アメックスカードとダイナースクラブカードは、それぞれコンセプトなどに違いのあるクレジットカードです。アメックスカードは旅行や空港特典などが多く、ダイナースクラブカードは食事やエンターテイメント特典に力を入れています。
そこでこの記事ではアメックスカードとダイナースクラブカードの優待サービスや特典、基本機能などを比較紹介していきます。アメックスカードとダイナースクラブカードを検討している方や両者の違いが気になる方などは、参考にしてみてください。
※この記事は2021年4月7日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
目次
- アメックスとダイナースの基本情報を比較
1-1.年会費
1-2.申込条件
1-3.ポイントサービスと還元率
1-4.対応マイル
1-5.導入店舗数 - アメックスとダイナースの優待サービスや特典を比較
2-1.食事の優待サービスはダイナースの方が多い
2-2.旅行特典は用途によって使いやすいカードが異なる
2-3.付帯保険に大きな違いはない
2-4.空港特典に強みのあるカード
2-5.エンターテイメント特典はダイナースクラブカードが多い - まとめ
1.アメックスとダイナースの基本情報を比較
アメックスカード(American Expressカード)は、アメリカン・エキスプレス・ジャパン株式会社が発行しているクレジットカードです。普通カードをはじめゴールドカードやプラチナカード、ANAなどの航空会社やマリオットなど様々な事業者との提携カードなどがあります。
一方、ダイナースクラブカードは、三井住友トラストクラブ株式会社が発行しているクレジットカードです。プラチナカードに相当するプレミアムカードをはじめ、航空会社や和光、BMWなどとの提携カードもあります。
それでは、アメックスカードとダイナースクラブカードの基本情報を確認していきましょう。
1-1.年会費
アメックスカードの年会費は、7,700円(税込)の「ANA アメリカン・エキスプレス・カード」や13,200円(税込)の普通カード、165,000円(税込)「ANA アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」など各カードで大きく異なっているのが特徴です。
一方、ダイナースクラブカードは、年会費143,000円(税込)の「ダイナースクラブ プレミアムカード」以外は25,000円前後で設定されていてシンプルな価格設定といえます。普通カードの「ダイナースクラブカード」は、同カードの中で最も安い年会費24,200円(税込)です。
年会費の安いカードは、普通カードで比較すると「アメリカン・エキスプレス・カード」です。ただし、家族会員の年会費は、「ダイナースクラブカード」の方が安く設定されています。
「アメリカン・エキスプレス・カード」の家族会員は、1枚につき年会費6,600円(税込)で、「ダイナースクラブカード」は1枚につき5,500円(税込)です。
項目 | アメックスカード | ダイナースクラブカード |
---|---|---|
本会員 | 7,700円(税込)~165,000円(税込) | 24,200円(税込)~143,000円(税込) |
家族会員 | 無料~19,250円(税込) | 無料~9,900円(税込) |
アメックスカードは、予算の都合から年会費を1万円前後に抑えなければいけない場合にも、発行しやすいカードといえます。一方、ダイナースクラブカードは、2万円以上の予算を確保できる場合に発行できるカードです。
1-2.申込条件
27歳未満の方も申し込めるクレジットカードは、アメックスカードです。アメックスカードの申込条件に関しては、年齢を明記していないので20代前半の方も申し込むことは可能です。ダイナースクラブカードの場合は、27歳以上であれば申し込むことができます。
申込審査の要件に関しては、各社非公開となっています。また、利用可能枠の上限も公開していませんので、正確に比較検討できない部分です。
1-3.ポイントサービスと還元率
アメックスカードとダイナースクラブカードでは、ポイントサービスを利用できます。各ポイントは、カード利用やボーナスポイントなどで貯めることができ、公共料金をカードで支払った場合などにも貯まります。
ポイントの有効期限は、アメックスカードとダイナースクラブカードで異なります。ダイナースクラブカードのポイント有効期限は、条件なしで無期限となっています。
一方アメックスカードは、1度でもポイント交換もしくはメンバーシップ・リワード・プラスへの登録を行うことで無期限となります。メンバーシップ・リワード・プラスとは、ポイントサービスをグレードアップできる追加プログラムのことです。ポイントの有効期限以外には、ポイント還元率アップなどといったサービスを受けることができます。
ポイントの有効期限が気になる方にとっては、ダイナースクラブカードの方が使いやすいといえます。
ボーナスポイントは、アメックスカードの方が強みを持っています。たとえば2021年3月に発行された新カード「ヒルトン・オナーズ・アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」は、入会特典で合計最大146,000ポイント獲得可能です。一方ダイナースクラブカードは、アメックスカードと比較してボーナスポイント数は少ない傾向です(2021年8月10日時点の情報)。
カード利用によるポイント還元率は、アメックスカード0.5%~5%、ダイナースクラブカード0.5%~2%です。
