリット
    2-1.利回りの高いファンドが多い
    2-2.経済成長率の高い国が多くファンドの値上がりに期待
    2-3.短中期的な投資と相性が良い場合もある
  3. 新興国を対象にした投資信託のデメリット
    3-1.先進国ファンドよりも価格変動が大きい傾向
    3-2.手数料コストが高い傾向
    3-3.馴染みのない国も多く情報が少ない
  4. 新興国ファンドの購入方法
  5. まとめ

1.新興国を対象にした投資信託とは

投資信託のファンドには、インドやアフリカなど新興国(発展途上国)を対象にしたタイプもあります。また、新興国に該当する国は他にも多数あるのでファンドの種類も豊富です。

まずは新興国型ファンドの基本や特徴を確認してみましょう。

1-1.新興国の企業や債券を組み入れたファンドの総称

新興国を対象にした投資信託とは、主にブラジル、中東やアフリカなどの株式や債券を複数組み入れたファンドを指します。国内の証券会社でも取り扱っていて、国内型ファンドや先進国型ファンドと同じ手続きで購入や売却の注文を進めることができます。

新興国型ファンドは先進国や国内型ファンドと比べて基準価額が変動しやすいのも特徴的です。新興国は成長性のある国として注目されている一方で、先進国と比べるとまだ経済的に不安定な傾向にあるためです。

投資信託初心者にはハイリスクな投資手段となる可能性もある一方、ファンドごとの性質や新興国の特徴を理解し運用できれば、必ずしもリスクばかりではありません。

大切なのは、投資家自身が運用方針を適切に定めることと、投資に関する知識をいかに日々積み重ねているかという点に尽きるでしょう。

1-2.新興国に該当する国

新興国型ファンドには、さまざまな国の株式や債券などが組み入れられています。投資信託で新興国として区分される主な国は、以下の通りです。

  • 中国(新興国として区分している証券会社もあるものの、政治経済・安全保障共に先進国・大国といえる)
  • ロシア(新興国として区分している証券会社もあるものの、政治経済・安全保障共に先進国といえる)
  • ブラジル
  • インド(近年では急速にIT産業が発達し、先進国に近づきつつある状況)
  • インドネシア
  • サウジアラビア
  • 南アフリカ
  • メキシコ

他にも多数の国が新興国型ファンドに組み入れられています。

特に成長性の高い・期待できる国は、(中国・ロシア)ブラジル・インド・南アフリカ(BRICS)です。ただ、最近では他の新興国も急激に経済成長しているケースが多く、投資メリットも増えていると捉えられます。

ただし新興国市場はその急激な成長のゆえに、突然の急落などのリスクも抱えている点に注意しましょう。

1-3.新興国型ファンドの種類

新興国型ファンドにも種類があり、アセットタイプ(資産)や地域、運用方針などで分けられます。

アセットタイプで分けると、以下の通りです。

  • 新興国株式型ファンド:新興国で設立、運営している複数の企業の株式を組み入れたファンド
  • 新興国債券型ファンド:新興国で発行されている公社債を組み入れたファンド
  • 新興国REIT:新興国に建てられている建物や土地に投資を行うファンド
  • 新興国バランス型ファンド:複数の新興国および資産に分散投資しているファンド

基本的に国内や先進国を対象にした投資信託と、資産構成について大きな違いはありません。

1-4.エマージングファンドも新興国ファンド

新興国を対象にした投資信託を知る上では、エマージングファンドと呼ばれる用語も覚えておきましょう。

エマージングは、日本語で新興国を指します。ですので、東欧や中近東、アフリカ、アジアなどの国で発行されている株式や債券などを組み入れた新興国ファンドと同じ意味となっています。

ただし証券会社によっては、新興国とは別にエマージングファンドとしてカテゴリを作成していることもあります。カテゴリが細かく分かれている場合は、新興国型ファンドに加えてエマージングファンドの有無も含めて確認しましょう。

2.新興国を対象にした投資信託のメリット

新興国型ファンドは、国内や先進国型ファンドよりも価格変動しやすかったり、利回りが高かったりといったメリットもあります。また、投資家の運用方法や目的によっては相性の良い商品にもなり得ます。

それでは、新興国を対象にした投資信託のメリットについて見ていきましょう。

2-1.利回りの高いファンドが多い

新興国型ファンドの多くは、高い利回りで運用されています。ちなみに利回りは、投資金額に対する年間の収益をパーセンテージで表したものです。一般的に利回りは3~5%の運用であれば、平均もしくは問題無いと判断できることが多い傾向にあります。

一方、新興国型のファンドの中には、10%や20%といった運用利回りを記録している商品もあり、極めて高いことがうかがえます。利回りが高い状況であればあるほど、短期間に大きな収益も見込める可能性があります。

たとえば1万円の投資の場合、年間利回り3%で300円の収益、年間利回り20%で2,000円といった違いに繋がります。もちろん損失も同様の割合になる可能性はあるものの、利回りの高さは新興国型ファンドならではの特徴といえるでしょう。

