クラウドファンディング投資は少額から投資を始められるメリットがあり、興味を持つ方も増えています。
しかし、投資は必ずしも利益が出るわけではないだけに、投資する前に様々なリスクや注意点を知っておくことも大切です。
そこで本記事では、初心者の方がクラウドファンディング投資を始める時に注意しておくべきポイントや、サービスの選び方などをお伝えしていきます。
目次
- クラウドファンディング投資の種類
1-1.不動産投資型クラウドファンディング
1-2.ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)
1-3.株式投資型クラウドファンディング - 初心者が知っておきたいクラウドファンディング投資の注意点
2-1.不動産投資型クラウドファンディング投資の注意点
2-2.ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)投資の注意点
2-3.株式投資型クラウドファンディング投資の注意点 - クラウドファンディング投資の選び方
3-1.運営会社情報を見る[PR]
3-2.事業を実施する会社を見る[PR]
3-3.利回りや優待を見る[PR]
3-4.保証や担保を見る[PR]
3-5.運用期間を見る[PR]
3-6.他の投資家の評判を調べる - まとめ
1.クラウドファンディング投資の種類
まず、日本で今どんな方でも始めやすいクラウドファンディング投資にどのような種類のものがあるのかを、お伝えしていきます。
1-1.不動産投資型クラウドファンディング
最近サービス運営サイトが続々と登場しているのが、不動産投資型クラウドファンディングです。2021年9月時点で運営を行っているサイトは40以上あります。
不動産投資型クラウドファンディングの運営会社は大半が不動産会社です。不動産会社は投資家からクラウドファンディングの仕組みを使い、少額ずつ多くの人からお金を集めます。
そして集めたお金で不動産を購入し、家賃収入や売却益を投資家に分配するのです。個人では所有することが難しい規模の不動産などであっても、1万円~程度の少額から投資できるサイトも多くあります。
主な不動産投資型クラウドファンディング
サービス名 | サービス開始年 | 累計募集額実績 | 利回り水準 | その他 |
---|---|---|---|---|
COZUCHI | 2019年 | 約50億円 | 2%~20% | 首都圏の賃貸マンションや店舗・事務所などに投資可能、途中解約が可能 |
ちょこっと不動産 | 2021年 | 約1億円 | 4%~6% | 戸建て、アパート、マンション、オフィスビル、テナントビル、店舗など多様な商品に投資可能 |
信長ファンディング | 2020年 | 約2億円 | 4%~6% | 上場企業が運営、予定分配率5%程度、名古屋など東海エリアでESG不動産投資ができる |
Rimple | 2020年 | 40億円超 | 5%前後 | 東証プライム上場グループ企業のプロパティエージェントが運営。永久不滅ポイントが使える |
CREAL | 2018年 | 110億円超 | 4~5% | 保育所ファンドや地方創生・ヘルスケアなどESG不動産投資ができる |
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1-2.ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)
次のクラウドファンディング投資の種類は、ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)です。
ソーシャルレンディングも、投資サービス運営会社がクラウドファンディングのシステムで投資家から少しずつお金を集め、その資金を運用する点については不動産投資型クラウドファンディングと大きな違いはありません。
ただし、ソーシャルレンディングは投資家から集めた資金で不動産などの資産を運営会社が購入するのではなく、集めたお金を事業資金として第三者に貸し出すという違いがあります。
ソーシャルレンディングはお金を融資して、金利収入を得るという仕組みになっており、融資先から支払われた金利を投資家に分配します。なお、ソーシャルレンディングも、1万円などの少額から投資が可能です。
主なソーシャルレンディング
サービス名 | サービス開始年 | 累計募集額実績 | 参考利回り水準 | その他 |
---|---|---|---|---|
オーナーズブック | 2014年 | 252億円超 | 3~5% | 東証プライム上場 |
クラウドバンク | 2013年 | 1540億円超 | 5~7% | 第一種金融商品取引業 |
LENDEX | 2017年 | 160億円超 | 6~10% | 東急リバブルと提携し、客観的な不動産査定を実施 |
Funds | 2019年 | 110億円超 | 1.8~6% | 貸付型ファンドのマーケットプレイス |
ファンディーノ | 2020年 | 約4億円 | 3.59~4.37% | 前身企業における商業手形割引の実績が豊富 |
クラウドクレジット | 2014年 | 390億円超 | 5.1~12.1% | 社会インパクト投資、伊藤忠商事が株主 |
