【米国株決算】セールスフォース2021年8~10月期は良好も11~1月期見通しが予想下回り株価下落

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顧客管理システム大手のセールスフォース・ドットコム(ティッカーシンボル:CRM)が11月30日に発表した2022年度第3四半期(2021年8~10月期)決算は、売上高・利益ともに市場予想を上回る良好なものとなった(*1、2)。しかしながら、オミクロン株への懸念が広がるなか11~1月期の業績予想が市場予想を下回ったことを受け、同社株価は11月30日の終値284.96ドルから決算翌日の12月1日には261.20ドルへと約12%急落。その後も250ドル~260ドル台のレンジで推移をしている(*3)。

8~10月期の売上高は前年同期比27%増の68.6億ドルとなった。主力のサブスクリプション・サポート事業が同25%増の63.8億ドルと好調だった。一方、会社側が公表した11~1月期の1株当たり利益予想は0.72ドル~0.73ドルと、市場予想の0.81ドルを下回った。一部のアナリストは、業績予想が保守的だとみていたり、いくぶんか失望するものだとコメントしたりしていることから、利益予想が市場予想を下回ったことが市場で嫌気され、株価の急落につながったようだ。売上高に関しては、72.2億ドル~72.3億ドルと、市場予想の72.2億ドルと一致した。

エイミー・ウィーバー最高財務責任者(CFO)は、11~1月期に人材や成長に向けた追加投資が発生するほか、いくぶんか出張・旅費も増える見込みであり、四半期ベースで営業利益率が低下すると述べた(*4)。

なお、セールスフォースは決算発表と同日に、ブレット・テイラー最高執行責任者(COO)が副会長兼共同CEOに昇格したことを発表した(*5)。マーク・ベニオフ会長兼最高経営責任者(CEO)は、(顧客データの一元化が可能な)Customer360プラットフォームと(ビジネスチャットツールである)Slack(スラック)が非常に好調ななか、2026年度に売上高500億ドルを達成すべく順調に進んでいると強気の姿勢を示している。

ベニオフ氏とテイラー氏による二頭体制が本格始動するなか、2026年度の業績目標の達成に向けていかなる戦略を講じるかが注目される。

【参照記事】*1 セールスフォース・ドットコム「Salesforce Announces Strong Third Quarter Fiscal 2022 Results Reiterates FY23 Revenue Guidance of $31.7 Billion to $31.8 Billion
【参照記事】*2 cnbc「Salesforce stock has worst day since beginning of pandemic after disappointing earnings forecast
【参照記事】*3 Yahoo!ファイナンス「セールスフォース・ドットコム
【参照記事】*4 セールスフォース・ドットコム「salesforce.com, inc. (CRM)
【参照記事】*5 セールスフォース・ドットコム「Bret Taylor Promoted to Vice Chair and Co-CEO of Salesforce
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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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