バンカーズ、商業手形ファンドのメリット・デメリットは？注意点やリスクも

「” />ファンディーノ」は2020年12月からサービスが開始された比較的新しいソーシャルレンディングです。多様なソーシャルレンディングサービスがある中で、バンカーズは商業手形ファンドというユニークなファンドを取り扱っています。

本記事ではバンカーズの、商業手形ファンドの特徴やメリット・デメリット、注意点をお伝えしていきます。投資先としてバンカーズに口座開設を行うときの参考にされてください。

目次

1. 株式会社バンカーズとは
2. バンカーズの商業手形ファンドの特徴
   2-1．商業手形ファンドの仕組み
   2-2．他の融資案件と複合組成されたファンド
3. 商業手形ファンドのメリット
   3-1．1つの案件で分散投資ができる
   3-2．融資先の情報を把握できる
4. 商業手形ファンドのデメリット・注意点
   4-1．商業手形割引の想定利回りが一定ではない
   4-2．手形の不渡りが出るリスクが有る
5. まとめ

1．株式会社バンカーズとは

バンカーズの運営企業である株式会社バンカーズは、1974年創設の泰平物産株式会社を前身企業としています。泰平物産株式会社は、貸金業を主に営んでいる金融会社です。

その泰平物産株式会社が2019年に社名をバンカーズに変更し、2020年に第二種金融商品取引業登録を行いました。その後、2020年12月からソーシャルレンディングサイト「バンカーズ」の運営を開始したという経緯となります。

バンカーズが提供している商業手形ファンドは、前身企業である泰平物産株式会社の時代から数多く取引経験のある金融商品です。累計で200億円、15,000件以上の運用実績があり、運用に関する豊富なノウハウが期待できます。

2．バンカーズの商業手形ファンドの特徴

バンカーズの商業手形ファンドの特徴を見ていきましょう。

2-1．商業手形ファンドの仕組み

※引用：バンカーズ「不動産・商業手形ファンド第１号」

バンカーズの特徴として、商業手形ファンドを取り扱っている点が挙げられます。商業手形（商業手形割引）とは、企業が売上の決済手段として取得した受取手形を、バンカーズが支払期日に買い取る取引を指します。

この取引における企業側のメリットとしては、受取手形の支払期日前に現金が必要な際に商業手形割引を申し込むことで、受取手形の期日前に資金調達ができる点です。

バンカーズは商業手形の買取を行う際に手数料を徴収します。この手数料がバンカーズの売上となり、投資家からの投資金はバンカーズが商業手形を買い取るための資金となります。

2-2．他の融資案件と複合組成されたファンド

商業手形ファンドにおける商業手形割引の想定運用利回り（年率）は0～8％台と、大きな幅があります。このような背景から、2021年2月時点、バンカーズが募集を行ったファンドは融資案件と、バンカーズ独自の商業手形ファンドを組み合わせたものとなっています。

一方、不動産会社への融資ファンドの場合、不動産事業者への貸付金利は一定です。固定収入が見込めるファンドと、収入が変動するファンドを組み合わせ、最終的な利回りの上下の変動幅をできるだけ少なくする試みがあると考えられます。

3．商業手形ファンドのメリット

投資家に対し、商業手形ファンドとはどういったメリットがあるのかを解説します。

3-1．1つの案件で分散投資ができる

バンカーズのファンドは2021年2月時点までに募集された3件全てが、不動産や医療債権報酬などの複合ファンドとなっています。1つの案件に投資しても、複数の融資先が存在し、分散投資が行えるメリットがあります。

3-2．融資先の情報を把握できる

他の融資型クラウドファンディングでは、間に入る事業者から投資先の企業の情報が明らかにされないこともありますが、バンカーズでは、資金提供先の企業名やモニタリングの詳細等の情報を把握できるのも大きな特徴です。

バンカーズの募集ファンド一覧を見てみると、融資先の情報やファンド組成に至った経緯まで詳細に記載されていることが分かります。これらの情報により、借り手の信用力を投資家側でも判断しやすくなっています。

なお、バンカーズへ投資家登録を行うと、投資家限定の詳細情報も確認することができます。

4．商業手形ファンドのデメリット・注意点

商業手形ファンドの注意しておきたいデメリットについても見て行きましょう。

4-1．商業手形割引の想定利回りが一定ではない

ソーシャルレンディング投資は、貸金による金利収入のため一定額を定期的に受け取れるメリットがあります。しかし、バンカーズの商業手形ファンドは商業手形割引の想定利回りが0～8%台と大きく変動するため、一定の利率で収益を得られる投資手法ではありません。

「バンカーズ事業者ローン・商業手形ファンド第1号」の案件では、予定利回り（年率）が2.76%～3.37%と設定されており、投資家が受け取る最終的な利回りにも1％程度の幅があることが分かります。

なお、商業手形割引による収益により利回りが上昇した場合は、全て出資者への分配となります。収益性が向上する点はメリットと言えますが、一定額の収益を見込める金利収入ではない点に注意しましょう。

4-2．手形の不渡りが出るリスクが有る

商業手形ファンドの特徴的なリスクとして、商業手形の不渡りが出る可能性があることが挙げられます。不渡りとは、手形を換金しようとした際にその手形の本来の支払い元の企業が支払い能力を失ってしまうことです。

このように商業手形ファンドでは、手形の換金ができずに大幅な損失が発生してしまうリスクがあります。通常のソーシャルレンディングにおける、貸し倒れ（デフォルト）とは異なる種類のリスクに注意が必要です。

なお、「バンカーズ事業者ローン・商業手形ファンド第1号」では、融資が2,600万円、商業手形割引の運用上限額が200万円と、運用額に大きな差が見られます。商業手形割引の運用額の割合によってリスクが変わるため、投資前には運用額のバランスを確認してみましょう。

商業手形ファンドの投資検討をする際は、商業手形の不渡りが出た時のリスクまで考えて投資を検討することが大切です。

まとめ

バンカーズは商業手形ファンドという他のソーシャルレンディングには見られないファンドを提供しています。また、商業手形ファンドを他のファンドと複合し、商業手形の不渡りリスクを分散している点も特徴的です。

ただし、商業手形割引の想定利回りが一定ではない点や、不渡りが起きた時の損失が大きい点には注意が必要です。メリットと合わせてデメリットについても注意しながら、バンカーズでの投資を検討してみましょう。

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