AI(人工知能)関連の投資信託の一覧と購入できる証券会社

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近年さまざまなメディアでも取り上げられているAI(人工知能)。投資信託にもAI関連ビジネスを組み入れたファンドがあり、これから投資を始める方も知っておきたい成長領域の1つといえます。

そこで今回は、AI(人工知能)関連の投資信託と関連ファンドを購入できる証券会社を紹介します。

目次

  1. AI(人工知能)とは
  2. AI(人工知能)関連の投資信託
    2-1.AI関連の主な海外株式ファンド
    2-2.AI関連の主なヘッジファンド
  3. AI(人工知能)関連投資信託の特徴
    3-1.ファンドによってAIの取扱が異なる
    3-2.運用実績は比較的短い
    3-3.価格変動はファンドによって異なる
  4. AI(人工知能)関連の投資信託を購入できる証券会社
  5. まとめ

1.AI(人工知能)とは

AIというと、映画や漫画などで登場する人型ロボットをイメージする方も多いかと思います。しかし、実際はAI=人型ロボットということではありません。また、人間のように幅広い思考・感情を持ったAIは、2020年時点では誕生していません。

2020年現在、企業が開発・活用しているAIは、いわゆる特化型人工知能もしくは「弱いAI」と呼ばれるタイプです。

特化型人工知能は、ある1つの分野に関しては人間の能力を超える作業・処理を行う機能を持った人工知能のことです。たとえば以下のようなケースを特化型人工知能と呼びます。

  • 工場における不良品検知センサ・プログラム
  • サービスや商品の売り上げ予測
  • 株式投資やFXなどでの自動売買
  • チャットボットサービス
  • 囲碁や将棋専用のAI

反対に、映画や漫画などで見かける人間と同じような幅広い行動・思考が可能なAIを、強いAIもしくは汎用型人工知能と呼びます。

2.AI(人工知能)関連の投資信託

近年では、AI関連の投資信託も誕生しており、少しずつファンド数が増えています。AI関連のファンドは主に株式型で、以下の通り主に国内と海外に分けることができます。

  • 国内株式ファンド
  • 先進国株式ファンド
  • 新興国株式ファンド
  • ヘッジファンド

なお、この記事で扱うAI関連ファンドには「AIを活用して運用を行うファンド」と「AI関連銘柄に投資するファンド」の2種類があります。それぞれ投資対象が異なるため、投資検討の際には注意が必要です。

それではAI関連の投資信託を確認していきましょう。

2-1.AI関連の主な株式ファンド

AI関連の投資信託は、先進国株式ファンドもしくは国内外の企業へ投資を行うファンドがほとんどです。また、国内株式ファンドと違い、多くのファンドが「AIが運用に携わる」のではなく「AI関連企業への投資」を基本方針としています。

※下記は投資家への情報提供を目的としており、特定の企業・商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

