【イベントレポート】「イーサリアム2.0」をテーマにしたEth2 AMA。開発進むイーサリアムの今

8/2〜8/4にredditにて「イーサリアム2.0」をテーマにしたEth2 AMAが実施されました。同イベントは仮想通貨・ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」のグローバルローンチを記念し、イーサリアム財団のAlex氏を招いて実施されたもので、AMAは現在開発が進むPoS(Proof of Stake:プルーフ・オブ・ステーク)やイーサリアム財団の解散などに関する質問が投稿され、盛況のうちに同イベントは終了しました。

本記事では同イベントの模様について詳しくご紹介していきます。

目次

  1. イーサリアム2.0とは?
  2. Eth2 AMAに寄せられた質問
    2-1. PoSとPoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)はいつまで併存するのか?
    2-2. イーサリアムの処理能力を向上させる「シャーディング」の開発進捗は?
    2-3. レイヤー2が普及する中でシャーディングを実装する意味はあるか?
    2-4. イーサリアム財団の解散は予定されているのか?
  3. 編集部あとがき

イーサリアム2.0とは?


イーサリアム2.0は、イーサリアムのPoSへの移行およびシャーディングの実装を主な目的とした大型アップデートとプロジェクトの総称です。PoSへの移行によりマイニングによる環境問題、シャーディングの実装によりスケーラビリティ問題を解消することが期待されています。

Eth2 AMAに寄せられた質問

PoSとPoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)はいつまで併存するのか?

Alex氏はPoSとPoWの切り替えを成功させるためには、2つのチェーンでマイニングを重複させずにスムーズな移行を保証することにあるとしました。最新の研究によれば、最後に行われるPoWブロックに厳しい制限を設け、PoSブロックに切り替えるタイミングを明示することが重要だとしています。

イーサリアムでは新たなチェーンへの移行をスムーズにするために旧チェーンにおけるマイニング難易度を段階的に高める「ディフィカルティボム」を採用していますが、こうした取り組み以外にも旧チェーンの稼働を最小限に抑えるためにマイナーのインセンティブに関する研究が進んでいることが明らかにされました。

イーサリアムの処理能力を向上させる「シャーディング」の開発進捗は?

イーサリアムを含むパブリックブロックチェーンではトランザクション(取引)増大に伴う処理の遅延が問題となっていました。こうした問題に対し、トランザクションの処理に関わるノードを分散し、複数のチェーンで処理を行うのが「シャーディング」です。

2021年に実装される予定であったシャーディングについて、Alex氏は時期の明言は避けたものの、開発が順調に進んでいると回答しています。現時点では、マイナーにとって利益の高い取引から処理を進めてしまうMEV(Miner Extractable Value)などシャーディング基盤を最適化するための検討を進めているとしています。

レイヤー2が普及する中でシャーディングを実装する意味はあるか?

レイヤー2(セカンドレイヤー)とは、ブロックチェーン上(レイヤー1)に記載されないオフチェーンを指します。スケーラビリティ問題を解決することを目的として開発されたレイヤー2。イーサリアムでは「オプティミスティック・ロールアップ(Optimistic Rollup)」が有力技術として知られています。

Alex氏は、レイヤー2はレイヤー1のトランザクション詰まりを解消するアプローチでありそれぞれがお互いを補完するものであるとした上で、ブロックスペース確保の重要性について触れています。より多くのブロックスペースを確保してくれるシャーディングにより、レイヤー2はさらなるスケーラビリティを実現することができるとしています。

イーサリアム財団の解散は予定されているのか?

意思決定をする組織や人がなくてもルールに基づいて自動化された運営が可能な組織「DAO(自律分散型組織)」。最近ではDeFiプロトコルのMaker Foundationが解散を発表したことでDAOがさらなる注目を集めていました。

こうした中で挙がった「イーサリアム財団の解散は予定されているのでしょうか?」という質問に対し、Alex氏はMaker Foundationとイーサリアム財団の役割の違いに触れています。同氏によれば、Maker Foundationはコミュニティのためにプロトコルやガバナンスをコントロールできるように努めたのに対し、イーサリアム財団はイーサリアムネットワークの持続可能性(リサーチや開発、コミュニティサポート)に貢献してるとしています。その上で、イーサリアム財団は将来的にも存続し、コミュニティの取り組みへの支援へ注力してくはずだと回答しました。

編集部あとがき

「イーサリアム財団は解散するのか?」という質問は分散型の考えが定着しているブロックチェーン業界においては当たり前に近い感覚の質問かもしれませんが、筆者はこの質問・回答に非常に新鮮さを感じました。この世界では今や把握しきれないほどの数多くのプロジェクトが存在しており、多くのプロジェクトで分散性の魅力を伝えていますが、その実分散性が担保されてるとは言えないプロジェクトも多いという印象を持っていました。そうした中、開発に貢献する格好でのイーサリアム財団の存続が語られたことで、自身の考え方をアップデートする良い機会となりました。

環境への配慮が叫ばれる昨今、マイニングによる環境負荷を低減を目的としたPoSの完全な実装はブロックチェーン業界の重要なトピックのひとつです。そうした中、8月5日に行われたイーサリアムの大型アップデートである「London(ロンドン)」ハードフォークではトランザクション増大やガス代高騰の解消が期待されています。イーサリアムの魅力には開発者視点での開発環境の充実度がよく挙げられますが、投資家にとっても開発状況は重要な指標のひとつですので、本記事を皮切りに暗号資産・ブロックチェーンのさらなる面白さについて触れていただければ幸いです。

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