ダイナースクラブカードのポイント還元率を2%に上げるためには、「ニューオータニクラブ ダイナースカード」でニューオータニ直営店にてカード利用する必要があります。
「ニューオータニクラブ ダイナースカード」以外のダイナースクラブカードを選択した場合は、アメックスカードのポイント還元率と同一です。
ポイントの交換先については、以下の違いがあります。
項目 | アメックスカード | ダイナースクラブカード |
---|---|---|
ポイントの交換先 | ・カード利用代金に活用 ・商品、商品券、クーポン券に交換 ・ANA、JALマイルへ移行 ・提携航空パートナーマイルへ移行 ・楽天ポイント、Tポイント、提携ホテルなどのポイントサービスへ移行 |
カード利用代金に活用 ・商品、商品券、クーポン券に交換 ・ANA、JALマイルへ移行 ・提携航空パートナーマイルへ移行 ・楽天ポイント、Tポイント、ANASKYコインなどのポイントサービスへ移行 ・スターバックス カード チャージ |
提携カード独自の交換先 | 「ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード」 ・ヒルトン・ポートフォリオ内の対象ホテルなどで利用可能 |
「ANAダイナースカード」 ・ANASKYコインへ交換可能 「BMW ダイナースカード ・BMWオリジナルグッズと交換可能 |
アメックスカードとダイナースクラブカードで、ポイント交換先に関する大きな違いはありません。細かな違いは、スターバックス カード チャージ、ギフト券や商品の種類などといった点です。
1-4.対応マイルとボーナスマイル
アメックスカードとダイナースクラブカードでは、フライトマイルの他、ポイント移行やボーナスマイル特典などの活用でマイルを獲得できます。マイルの還元率に関しては、提携カードによって異なりますがアメックスカード1~2%、ダイナースクラブカード1~1.5%です。
マイルの種類は、航空会社提携カードか非提携カードかどうかで変わります。アメックスカードは、「アメリカン・エキスプレス・カード(普通カード)」や「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」といった航空会社提携カード以外であれば、ポイント移行でANAマイルやJALマイル、スカイマイルなどさまざまなマイルを獲得可能です。
「デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス・カード」や「ANAアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」などの航空会社提携カードは、提携会社のマイルのみ活用できます。
このような仕組みはダイナースクラブカードも同様です。マイルを重視している方は、アメックスカードとダイナースクラブカードの航空会社提携カードに注目しながら比較検討してみるのが大切です。
なおボーナスマイルに関しては、航空会社提携カードで獲得できます。入会、継続ボーナスマイル数は、アメックスカードとダイナースクラブカードどちらも最大10,000マイルです(2021年4月7日時点の情報)。
1-5.導入店舗数
アメックスカードとダイナースクラブカードで、導入店舗数に関する正確な数字は確認できません。両ブランドともJCBと提携しており、利用できる店舗数は増えています。
2.アメックスとダイナースの優待サービスや特典を比較
アメックスカードは旅行や空港特典が多い傾向で、ダイナースクラブカードは旅行以外にも食事やエンターテイメント特典に関して強みを持っています。
続いては、アメックスカードとダイナースクラブカードの優待サービス、特典を比較していきます。
2-1.食事の優待サービスはダイナースの方が多い
料亭や高級レストランの割引といった食事関連の優待サービスは、ダイナースクラブカードに数多く追加されています。たとえば「ダイナースクラブカード(普通カード)」や「ダイナースクラブ プレミアムカード」、「ダイナースクラブ ビジネスカード」などでは、以下の「グルメ特典」を利用できます。
優待サービス名 | 内容 |
---|---|
エグゼクティブ ダイニング | 対象のレストラン利用時、1名分のコース料理代金を無料 |
Wishダイニング | 予約の取りにくい人気店をダイナースクラブが予約代行 |
「ビフテキのカワムラ」からの特別優待 | 「ビフテキのカワムラ」利用の際に、ソフトドリンク1杯無料サービスや牛肉の佃煮を貰える |
「ひらまつ」からの特別優待 | 「ひらまつ」の個室無料利用サービス、飲食代金10%割引といった優待を受けられる |
料亭プラン | 高級料亭の予約代行サービス |
ナイト イン 銀座 | 銀座のバーや高級クラブ利用料金割引、ウェルカムドリンクサービス |
デュカス・パリとのパートナーシップ | 「ベージュ アラン・デュカス 東京」、「ビストロ ブノワ」の限定優待を受けられる |
高級料亭やレストラン、銀座の高級クラブなどへ足を運ぶ方は、ダイナースクラブカードを検討してみてはいかがでしょうか。
2-2.旅行や空港特典はアメックスの方が利用しやすい
現地の都市情報や観光案内、トラベルデスク、空港サービス関連の特典は、アメックスカードに強みがあります。アメックスカードでは、「アメリカン・エキスプレス・カード(普通カード)」でも10種類以上の空港、旅行特典を利用可能です。
特典名 | 内容 |
---|---|
「アメリカン・エキスプレス・トラベル オンライン」 | 会員専用のオンライン旅行予約サイト 100円につき2ポイント貯まる |