ファンド名 純資産額 概要
三井住友DS-グローバルAIファンド 2,126億2,300万円 世界の株式から、AIを活用したサービス、AIの開発企業へ投資を行う。
大和-ダイワ・グローバルIoT関連株ファンド-AI新時代-(為替ヘッジなし) 763億9,000万円 世界の株式から、IoT関連企業(AI取扱企業含む)へ投資を行う。
ニッセイ-ニッセイAI関連株式ファンド(為替ヘッジなし) (愛称:AI革命(為替ヘッジなし)) 508億9,900万円 日本を含む株式の中から、AI関連企業へ投資を行う。
ニッセイ-ニッセイAI関連株式ファンド(為替ヘッジあり) (愛称:AI革命(為替ヘッジあり)) 449億6,200万円 日本を含む株式の中から、AI関連企業へ投資を行う。
三井住友DS-グローバルAIファンド(為替ヘッジあり) 342億5,700万円 世界の株式から、AIを活用したサービス、AIの開発企業へ投資を行う。
One-AI(人工知能)活用型世界株ファンド (愛称:ディープAI) 244億6,600万円 日本を除く世界の株式から、アセットマネジメントOneが開発したAIによって銘柄を選択。
大和-ダイワ・グローバルIoT関連株ファンド-AI新時代-(為替ヘッジあり) 199億7,500万円 世界の株式から、IoT関連企業(AI取扱企業含む)へ投資を行う。
ニッセイ-ニッセイAI関連株式ファンド(年2回決算型・為替ヘッジあり) (愛称:AI革命(年2・為替ヘッジあり)) 78億8,400万円 日本を含む株式の中から、AI関連企業へ投資を行う。
ニッセイ-ニッセイAI関連株式ファンド(年2回決算型・為替ヘッジなし) (愛称:AI革命(年2・為替ヘッジなし)) 64億3,500万円 日本を含む株式の中から、AI関連企業へ投資を行う。
三井住友DS-グローバルAIファンド(予想分配金提示型) 50億69万円 世界の株式から、AIを活用したサービス、AIの開発企業へ投資を行う。
三井住友DS-グローバルAIファンド(為替ヘッジあり予想分配金提示型) 12億5,800万円 世界の株式から、AIを活用したサービス、AIの開発企業へ投資を行う。
三井住友DS-イノベーション・インデックス・AI 8億7,400万円 世界の株式から、AI関連企業へ投資を行う。また、ベンチマークは、STOXXグローバルAIインデックス。
SOMPO-中国株 AI運用ファンド 5億9,400万円 上海・深センの証券取引所に上場している企業(人民元建て)へ投資を行う。また、銘柄はUBPインベストメント・マネジメント(上海)リミテッドが開発したAIが解析・選定。
三井住友TAM-SMT MIRAIndex ロボ 5億1,200万円 国内外の株を対象に投資を行う。また、FactSet Global Robotics & Automation Indexと呼ばれるロボット関連銘柄の株価を平均化した指数をベンチマークとして運用を行う。
One-Oneフォーカス AI 3億7,800万円 国内外のAI関連企業へ投資を行う。Solactive Global Artificial Intelligence Indexと呼ばれるAI関連企業の株価を平均化した指数をベンチマークとして運用を行う。

「One-AI(人工知能)活用型世界株ファンド」以外はどのファンドもAI関連企業への投資を前提としていますが、ベンチマークには違いもあります。ベンチマークとは運用目標とする指数のことで、AI関連の投資信託では「FactSet Global Robotics & Automation Index」など、AI関連企業の株価を平均化した特殊な指数を基準としているのが特徴です。

ファンドによってベンチマークが異なるので、どのような指数との連動を目指しているか目論見書をよく確認するのも大切です。また、為替ヘッジの有無についても確認した上で選択しましょう。

為替ヘッジ有りの場合は、手数料コストが発生するものの円と外貨との為替変動による値動きのリスクをカバーしてくれます。一方為替ヘッジなしの場合は、為替相場の状況によって資産が増減します。

2-2.AI関連の主なヘッジファンド

ヘッジファンドとは、株式や先物など複数の商品を活用し、さまざまな手法でリスクを可能な限り避けられるよう運用しているファンドのことです。

一般的にヘッジファンドは「私募投資信託」と呼ばれ、限られた投資家(機関投資家など)のみ売買可能となっています。ただし、2020年7月3日時点では、公募投資信託(誰でも売買ができるファンド)の中にAI関連のヘッジファンドも存在しています。

ここで紹介するAI関連のヘッジファンドは、AI技術を活用し運用や解析を行っているのが特徴です(AI企業に特化して投資を行うファンドとは異なります)。

ファンド名 純資産額 概要
三菱UFJ国際-AI日本株式オープン(絶対収益追求型) (愛称:日本AI) 39億6,400万円 国内の株式へ投資を行いつつ、先物取引も行いリスクヘッジ。また、AIを活用し運用を行う。
楽天-楽天・ビッグデータ日本株ファンド (愛称:楽天AIファンド) 6,800万円 国内の株式へ投資を行う。また、楽天のビッグデータや独自の判断方法を用いて、リスクヘッジしながら運用。

「三菱UFJ国際-AI日本株式オープン」は、三菱UFJトラスト投資工学研究所が開発したAIと三菱UFJ信託銀行が戦略を立てて三菱UFJ投信へ助言を行います。また、三菱UFJ投信が実際に売買や管理を行います。

