米モデルナ アフリカでワクチン工場建設に向けた仮契約を締結

米バイオ製薬モデルナ(ティッカーシンボル:MRNA)は3月7日、アフリカでコロナワクチンの製造工場の建設に向け、ケニアと覚書(MOU)を締結したことを発表した(*1)。

最大5億ドル(約575億円)を投じ、新型コロナウイルス向けに使用する技術であるメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを生産する工場をケニアに新設する計画だ。年間最大5億回分を生産するほか、容器への封入・包装も行う見込み。需要次第ではあるが、早ければ2023年にアフリカで新型コロナワクチンを容器に充填できるようになるという。

米バイデン政権は世界各国でワクチン接種が進むことを最優先事項とするなか、モデルナは政府のサポートを受けて今回の契約締結にこぎつけた。一方、中低所得国にmRNAワクチン技術を共有しないことに対し、国際NGOのオックスファム・インターナショナルや国境なき医師団などによる批判に直面している状況だ。世界保健機関(WHO)も貧困国へ十分にワクチンがいきわたっていないと、高所得国やワクチンメーカーを繰り返し非難している。くわえて、モデルナは米国立衛生研究所(NIH)との間に特許権を巡る問題も抱えている。

そのようななか、モデルナは20年10月にパンデミック期に新型コロナウイルス関連の特許を行使せず、パンデミックが終息したのちにはライセンス許諾を進める意向を示した。また、22年中にワクチンを共同購入・分配する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」へ新型コロナワクチン6億5,000万回分を供与することにコミットしている。

モデルナは21年に新型コロナワクチン8億700万回分を供給。新型コロナワクチンの売上高は177億ドルと、会社全体の売上高の約96%を占めた。最終損益は122億ドルの黒字(20年は7億4,700万ドルの赤字)に転じている(*2)。

【参照記事】*1 モデルナ「MODERNA ANNOUNCES MEMORANDUM OF UNDERSTANDING WITH THE GOVERNMENT OF THE REPUBLIC OF KENYA TO ESTABLISH ITS FIRST MRNA MANUFACTURING FACILITY IN AFRICA
【参照記事】*2 モデルナ「MODERNA REPORTS FOURTH QUARTER AND FISCAL YEAR 2021 FINANCIAL RESULTS AND PROVIDES BUSINESS UPDATES

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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