イーサリアムの大型アップデート「London(ロンドン)」ハードフォークが、予定されていた12,965,000ブロック(8月5日21時33分)で実装された。トランザクションごとに発生するガス代の一部がBurn(バーン、焼却)され始めている。
ロンドンハードフォークでは、注目のEIP-1559を含む5つのEIP(改善提案)が実装された。
- EIP-1559:Eth1.0チェーンの手数料相場の変更
- EIP-3198:BASEFEEオペコード
- EIP-3529:払い戻しの削減
- EIP-3541:0xEFバイトで始まる新規コントラクトの拒否
- EIP-3554:ディフィカルティボムを2021年12月1日まで延期
EIP-1559では、イーサリアムトランザクションの手数料モデルを変更し、「BASE FEE」と「PRIORITY FEE」が採用されている。
トランザクション手数料は報酬としてマイナーに支払われるものの、BASE FEEの部分はマイナーに支払われずバーンされることになる。ETHを新規発行しすぐにバーンすることで、市場に流通する総発行量(総供給量)が減少。ETHにデフレ資産としての性質を持たせる仕組みが導入された。
イーサリアムのデータ分析サービスetherchain.orgによると、8月8日にまでに10,000ETHがバーンされていることがわかる。1分ごとに約3ETHずつバーンされているようだ。なお、イーサリアムのブロックは約14秒に1度形成されるため、ETHも同じ間隔でバーンされる。
バーンされるETHの量は、その時のイーサリアムネットワークの混雑状況に影響される。これまでは、ユーザーが混雑状況に応じて手数料を自由に設定していたが、今後はアルゴリズムが自動的に設定する仕組みとなった。
またEIP-1559が実装されたことで、イーサリアムブロックの容量を増減させることができるようになっている。これまで規定のブロック容量に固定されていたものが可変となったことで、トランザクションの混雑状況を緩和できると期待されている。
今回のハードフォークにより、イーサリアムの実用化に関連する部分の大幅なアップデートが行われた。想定通りガス代の高騰などを解消する結果が出れば、イーサリアムエコシステム全体の拡大にも繋がるだろう。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】Ethereum (ETH) Blockchain Explorer – etherchain.org – 2021
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