「楽天・ビッグデータ日本株ファンド」も、ビッグデータとAI、ファンダメンタル分析などAIと人の解析を組み合わせているのが特徴です。運用にAIを用いたファンドに関心がある方には、こちらのファンドも選択肢として検討をしてみるのも良いでしょう。

3.AI(人工知能)関連投資信託の特徴

AI関連の投資信託は、手数料コストやAIをどのように取り扱うのかなど、それぞれ方針などに違いや特徴があります。そのため、AI関連ファンドというだけで感覚的に購入するのではなく、リスクやリターン・運用の詳細について1つ1つ確認するのも重要です。

それではAI関連投資信託の特徴を確認していきましょう。

3-1.ファンドによってAIの取扱が異なる

特に注意すべき点でもありますが、先述の通りAI関連の投資信託は大きく分けて以下2種類に分かれています。

  • AI開発や関連サービスを提供している企業へ投資を行うファンド
  • AI技術を活用して銘柄を選定したり戦略を決めたりするファンド

一見すると似ていますが、「AI関連企業への投資目的」か「AIを運用に活用」しているかでは大きく異なります。前者は投資信託法人がAI関連企業の株式へ投資を行い、後者は投資信託法人がAI技術を使用してファンドを運用しています。

AI分野への投資を検討している方は、「AI関連企業への投資」を前提としているファンドから選びましょう。なお、AI関連企業への投資は、現在海外株式ファンドが主となります。

一方、AIを活用した運用方針に関心がある方は、後者のAIやビッグデータを活用したファンドから比較検討してみましょう。また、AIによる運用ポートフォリオ提案などで資産運用をサポートしてもらえるロボアドバイザー(ウェルスナビ等)も選択肢の一つとなります。

3-2.運用実績は比較的短い

AI関連の投資信託は運用実績が短い(数ヶ月~3年程度)ため、その点はリスクといえます。なぜなら、ファンドによっては、目論見書に記載されている運用方針で成長しているかどうかを実績で判断できないためです。

過去の実績も確認したい方は、少なくとも2年や3年程度の運用実績があるAI関連ファンドを選定してみるのがいいでしょう。

3-3.価格変動はファンドによって異なる

AI関連ファンドは、AIというカテゴリは共通するものの、必ずしも類似した値動きをするとは限りません。また、販売開始からおおむね右肩上がりのファンドもあれば、2020年に入り下落傾向・方向感の薄いファンドもあるなど多種多様な状況です。加えて、新興企業の割合も高いことから、リスクは比較的高い傾向にあるといえます。

これからAI関連ファンドへ投資を行う場合は、ベンチマークや純資産残高、主な投資銘柄といった内容を、目論見書からリスク判断を行いましょう。

4.AI(人工知能)関連の投資信託を購入できる証券会社

AI(人工知能)関連の投資信託を購入できる証券会社は、国内に複数存在します。以下に主な証券会社を紹介します。

  • SBI証券
  • 松井証券
  • マネックス証券
  • 楽天証券
  • SMBC日興証券
  • auカブコム証券
  • 岡三オンライン

取扱本数では、SBI証券や楽天証券が豊富で、SBI証券24本・楽天証券20本程度といった状況です。また、他の証券会社は2本や7本程度ですので、AI関連ファンドの本数という点ではSBI証券や楽天証券から検討するのもいいでしょう(7月3日時点の取扱本数)。

なおAI関連ファンドを検索する時は、「AI」という文字列にて探すのが便利です。多くのファンドは「人工知能」ではなく「AI」で名称を付けているためです。

まとめ

AI(人工知能)関連の投資信託は、主に2種類に分けることができます。1つはAI関連企業の株式へ投資を行うファンド、もう1つはAIを活用して銘柄の選定や戦略の策定を行うファンドです。

このようにAIの活用方法が大きく異なるので、自身の目的とファンドの運用方針にズレが生じないよう注意が必要です。また、AI関連ファンドの値動きは新興銘柄が多いぶん比較的大きい傾向ですので、リスク回避・分散の一環としてインデックスファンドなどをポートフォリオに組み入れるのも大切です。

AI関連の投資信託に関心を持っている方は、1日あたりの価格変動(変動率)や純資産残高(ファンドの規模)など目論見書でよく確認したうえで投資判断をしましょう。

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菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。