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1-3.株式投資型クラウドファンディング
株式投資型クラウドファンディングは、ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングと異なり、定期的な分配金がもらえる投資手法ではありません。
先の二つは定期的な分配のあるインカムゲイン投資に該当しますが、株式投資型クラウドファンディングとは、上場前のベンチャー企業の株を購入し、将来的な上場後の売却で利益を狙う投資手法で、いわゆるキャピタルゲインに該当します。
一部の案件では株主優待などもありますが、基本的には長期間保有が前提となっており、株を購入した企業が上場しないと投資の利益を得ることができません。
キャピタルゲインが主な収益のポイントとなるためにハイリスクな投資対象と言えますが、株を購入する会社によっては、投資した金額が所得税や住民税から控除されるエンジェル税制という制度を利用できるメリットもあります。
主な株式投資型クラウドファンディング
サービス名 | サービス開始年 | 累計募集額実績 | その他 |
---|---|---|---|
ファンディーノ | 2017年 | 66億円超 | 国内初・現最大手の株式投資型クラウドファンディング |
ユニコーン | 2019年 | 約7億円 | 親会社は上場企業のZUU |
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2.初心者が知っておきたいクラウドファンディング投資の注意点
クラウドファンディング投資の種類ごとに、注意点について解説します。
2-1.不動産投資型クラウドファンディング投資の注意点
不動産投資型クラウドファンディング投資の注意点は、運用される不動産によって利益が出る確率や利益の金額が異なってくることです。
不動産投資型クラウドファンディングで購入する不動産で賃貸需要が少ない場合、家賃収入を得ることができず、投資家への分配が目減りしてしまう可能性もあります。
また不動産クラウドファンディングは投資家から集めた資金で不動産を購入し、案件の運用終了後は運用対象の不動産を売却します。需要が少ない郊外の不動産を購入している案件の場合、売却時に購入時と比べて大きく値下がりしてしまい、投資家に出資元本を返済できない可能性もあるのです。
ただし、不動産投資型クラウドファンディングの案件で購入と運用する不動産の情報は、投資家に対し詳細に公開されています。立地を見て土地の価値や価格の推移を調べたり、建物の状態を確認すれば、その物件で利益が出るのかどうかを自己判断することも可能となっています。
少額資金で投資が検討できることから、これから不動産投資について学んでいきたい方や、興味のある収益不動産のアセットタイプに分散投資をしたい方などにとって、選択肢となりやすい投資対象と言えます。
2-2.ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)投資の注意点
ソーシャルレンディング投資は、融資時の金利収入を得る投資です。利益を出すためには、貸付先が金利を支払う能力があるか、出資元本の返済能力があるのかを見ることになります。
ソーシャルレンディング投資は、投資家への分配金利が年利10%など高い案件も中にはあります。しかし、投資家に金利10%が分配されるということは、ソーシャルレンディング会社は資金を必要とする会社にそれ以上の高い金利で貸し付けていることになります。
このように、貸付金利が高いと、融資を受けた会社の返済負担が大きくなり、返済リスクも高まる点に注意が必要です。
なお、ソーシャルレンディングでは、返済リスク対策として、融資時に保証や担保などを設定しています。例えば融資先の会社が所有する不動産を担保に設定しておけば、返済が行われなくても担保の不動産を売却することで投資家に出資金が返済される確率が高まります
利回りだけでなく、リスク融資先の会社の財務状況と、案件に設定された担保や保証に注意し、リスクとリターンのバランスをとった投資を検討することが大切です。
2-3.株式投資型クラウドファンディング投資の注意点
株式投資型クラウドファンディングは、投資先の企業が株式上場やM&Aで株式譲渡しなければ売却益が出ません。
投資先の企業が上場する可能性があるのか、その会社が展開するビジネスの妥当性や経営者の経歴、会社の資産の健全性などについて確認しましょう。
投資した会社がビジネスに失敗し、倒産してしまえば投資家は資金を回収することが非常に難しくなります。ハイリスクな投資先であることを念頭に置き、余裕資金で投資を検討することが重要です。
3.クラウドファンディング投資の選び方
ここまで解説したように、クラウドファンディング投資は投資対象によって特徴やメリット・デメリットが異なります。どのようなポイントを見ておくべきなのか、6つの段階に分けて解説していきます。
3-1.運営会社情報を見る
クラウドファンディング投資で初めにチェックしておきたいのは、運営会社がどういった会社なのかという点です。
クラウドファンディングの運営会社が倒産してしまうと、投資家の資金が満額返ってこない可能性が高くなってしまいます。その会社がこれまで問題を起こしていないか、また倒産リスクを下げるために財務状況などを公開情報からチェックしましょう。
