2022年注目の業界は?関連セクターに投資できる人気ファンド5本も紹介

2022年はロシアによるウクライナ侵攻による世界情勢の変調、インフレの加速や原油など資源価格の高騰や米国の利上げなど2021年とは異なる様々な市場環境の変化が起こっています。

不透明感を増す中で、新型コロナウイルスによる経済悪化からの回復局面により堅調であった株価も、足元はパフォーマンスが伸び悩んでいます。

このような状況を踏まえて、今後投資をおこなううえで注目のセクターや、そのセクターに投資できる人気ファンドを紹介していきます。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年7月11日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. 海外株なら米国株インデックス投資
    1-1.人気ファンド①SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)
  2. リターンを狙うなら米国テクノロジー株に着目
    2-1.人気ファンド②GS-netWIN GSテクノロジー株式ファンド
  3. 日本株ならバリュー株&高配当株の銀行株に着目
    3-1.人気ファンド③三菱UFJ国際|日経平均高配当利回り株ファンド
  4. 債券投資なら高利回りな新興国債券に着目
    4-1.人気ファンド④大和iFree新興国債券インデックス
  5. インフレ&先行き不透明への対策として金投資も一案
    5-1.人気ファンド⑤三井住友TAM-SMT|ゴールドインデックス・オープン
  6. まとめ

1 海外株なら米国株インデックス投資

先行き不透明感などを背景に、国際的に株価の調整が進んでいます。当面はロシアを中心とした世界情勢の悪化や、高いインフレ率がグローバル経済の重しとなる状況が続くと見込まれます。

このような中で海外株式に投資をおこなう場合は、米国株のインデックス投資が有効な選択肢の一つとなります。その理由は大きく分けて次の3つです。

  • 米国の経済は拡大が続いていて、世界情勢の影響も相対的に軽微
  • 米国株の調整が進んでいるため、値ごろ感が出ている
  • 景気減速が想定される中では、多数の企業へ分散投資するのが有効

高いインフレ率が続く米国ですが、個人消費支出など複数の経済指標は、まだまだコロナ後の米国の経済回復が続いていることを示しています。(参考:日本総合研究所「米国経済展望 2022年5月」)

また、欧州はロシアと地理的に近く、かつ天然ガスをはじめとしたエネルギー取引の関係性が深い地域です。一方で、米国は欧州と比較すると、ロシアとの関わりが薄いことから、ロシアの経済制裁による悪影響が限定されると想定されます。

一方で、先行き不透明感を背景に米国株は下落が続いており、S&P500は2022年7月8日時点で直近1年の高値(2022年1月4日時点)から約19%低下しています。

米国の株式指数S&P500の推移

(引用:SBI証券「S&P500指数」)

今後、インフレや世界情勢の悪化が景気減速をもたらす可能性は否定できないものの、米国の株価にはある程度そのリスクが織り込まれているため、今からエントリーするのも一案です。

とはいえ、米国株の特定のセクターにベットするのはリスクの高い局面でもあります。ハイリスク・ハイリターンを追求する場合には、次に紹介するテクノロジー株にチャレンジするのも一つですが、不透明感の強い足もとの環境では、一つファンドを買うだけで投資先が分散されるインデックス投資が有効です。

なかでも米国株のインデックスの一つS&P500であれば、米国で業績が比較的安定している大手企業500社に投資することができるため、投資における有力な選択肢の一つとなるでしょう。

1-1 人気ファンド①SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)

ネット系の大手であるSBI証券を参考にすると、S&P500に投資するファンドとしては「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」が人気を集めています。

当ファンドの特徴は次の通り。

  • 米国の株価指数S&P500に連動するパフォーマンスを目指す
  • 手数料が安い
  • 為替ヘッジはおこなわない

同ファンドはS&P500に連動するように運用されるファンドであるため、注目セクターに合った投資が可能です。インデックス投資は一般的に手数料が低いのが特徴ですが、当ファンドはそのなかでも特に低い手数料が特徴です。

SBI証券で購入できるS&P500のインデックス投資信託の手数料例

ファンド名 買付手数料 信託報酬 信託財産留保額
SBI・V・S&P500インデックスファンド なし 0.0938%程度 0%
三菱UFJ国際|eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) なし 0.0968%以内 0%
三菱UFJ国際|つみたて米国株式(S&P500) なし 0.22% 0%
りそなAM|Smart-i S&P500インデックス なし 0.242% 0%
大和|iFree S&P500インデックス なし 0.2475% 0%

