GM2021年10~12月期は純利益40%減、22年は過去最高水準の利益を見込む

※ このページには広告・PRが含まれています

米ゼネラル・モーターズ(GM)が2月1日に発表した2021年10~12月期決算は、売上高が同10%減の335億8,400万ドル(3兆8,000億円、1ドル=115円換算)、純利益は同39%減の17億4,100万ドルだった(*1)。半導体不足のなか新車販売が低迷した。決算公表以降の株価は少しずつ低迷しており、2月11日時点までの間で約9%下落した(*2)。

10~12月期は売上高が市場予想を下回る一方、調整後1株当たり利益が予想を上回った(*3)。

21年12月期通年でみると、主力の北米事業の収益貢献が最も大きく、103億1,800万ドルの収益を生み出した。それに続くのが金融事業であり、50億3,600万ドル。国際事業は8億2,700万ドルと、わずかな収益を稼ぐのみとなっている。また、同社の自動運転子会社であるクルーズ向けに約12億ドルの資金を投じた。

22年12月期に関しては、EBIT(利払前・税引前利益)が130~150億ドルと、過去最高水準になると見込む。メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は米国と中国での半導体供給が改善するなか、22年業績も良好なものになると強気の姿勢を示した(*4)。

またバーラCEOは、復配は行わないかわりに、25年までに350億ドルを電気自動車(EV)や自動運転車向けに投資すると述べた(*3)。22年を含む中期において、年間90~100億ドルを投じる計画である。なお20年4月、GMは新型コロナウイルスの影響による経営悪化に備えるべく、株式配当を停止していた。

バーラCEOはEVに関しても言及した。GMがEVへの投資を拡大する過程にあるとともに、大きな需要があることを強調した(*4)。20年以降に北米の10拠点で140億ドル以上の投資し、25年末までにEVの生産能力を100万台超に引き上げる。

株価に関しては、21年に40%上昇したが、22年1月には10%下落している。金融調査会社ファクトセット(FactSet)がまとめたアナリスト予想によれば、GMの目標株価の平均値は76.07ドル(*3)。

自動車業界は半導体不足により生産台数に影響が出かねない。販売台数を確保するためにも生産能力の向上は必要であり、関連する会社の動向と合わせて注目する必要がある。

【参照記事】*1 ゼネラル・モーターズ「GM Reports 2021 Full-Year and Fourth-Quarter Results, Including Record Earnings
【参照記事】*2 ヤフーファイナンス「ゼネラル・モーターズ
【参照記事】*3 CNBC「GM forecasts earnings ‘at or near record levels’ in 2022 as chip shortage eases
【参照記事】*4 ゼネラル・モーターズ「2021 Full-Year and Q4 Letter to Shareholders

The following two tabs change content below.

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チームは、株式投資に関する知識が豊富なメンバーが株式投資の基礎知識から投資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」