3-2.事業を実施する会社を見る
クラウドファンディングで投資先を選ぶ際は、ビジネスを実際に展開する会社や事業もチェックしましょう。
不動産投資型クラウドファンディングの場合は、基本的に運営の不動産会社が事業を実施する会社です。そのため実際に運用する収益不動産の資産性や収益性を確認することになります。
ソーシャルレンディングの場合は、運営会社と融資先の会社は異なるので、融資先の会社の情報をチェックする必要があります。融資先のビジネスの妥当性、財務の健全性、経営者の経歴などをチェックしましょう。ただし、ソーシャルレンディングでは融資先の企業の情報を開示していないケースもあるため、このような場合には慎重に判断することが大切です。
株式投資型クラウドファンディングも、株を購入するベンチャー企業の情報に加えて、どのような領域のビジネスモデルなのか、また市場全体の成長性なども詳しくチェックしておきましょう。
3-3.利回りや優待を見る
ソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングは、案件募集時に利回りが提示されるので、おおよその収益は推測できます。ただし、展開事業の失敗によって想定されている利回りより低くなることもあります。
株式投資型クラウドファンディングには、基本的に定期的な配当はありません。利益は投資家が自分で株を売却した時の売買益なので、ビジネスや事業の将来性、妥当性、市場価値をチェックします。そしてどれくらいの期間で上場できるのか、上場したらどの程度の株価まで上がるのかを推測してみましょう。
また、一部の案件において、宿泊費の割引、投資先の企業の商品の提供など優待がつくものもあります。このような優待も確認し、各案件を比較してみると良いでしょう。
3-4.保証や担保を見る
クラウドファンディング投資は元本の保証がされておらず、投資金の全額を棄損してしまうリスクがあります。このようなリスクをできるだけ低くするために、運営会社では保証や担保などを設定し、投資しやすい環境を提供しています。
例えば、ソーシャルレンディングは貸金による収入を配当するため、融資先から返済されなかった時のリスク対策として、不動産などを担保に設定していたり、連帯保証人が設定されている案件もあります。
1億円の融資に対して1億5000万円の市場価値のある担保不動産が設定されていれば、融資先から返済が行われなくても、不動産担保を売却して投資家に出資金を返済できる可能性が高くなります。どのような担保が設定されているのか、その内容をチェックするようにしましょう。
3-5.運用期間を見る
ソーシャルレンディングと不動産投資型クラウドファンディングには、案件の運用期間が定められています。運用期間中は投資をキャンセルすることができないため、急にお金が必要となった時に困ることもあります。
なお、一部の不動産投資型クラウドファンディングでは、手数料を支払うことで運用途中のキャンセルが可能であるケースもあります。しかし、原則としてキャンセルができない場合が大半であるため、キャンセルの可否や条件をチェックしておきましょう。
株式投資型クラウドファンディングには、案件の運用期間は定められていません。株を購入した企業が上場しないと利益が発生しないので、長期間投資することが前提であり、現金化する場合は自分で譲渡先を見つける必要があります。
3-6.他の投資家の評判を調べる
投資する前に、自分が投資を検討しているサイトがどのような評判や実績があるのかを、確認してみると良いでしょう。
これまでどのような案件を提供してきたか、どの程度の利回りが配当されたり、優待があったか。また、問題があった時の投資家対応はどうだったのかなどを、知ることができます。
クラウドファンディング投資は運営会社や案件によってメリット・デメリットがあるため、自身の投資目的によって利用したいプラットフォームも異なってきます。
できるだけリスクを排除した投資を始めたい、リターンを大きくしたい、他の投資で余った資金を再投資したい、など目的に合わせて利用するサービスを探すのであれば、他の評判や口コミも参考としてみましょう。
ただし、評判だけを鵜呑みにして投資先を決定することは避け、比較検討の参考材料として様々な人の意見を聞いてみることが大切です。
まとめ
クラウドファンディング投資は日本でも普及しつつあり、少額から始められる投資として定着しつつあります。ただし、それぞれのサイトや案件ごとに投資可能な金額、条件、投資家に対するリターンも異なっているので、投資前に特徴やリスクを詳しく確認し比較しましょう。
特に投資初心者の方は、リスクやデメリットを詳しく知り、投資リスクの回避対策を心がけていきましょう。そのためには、多額の資金を一つの投資先に投入するのではなく、少額から投資回収できるというメリットを活かし、様々な投資対象に資金を分散することを考えることも大切です。
投資対象を分散すれば一気に資金を失う事態を避けやすくなります。まずは、リスク対策を心がけ、投資対象を選ぶことを検討してみましょう。
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