また、当ファンドは為替ヘッジをおこないません。為替ヘッジをおこなうと「ヘッジコスト」と呼ばれる運用上のコストが発生するため、市場環境にもよりますが、パフォーマンスが低下するリスクがあります。

為替ヘッジ無しの運用では、ヘッジコストがかからない反面、米ドル円の為替変動によってパフォーマンスが変動します。円安ならパフォーマンスが向上し、円高なら悪化することになります。

ヘッジの有無はどちらが必ず優れていると決まっているものではないので、為替変動のリスクを負ってもよいかどうかを考えたうえで投資を判断しましょう。

2 リターンを狙うなら米国テクノロジー株に着目

通常、経済環境が不透明な環境ではリスクを抑えて、分散投資をおこなうのが定石ですが、ハイリスクを許容してハイリターンを狙うのならば、大幅に価格が下落したセクターに投資する「逆張り」投資をおこなうのも一案です。

その点では、年初来での下落の大きい米国のITセクターに、あえて今から投資をおこなうという考え方もあります。

下落幅が大きいセクターは他にもありますが、その中で米国のIT企業に筆者が着目している背景は次の通りです。

  • 大幅下落により投資妙味が改善しつつある
  • IT企業に対する需要自体は緩がない

ITセクターは2020年半ば以降の新型コロナによる経済悪化からの回復局面で、米国株価の復調をけん引したセクターでした。その証拠に、IT企業の比率が高い米国の株式市場NASDAQはこの時期大幅な伸びを示し、日本でも通称「レバナス」と呼ばれる、NASDAQにレバレッジをかけたハイリスクファンドが一時は人気化しました。

2021年までの株価高騰のなかで割高化したITセクターの株価は、2022年初来の調整局面では逆に急落。テスラのように半分近くまで株価が下がった銘柄もありました。これにより割高感が解消され、投資先としての注目度が高まっているといえます。

IT系大手「テスラ」の年初来の株価推移


引用:Yahoo! JAPAN ファイナンス

また、その投資の可能性を支えているのが、IT企業に対する需要です。景気などによる一時的な需要の変化はあるにせよ、テクノロジーの進歩が目まぐるしく進む現代において、IT設備やインフラに対する需要が衰退する世界はなかなか想像できません。

個別企業で見れば時代と共に衰勢が変わる可能性はあるものの、ITセクター自体の市場環境は今後も盤石と考えられます。そのため、中長期的に見れば、IT市場自体の強さが株式市場を下支えするでしょう。

2-1 人気ファンド②GS-netWIN GSテクノロジー株式ファンド

米国ITセクターへの株式投資をおこなうファンドとしては、SBI証券ではnet WINが人気です。

当ファンドの特徴は次の通り。

  • 米国のIT企業から投資先を選別しておこなうアクティブ運用
  • 長期的に成長が期待できる投資先を選別
  • 為替ヘッジあり/なしを選べるが、為替ヘッジ無しのほうが人気

当ファンドはアクティブ運用で、米国のIT企業の中から投資先を選別して分散投資をおこないます。2022年5月末時点の主な投資先は次の通りです。

項目 銘柄名 業種 投資比率
1 マイクロソフト 情報技術 9.2%
2 アマゾン・ドット・コム 一般消費財・サービス 8.3%
3 アドビ 情報技術 5.7%
4 アップル 情報技術 5.2%
5 アルファベット コミュニケーション・サービス 5.0%
6 アメリカン・タワー 不動産 3.6%
7 アクセンチュア 情報技術 3.6%
8 KLAコーポレーション 情報技術 3.6%
9 アナログ・デバイセズ 情報技術 3.3%
10 マーベル・テクノロジー 情報技術 3.2%

当ファンドは個別企業の分析をおこなう「ボトムアップアプローチ」を主体に、長期にわたって成長が期待できる銘柄をピックアップしながら運用をおこなうファンドです。

投資先の中で衰退企業が出て来た時には、運用会社の判断で投資先を変更してくれるため、個別銘柄の衰勢の影響を抑えながら、成長が期待できるITセクター全体に継続的に投資が可能です。

当ファンドはAコースの為替ヘッジあり・Bコースのヘッジ無しを選ぶことができます。円安が進んでいたこともあり、SBI証券では為替ヘッジ無しの方が人気ですが、為替リスクに対する自身の考え方をもとに、自分にあったコースを選びましょう。