2-2.経済成長率の高い国が多くファンドの値上がりに期待

新興国の特徴は、これから大きな経済成長が見込める点です。たとえば日本など大量消費大量生産型の時代を過ぎた先進国は、ソフト面での発展(AI技術やサブスクリプションサービスなど)は見込めるものの、少子高齢化やインフラの老朽化などの課題も抱えています。

一方新興国は、物価が低いため他国の生産拠点となる可能性もありますし、インフラ整備やサービスの多様化などが進んでいるなど、成長性のある市場です。このような事情もあり、新興国型ファンドは将来性という投資対象としての魅力もありますし、相応の値上がりも期待できます(※同様に値下がりリスクもあります)。

2-3.短中期的な投資と相性が良い場合もある

新興国型ファンドの多くは価格変動の大きい性質があるので、短中期的な投資戦略と比較的相性の良い商品といえます。

投資信託は一般的に5年や10年、30年といったスパンで投資したり積立投資したりするのが一般的です。しかし、これから投資信託を始める方の中には、資産を守るより短期間に増やしたいと考えているケースもあると思います。

短中期的に資産を増やすといった意味では、利回りの高い新興国ファンドを1年や2年といったスパンでポートフォリオに組み込むのも戦略の1つといえるでしょう。

ただし、ここでも注意が必要で、必ずしも短中期的な投資に適しているともいえません。あくまで各新興国の発展状況やファンドの運用方針・運用実績など、各情報を分析した上で運用期間を定めましょう。

3.新興国を対象にした投資信託のデメリット

新興国を対象にした投資信託は、高利回りによる急落リスクや新興国特有の政情不安など、先進国型ファンドとは異なるデメリットも含まれています。

それでは、新興国型ファンドのリスクおよびデメリットについて見ていきましょう。

3-1.先進国ファンドよりも価格変動が大きい傾向

新興国型ファンドの多くは、先進国型ファンドよりも価格変動が激しい傾向もあるため、商品によってはハイリスクな可能性もあります。

そのため投資経験の少ない投資信託初心者には、難しいファンドもあるでしょう。また、新興国の中には、クーデターや内戦などの政情不安リスクの高い国もありますし、日本や欧米よりも市場規模が小さい傾向もあります。

新興国の株式や債券を組み入れたファンドへ投資を行う際は、値下がりリスクを少しでも抑えるために国内ファンドも組み入れるなど、リスク分散もしておくのが大切です。

3-2.手数料コストが高い傾向

信託報酬は1%を超えるファンドも多く、手数料コストの高い傾向もあるのがデメリットといえるでしょう。

手数料コストは、中長期投資を基本とする投資信託では後々大きなコスト負担につながります。たとえば10年や20年後に、数十万円~百万円の差が生じることもあります。

特に信託報酬は日々負担しなければいけない費用となるため、投資信託を始める上ではなるべく抑えるべき項目です。運用方針によっても変わりますが、信託報酬2%や3%といった高額なファンドばかりではなく、1%未満のファンドも検討しておくとバランスを保つことができるでしょう。

3-3.馴染みのない国も多く情報が少ない

投資信託で重要な作業の1つが、情報収集と分析です。しかし、新興国の政治、経済などの情報は、日本では手軽に取得しにくいという特徴もあります。

各ファンドの目論見書(運用方針や投資地域などを示した資料)で運用方針などは分かりますが、投資先の細かな経済状況や政治・リアルタイムな情報までは分かりません。そのため、投資家自身で投資先の経済や政治を、海外のニュースサイトなどで情報収集する必要があります。

さらに情報の信頼性や翻訳の手間など、情報収集に伴うリスクや作業コストも投資デメリットといえるでしょう。

4.新興国ファンドの購入方法

新興国のファンドは、証券会社の総合口座を開設することで、国内や先進国ファンドと同じように売買注文できます。

また、証券会社のサイトから新興国ファンドを探す時は、検索ツールのカテゴリ設定で新興国やエマージングファンドにチェックを入れるのが一般的です。

購入方法は、他の投資信託と同じく口数や金額買付・積立買付から選び、発注数量の入力と発注を行います。

  1. 証券会社の総合口座を開設(審査あり)
  2. 投資信託のファンドを選ぶページへ移動
  3. 地域とアセットタイプでファンドを分けて調べる
  4. 購入数量もしくは金額を入力し発注

まとめ

新興国を対象にした投資信託の主なメリットは、高利回りおよび価格変動の大きい点や、成長性のある新興国の株式やREITなどに投資できる点です。

ただし、新興国は政治や経済状況が不安定なケースもあり、急落リスクや為替リスク(換金時の為替レート変動による損失)が高いなどのデメリットがあります。

新興国ファンドへ投資を行う場合は、ローリスクローリターンの国内海外先進国債券ファンドなども組み入れ、リスク分散するのが大切です。

まずは、新興国の株式や債券など資産で候補を選び、目論見書で運用実績や方針、投資先の具体的な状況を確認して検討を行いましょう。

The following two tabs change content below.

菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。