バンカーズ、地域医療機関支援ファンドのメリット・デメリットは?

バンカーズは2020年12月に運営を始めたソーシャルレンディングで、2020年2月までに、4件の案件の募集を行っています。

その中で、すでに2回で募集されているのがバンカーズ地域医療機関支援ファンドです。このファンドはどういった特徴を持っているのか、メリットやデメリットを解説していきます。

目次

  1. バンカーズ地域医療機関支援ファンドの特徴
    1-1.診療報酬債権買取を行う事業者への融資案件
    1-2.融資先への貸付金利は4.5%
    1-3.担保は診療報酬債権
  2. バンカーズ地域医療機関支援のメリット
    2-1.資金を回収できる可能性が高いファンドである
    2-2.他社案件と比較して貸付金利が低いので、返済社負担が小さく回収リスクが低い
    2-3.商業手形割引ファンドとの複合ファンド
  3. バンカーズ地域医療機関支援のデメリット
    3-1.利回りは2~3%台と他のソーシャルレンディングサイトより低め
    3-2.債権回収までの数ヶ月に資金繰りが悪化する可能性がある
    3-3.担保となる質権の評価が融資額より小さいファンドがある
  4. まとめ

1.バンカーズ地域医療機関支援ファンドの特徴

融資型クラウドファンディング「バンカーズ」バンカーズとは、2020年12月1日より始まった融資型クラウドファンディングサービスです。融資型クラウドファンディングとは、不特定多数の投資家が事業者を通じて各企業へ資金提供する仕組みで、ソーシャルレンディングとも呼ばれています。

バンカーズを運営するのは株式会社バンカーズで、2019年8月に設立された株式会社バンカーズ・ホールディングの100%子会社に当たります。株式会社バンカーズの前身である泰平物産株式会社は、46年の営業実績がある貸金業の老舗企業です。

以下では、バンカーズ地域医療機関支援ファンドの特徴を見ていきましょう。

1-1.診療報酬債権買取を行う事業者への融資案件

バンカーズ地域医療機関支援ファンドにおける融資先は、医療機関へ資金融資を行っている企業です。

医療機関は診療費を満額受け取るまで数ヶ月の時間を要するため、資金調達に融資を利用することがあります。医療機関は患者からの治療費は、65歳未満では診療時には3割しか受け取ることができません。

例えば1万円の診療費がかかった場合、患者から支払われるのは3,000円であり、残りの7,000円は国民保険機関に申請し、2~3ヶ月後に支払いが行われます。この国民保険機関から支払われるお金を診療報酬と呼びます。

この数ヶ月の支払機関のタイムラグで、医療機関が資金繰りに困るようなケースがないとは限りません。このようなニーズに応えるために、医療機関から診療報酬の債権を担保にして、資金の融資を行っているのがバンカーズの融資先の会社です。

しかし、その融資先も満足な資金がなければ医療機関に融資を行うことができません。そこで、バンカーズがソーシャルレンディングで資金を調達することで医療機関に融資を行う機関に事業用資金を融資している、という仕組みとなっています。

バンカーズ地域医療機関支援ファンドにおける資金の融資先は最終的には医療機関であることから、医療機関の資金調達を支援する意味合いを持っています。

1-2.融資先への貸付金利は4.5%

バンカーズ地域医療機関支援ファンドにおける貸付金利は、年利4.5%です。バンカーズは貸付金利、営業者報酬、投資家への配当金利も公開しています。他の貸付金利を公開しているソーシャルレンディングサイトと比べても、4.5%というのは比較的低い数字だと言えるでしょう。

1-3.担保は診療報酬債権

バンカーズ地域医療機関支援ファンドにおける担保は医療機関の診療報酬です。仮に融資先から返済が行なわれなかった場合は、医療機関への融資を行う事業者が有している診療報酬債権を、バンカーズが現金化する権利を有します。

診療報酬を支払う機関は国民保険機関など、非常に信用性の高い公的な機関です。一般法人の債権と比較して、診療報酬が満額支払われる可能性は高いと言えるでしょう。

2.バンカーズ地域医療機関支援のメリット

地域医療機関支援ファンドのメリットを見ていきましょう。

2-1.資金を回収できる可能性が高いファンドである

バンカーズ地域医療機関支援ファンドは、診療報酬債権という資金回収確率の高い担保が設定されています。融資先からの返済が不履行になった場合でも、診療報酬債権の支払先が公的な機関であることから、資金を回収できる可能性は高いと言えます。