3 日本株ならバリュー株&高配当株の銀行株に着目

投資家の中には、そもそも足もとの不透明な環境で海外の株式に投資するのが不安、という人も少なくないでしょう。そんな人は日本株に改めて目を向けてみましょう。

日本は海外に比べて高いインフレ率に悩まされるリスクは限定的で、日銀による金融緩和が相場や経済を下支えしてくれるという期待も継続しています。ただし、世界経済の減速リスクの影響を完全に回避できるわけではなく、日経平均などの株価指数は年初来で下落しています。

このような市場環境において注目するセクターの一つは「銀行セクター」です。その背景は次のような特徴にあります。

  • 金利上昇が金融の業績には下支えに
  • 高配当を得られる
  • 大手銀行業は堅実なバリュー株投資

年初来でみると、海外では金利上昇が進んでいて、一般企業にとっては業績の下押し圧力になると懸念されています。しかし銀行にとって金利上昇は、ローンの貸出金利の上昇要因になるため、業績の追い風要因となります。

日本国内の金利はあまり大きく変わっていませんが、米国では下の図の通り、金利が大きく上昇しています。日本の銀行でも、メガバンクなど大手行は海外で幅広くビジネスをおこなっているため、この金利上昇の恩恵を受けられるのです。

米国の10年国債金利推移


引用:SBI証券「米国国債10年

また、日本の大手銀行セクターは「高配当である」という特徴を持っています。配当利回りが高いと配当収入が投資のパフォーマンスを下支えし、株価変動の影響を抑制します。不透明感の強い相場環境においては、適した投資先といえるでしょう。

最後に、これら銀行株は企業価値に対して株価から算出される時価総額が低い「割安株」であるという側面も持っています。

経営状況が悪い割安株に安易に投資するのは危険ですが、日本のメガバンクをはじめとした大手銀行は経営状況自体に大きな不安は無さそうです。少子高齢化により継続的な成長が期待しづらい日本市場では、業績に対する不安が小さい割安株に投資することで、一定のパフォーマンスを目指すのも有効な投資法の一つです。

3-1 人気ファンド③三菱UFJ国際|日経平均高配当利回り株ファンド

日本の大手銀行株に集中投資する人気ファンドは現状ありませんが、代替手段として、日経平均の高配当利回りの株を選んで投資する「三菱UFJ国際|日経平均高配当利回り株ファンド」へ投資するのも一案です。

当ファンドの特徴は次の通り。

  • 日経平均の高配当銘柄上位30社から選別
  • 2021年末時点で銀行株の比率が業種別でもっとも高い
  • 相対的に低い手数料

当ファンドは日経平均に含まれる銘柄の中から、予想配当利回りが高い30社を選別したうえで、今後の配当の継続性や流動性などを勘案して投資比率を決めて投資をおこないます。そもそも日経平均には日本を代表する企業225社しか含まれないため、必然的に大手企業へ投資することになります。

ファンドのコンセプト自体は銀行株に限定して投資するわけではありませんが、日経平均組み入れ銘柄で高配当株となると、必然的にメガバンクの比率が高くなります。目論見書に基づくと2021年末時点では銀行セクターの組み入れ率が最も高く、また銘柄別組み入れ率上位10社にはメガバンク3社が全て含まれています。

2021年末時点のセクター別組み入れ率

項目 組入上位業種 比率
1 銀行業 21.6%
2 海運業 17.8%
3 鉄鋼 10.3%
4 卸売業 6.6%
5 医薬品 5.8%
6 情報・通信業 5.6%
7 証券・商品先物取引業 5.6%
8 サービス業 5.1%
9 食料品 4.7%
10 石油・石炭製品 3.9%

組み入れ企業上位10社

項目 組入上位銘柄 業種 比率
1 商船三井 海運業 6.1%
2 日本郵船 海運業 6.0%
3 武田薬品工業 医薬品 5.8%
4 三井住友フィナンシャルグループ 銀行業 5.8%
5 みずほフィナンシャルグループ 銀行業 5.7%
6 川崎汽船 海運業 5.7%
7 日本製鉄 鉄鋼 5.7%
8 ソフトバンク 情報・通信業 5.6%
9 三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 5.1%
10 日本郵政 サービス業 5.1%

