米証券取引委員会(SEC)委員長のGary Gensler氏が、8月3日にAspen Security Forumに登壇した。ほとんど全ての暗号資産とICOは証券法に抵触していると発言している。
Gensler氏は、暗号資産に関するより厳格で確実な規制の必要性を主張。現時点では、投資家保護が十分ではないとの持論を展開した。今回のフォーラムで触れた内容は、主に「サトシナカモトの功績」「暗号資産の証券性」「DeFi」「ステーブルコイン」だ。
まずは「サトシナカモトの功績」について、Gensler氏は大部分の暗号資産が証券法に抵触しているとしつつも、サトシナカモトの功績については賛辞を送った。特定の仲介者を挟まずにインターネット上で価値を移転させることができるブロックチェーンを発明したのがその最たるものだと主張している。
一方で「暗号資産の証券性」については、ブロックチェーンが普及する中で行われてきたICOとそれによって発行される大部分の暗号資産は証券に該当する可能性が高いという。今後はこの分野の規制をより厳しくしていくとの見解を示した。
続いて注目の「DeFi」について、数あるDeFiサービスのうち証券を活用したものは全てSECへの届出が必要になるという。特に「ステーブルコイン」については、価値の裏付け資産に証券を含んでいるものも多く、証券法に抵触する可能性が高いとした。
Gensler氏は、7月21日に法曹協会のオンラインイベントでステーブルコインの証券性について見解を示していた。USDCやUSDTなどの法定通貨担保型ステーブルコインの場合、その裏付け資産に債券やコマーシャルペーパーを含んでいるものがほとんどだ。これらのステーブルコインは証券とみなされる可能性が高く、SECの管轄下にあるとの見方が強まっている。
Gensler氏は、バイデン大統領への政権交代を機に前任のJay Clayton氏よりSEC委員長を引き継いだ。Clayton氏は、ICOは全て証券に該当するとの意見を明確にしていたが、Gensler氏もこの意見に同意すると今回のフォーラムで発言している。
【参照記事】Remarks Before the Aspen Security Forum
株式会社techtec リサーチチーム
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