2-2.他社案件と比較して貸付金利が低いので、返済社負担が小さく回収リスクが低い

バンカーズの融資案件の貸付金利は年利4.5%と他社案件と比較して低い数字です。ソーシャルレンディング案件の中ではかなり低い水準の数字であり、融資先の金利負担が小さくなっています。

貸付金利が低いことで、投資家にとってはリターンが少なくなるデメリットとも言えます。しかし、貸付金利が低いことで融資を受けた事業者の返済負担が減り、貸し倒れリスクが相対的に低くなるメリットがあります。

また、診療報酬が医療機関に支払われる期日も半年や1年先というわけではなく、2~3ヶ月以内に設定されています。資金回収までにかかる時間は短く、目処が立てやすくなっています。

融資を受ける側も資金回収の目処が立っており金利負担も小さいので、返済不履行の可能性は低くなっています。

2-3.商業手形割引ファンドとの複合ファンド

バンカーズでは2021年3月時点、全ファンドで自社が得意とする商業手形割引ファンドとの複合組成ファンドとして募集を行っています。

商業手形割引ファンドは、バンカーズでは200億円以上の回収実績があり、ここ10年債務回収で損失を起こしたことがありません(2021年時点)。しかし、商業手形ファンドの特徴的なリスクとして、商業手形の不渡りが出る可能性があることが挙げられます。不渡りとは、手形を換金しようとした際にその手形の本来の支払い元の企業が支払い能力を失ってしまうことです。

商業手形ファンドでは、手形の換金ができずに大幅な損失が発生してしまうリスクがあります。通常のソーシャルレンディングにおける、貸し倒れ(デフォルト)とは異なる種類のリスクに注意が必要です。

【関連記事】バンカーズ、商業手形ファンドのメリット・デメリットは?注意点やリスクも

3.バンカーズ地域医療機関支援のデメリット

バンカーズ地域医療機関支援ファンドにおけるデメリットも、しっかりと確認しておきましょう。

3-1.利回りは2~3%台と他のソーシャルレンディングサイトより低め

バンカーズのデメリットは、前述したように貸付金利が低く、投資家への配当利回りが低い点です。この地域医療機関支援ファンドは利回り2%~3%台となっており他のソーシャルレンディングと比べて低い水準といえます。

3-2.債権回収までの数ヶ月に資金繰りが悪化する可能性がある

診療報酬債権は回収ができる可能性が高い債権ですが、支払われるまでは2~3ヶ月を要します。その期間内に医療機関が倒産してしまい、貸付を行っていた会社も医療機関からの返済が行われなくなることで、連鎖倒産が発生する可能性があります。

頻繁に発生することが多い事例とは言えませんが、融資先事業の収益状況によって貸し倒れが起こるリスクが0ではない点に注意しておきましょう。

3-3.担保となる質権の評価が融資額より小さいファンドがある

バンカーズのファンドにおける担保は回収できる可能性が高い診療報酬債権です。バンカーズは担保の金銭的な価値も公開しています。

地域医療支援ファンドの第2号案件では、3,000万円の融資に対して担保の金額は約2,100万円となっており、融資額よりも低い金額であることが分かります。この場合、貸し倒れが起きて担保を換金しても、満額を回収できない可能性があります。

地域医療機関支援ファンドの第1号ファンドは融資金額を上回る担保が設定されていたので、常に担保額が融資額を下回るというわけではありません。リスクとリターンを比較する際は、担保となる診療報酬債権の評価額を見ておく必要があります。

まとめ

診療報酬債権ファンドは資産保全性の高い担保が設定されているだけに、返済不履行が起きても投資家に対して資金が返済される可能性は高いと言えます。

他のソーシャルレンディングと比較してやや利回りが控えめの水準と言えます。しかし、低リスクの運用を検討している方にとって、診療報酬債権ファンドは選択肢の一つとして検討しやすい案件と言えるでしょう。

バンカーズでは定期的にファンドの募集を行っています。募集状況を見逃さないように、投資家登録を先に済ませておくことも検討してみると良いでしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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