当ファンドを購入すれば、自然に大手の銀行株へ一定程度資産を振り向けることができるのです。

また、当ファンドは買付手数料・信託財産留保額なし、信託報酬が0.693%と、アクティブファンド全体でみても、日本の高配当株投資としても手数料が低くなっています。

SBI証券で購入可能な主な日本高配当株ファンドの手数料

ファンド名 買付手数料 信託報酬 信託財産留保額
三菱UFJ国際|日経平均高配当利回り株ファンド なし 0.693% 0%
One たわらノーロードplus 国内株式高配当最小分散戦略 なし 0.77% 0.1%
UBS|MSCIジャパン高配当利回りインデックス・ファンド(年2回決算型) なし 0.891% 0%
UBS|MSCIジャパン高配当利回りインデックス・ファンド(毎月決算型) なし 0.891% 0%
日興ジャパン高配当株式ファンド なし 1.188% 0%
日興|株ちょファンド日本(高配当株・割安株・成長株)毎月分配型 なし 1.7435%程度 0.3%

4 債券投資なら高利回りな新興国債券に着目

投資信託は株式以外の投資先にも簡単にチャレンジできるのが特徴の一つです。ここからは株式以外の投資先も少し考えていきましょう。まずは債券です。

日本では日銀の金融緩和の影響で実感しにくいところですが、グローバルでは金利上昇が2022年初来顕著に続いています。債券は金利が上昇すると価格が下落するリスクがあるため、2022年6月現在では年初来のパフォーマンスが振るわない状況が続いています。

しかし、逆に金利が高いタイミングから投資をすると高い金利が得られるため、パフォーマンスの向上が期待できます。すなわち、今後投資をはじめるセクターとしては債券は有力な選択肢の一つなのです。

先進国の債券も決して悪くないのですが、さらに高い金利を狙う選択肢もあります。そこで着目したいのは新興国の国債です。先進国より信用力が高くない新興国の債券は、通常でも先進国より高い利回りが出るのですが、足元は金利上昇により利回りが顕著に高くなっています。

例えば、この後紹介する「大和iFree新興国債券インデックス」の平均利回り(最終利回り)は、2022年6月末で7.4%。米国債の利回りが大幅に上昇したといっても、やっと10年で3%強なので、利回りの高さでは新興国債券に優位性があります。

新興国は個別の国に投資すると、個々の国の事情に左右されるためリスクが高くなりますが、ファンドなどで分散投資をおこなえば、個々の国の影響は抑制されます。足元であればロシア・ウクライナのような不安定な国がある一方で、南アフリカなどのように資源価格の高騰の恩恵を受けられる企業も存在します。

4-1 人気ファンド④大和iFree新興国債券インデックス

新興国の個別国を分析して最適な投資先を選別するのは、個人投資家では難易度が高いと言えます。したがって新興国債券に投資するときは、強制的に分散投資されるインデックス投信を選ぶのが有効な選択肢の一つです。そのなかでも人気ファンドの一つが「大和iFree新興国債券インデックス」です。

当ファンドの特徴は次の通り。

  • 現地通貨建ての新興国債券のインデックスに連動
  • 自動的に分散投資される
  • 新興国債券ファンドのなかでもとりわけ手数料が低い

当ファンドは現地通貨建ての新興国債券インデックスの一つである、「JPモルガン GBI-EMグローバル ダイバーシファイド」というインデックスに連動するように運用がおこなわれます。新興国の国債・政府機関債で構成されるインデックスなので、新興国債券での分散投資が簡単に実現するファンドです。

インデックスには新興各国の国債が含まれているため、当ファンドもさまざまな新興国に分散投資をおこないます。

2022年6月末時点での通貨別(=国別)投資比率

組入上位通貨 比率
1 マレーシア・リンギット 10.3%
2 インドネシア・ルピア 10.2%
3 オフショア人民元 10.0%
4 タイ・バーツ 10.0%
5 メキシコ・ペソ 9.8%
6 南アフリカ・ランド 9.7%
7 インドネシア・ルピア 9.6%
8 ブラジル・レアル 9.6%
9 ポーランド・ズロチ 7.0%
9 チェコ・コルナ 4.5%
10 その他 19.0%

分散投資することで、個別国の影響を抑制し、新興国の成長力や利回りの高さを享受することができます。

また、手数料の低さも、当ファンドの特徴です。新興国債券のファンドは先進国の資産と比較して運用難易度が高いため信託報酬が高めに設定されるケースもありますが、当ファンドであれば運用期間中のコストを抑制できます。