「旅・Fun」 | 提携旅行予約サイトでの予約料金割引 ・Expedia ・アップルワールド.com ・一休.com |
HIS アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク | ツアーやクルーズ、航空券、レンタカーの予約代行サービスを利用できる |
空港ラウンジ | 国内28ヶ所、海外1ヶ所の空港ラウンジを無料で利用できる ※利用の際は当日の搭乗券とカードをカウンターで提示 |
プライオリティ・パス | ラウンジサービスのプライオリティ・パスを年会費無料で利用できる ※プライオリティ・パス:国内外1,200ヶ所以上の空港ラウンジを利用できる |
空港パーキング | 指定空港周辺にあるパーキング利用料金を割引 |
グローバル・ホットライン | 海外旅行時に施設案内や紹介を日本語でサポートしてくれる ※無料のコレクトコール |
海外用レンタル携帯電話 | 海外用レンタル携帯電話の利用料金割引 |
レンタカーの国内利用 | 指定レンタカー会社の利用料金割引 |
他にも「プラチナ・カード」の無料宿泊券プレゼントサービスやプライオリティ・パスを含むラウンジサービスの無料利用特典、「ANAアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」のANA FESTAや免税店の割引、無料宿泊券など、独自の優待サービスを受けられます。
また、Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)のレストランやバーを利用したい場合は、アメックスカードの「Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード」でゴールド会員資格を得ることができます。また、Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)のレストランやバー15%割引といったサービスも受けられます。他にもホテルチェーンの優待会員資格を取得できる提携カードが数種類あります。
ダイナースクラブカード(普通カード)も旅行や空港特典があるものの、空港ラウンジの無料利用サービスやトラベルデスク、レンタカーの利用料金割引など含め6種類程度と少ない内容です。旅行好きな方や快適な旅行を望んでいる方は、アメックスカードもしくはダイナースクラブカードの航空会社提携カードから検討した方がいい場合もあります。
2-3.付帯保険の種類に大きな違いはない
アメックスカードとダイナースクラブカードどちらにも旅行保険が付帯されているので、旅行や出張の多い方にも利用しやすいカードといえます。
補償額という点では、ダイナースクラブカードの方がコストパフォーマンス面でメリットがあります。たとえば、「ダイナースクラブカード(普通カード)」の傷害死亡・後遺障害補償額は、条件付きの1億円で「アメリカン・エキスプレス・カード」の2倍です。
一方、旅行保険の内容は、カードによって補償額や種類に細かな違いが生じている場合もあり、状況に応じてメリット、デメリットは変わります。たとえば海外もしくは国内旅行傷害保険のみ付帯しているカードもありますし、2種類の旅行保険を付帯しているカードもあります。また、補償額の上限引き上げに関して条件を設けているカードもあるので、保険の規定を確認した上で検討するのが大切です。
2-4.エンターテイメント特典はダイナースクラブカードが多い
ショッピングやエンターテイメント特典は、アメックスカードよりもダイナースクラブカードの方がバリエーションは豊富といえます。アメックスカードの特典や優待サービスは、旅行や宿泊、空港が中心です。
一方ダイナースクラブカードのエンターテイメント特典は、大丸松坂屋オンラインショッピングで利用できるクーポンコードをはじめ、コナミスポーツクラブやINSPAグループの優待特典、演劇やコンサートチケットの案内情報、乗馬体験、保険のコンサルティングサービスなど、日常生活に役立つ内容が多数追加されています。
なお、アメックスカードの中でショッピング特典の多いカードは、「ペルソナSTACIA アメリカン・エキスプレス・カード」です。「ペルソナSTACIA アメリカン・エキスプレス・カード」は、阪急百貨店と阪神百貨店で利用ポイント付与、駐車無料サービス、阪急メンズ大阪ラウンジの利用チケット付与など、阪急阪神グループを利用している方にもメリットがあります。
まとめ
アメックスカードは、旅行や宿泊、空港ラウンジや航空会社のサービスに関する優待特典などを数多く用意しています。一方ダイナースクラブカードは、食事やエンターテイメント特典に力を入れています。
旅行や食事、空港ラウンジなど特定のサービスに特化したカードを探している方やアメックスとダイナースクラブに関心を持っている方は、今回紹介した特徴も踏まえて検討してみてはいかがでしょうか。
菊地 祥
最新記事 by 菊地 祥 (全て見る)
- JALカードnaviの評判は?メリット・デメリットや還元率、年会費・特典も - 2024年10月8日
- 保険が充実している年会費無料のクレジットカードは?5枚を比較 - 2024年8月27日
- 個人向けプラチナカード9枚の特典、保険、年会費、機能を徹底比較 - 2024年8月27日
- 自動付帯保険がある年会費無料のクレジットカードは?5枚を比較 - 2024年8月27日
- 出光のクレカ「apollostation card」の評判は?特長、特典、付帯保険も - 2024年8月22日