SBI証券で購入できる新興国債券ファンドの手数料例

ファンド名 買付手数料 信託報酬 信託財産留保額
大和|iFree 新興国債券インデックス なし 0.242% 0%
三井住友TAM-SMT 新興国債券インデックス・オープン なし 0.66% 0%
三菱UFJ国際|eMAXIS新興国債券インデックス なし 0.66%以内 0%
三菱UFJ国際|エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型) なし 1.727% 0%
GS エマージング通貨債券ファンド なし 1.823%程度 0%
GS エマージング通貨債券ファンド 年2回決算コース なし 1.823%程度 0%
GS エマージング通貨債券ファンド(米ドル売り円買い) なし 1.823%程度 0%

5 インフレ&先行き不透明への対策として金投資も一案

最後にグローバルに深刻化するインフレを切り口に投資を考えてみましょう。2021年以降、2022年の前半頃までは原油などのコモディティ投資がインフレ対策として有効でした。

しかし原油はインフレだけでなく、景気動向にも左右される特徴があります。今後の景気先行きが不透明な中では、これまでのようには堅調な値動きとならないリスクもあります。代わって注目したいのが金への投資です。金はグローバルにみて先行き不透明な環境における資産の逃避先として着目される傾向にあります。

一方で、インフレ環境でのさまざまな物価上昇の影響を受ける形で金価格も上昇しやすいのは、原油など他のコモディティ投資と同じです。すぐにインフレが落ち着くとは期待しにくい中で、金への投資は有効な選択肢の一つとなるでしょう。

金を実際に購入する方法もありますが、実物の貴金属を保管しておくのは盗難などのリスクが伴いますし、なにより高価なため低価格での投資が困難です。一方で、現代では金の市場価格に連動する投資信託があります。投資信託であれば10,000円前後の少額から柔軟に取引ができるため便利です。

5-1 人気ファンド⑤三井住友TAM-SMT|ゴールドインデックス・オープン

金への投資をファンドでおこなうときは、金のインデックスに連動するインデックス投信を選ぶのが、手数料の安さなどをふまえると有効です。

執筆時点で人気化している金のインデックスファンドはいくつかあり、なかでも「三井住友TAM-SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッなし)」はSBI証券の週間販売金額ランキングで28位にランクインしています(2022年7月11日時点)。

当ファンドの特徴は次の通り。

  • ロンドン貴金属市場協会が提示する金価格に連動
  • 為替ヘッジなし(ヘッジ有のコースもあり)
  • 0.275%の低い信託報酬

当ファンドは「ロンドン貴金属市場協会金価格」という金の値動きの指標となる価格に連動するインデックスファンドです。シンプルに金の価格を反映するファンドです。

人気化しているのは為替ヘッジ無しですが、為替ヘッジを付与したファンドもあります。ヘッジについてはここまで紹介した通りで、自身の為替リスクに対する考え方で判断しましょう。なお、インデックスの金価格は通常米ドル建てで計算されるため、為替ヘッジ無しでは米ドル円の為替リスクを受けることになります。

手数料の低さも当ファンドの特徴です。金に投資するインデックスファンドのなかでも0.2%台の信託報酬となっているのは、SBI証券の場合は当ファンドのみです。

SBI証券で購入できる金の投資信託の手数料例

ファンド名 買付手数料 信託報酬 信託財産留保額
三井住友TAM-SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし) なし 0.275% 0%
三井住友TAM-SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジあり) なし 0.275% 0%
日興|ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり) なし 0.407% 0%
日興|ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし) なし 0.407% 0%
UBSゴールド・ファンド(為替ヘッジあり) なし 0.505%程度 0%
ブラックロック|iシェアーズ ゴールドインデックス(為替ヘッジあり) なし 0.5085%程度 0%

まとめ

2022年はインフレや世界情勢の不安など、投資における不安材料がいくつもあります。投資先に悩む人も少なくありませんが、そのような人は、今回紹介したセクターにも着目してみてはいかがでしょうか。

株式ファンドへの投資が有効な選択肢である一方、景気不透明感が漂う現状を踏まえて、株式以外の投資先にチャレンジしてみるのもよいでしょう。各セクターのリスクもふまえて、自分が魅力を感じることができるセクターの人気ファンドをポートフォリオに組み入れるのも一案です。

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伊藤圭佑

伊藤圭佑

資産運用会社に勤める金融ライター。証券アナリスト保有。 新卒から一貫して証券業界・運用業界に身を置き、自身も個人投資家としてさまざまな証券投資を継続。キャリアにおける専門性と個人投資家としての経験を生かし、経済環境の変化を踏まえた投資手法、投資に関する諸制度の紹介などの記事・コラムを多数執筆。