固定利回りの資産運用サービス「Funds(ファンズ)」を運営するファンズ株式会社は6月29日、不動産会社の株式会社ADワークスグループを借り手企業とした大口投資家向け米ドル建て私募ファンドを取扱い、今月16日付で組成に至ったと公表した。投資は10万米ドル単位、年利は5%超(税引前)。日本企業にとって調達手段が限定的な米ドルの新たなファイナンス手段として、数十億円から100億円を超える規模での活用を目指す。米ドルでの運用によって、投資家にとっては通常のFundsと比較して高い予定利回りを期待できるだけでなく、事前に希望の投資金額を予約することで、予定した金額でファンドを購入することができるようになる。
日本では、企業の運転資金や成長資金として融資や株式・社債などの発行により日々のファイナンスが行われているが、海外事業を検討する企業にとっては課題がある。海外での事業展開のために米ドルでのファイナンスを行おうとした場合、その手段は限定的で、例えば公募社債等の発行にあたっては格付けの取得やグローバル規模に耐えうる大きなロットでの発行が必要になるためだ。
Fundsの大口投資家限定ファンドでは、日本企業が国内の投資家からFundsを通じて間接的に米ドルを調達することで、海外でファイナンスを行うよりも低コストで機動的なファイナンスが可能となる。これまでFundsでは個人投資家を中心として募集を行い、1ファンドあたり1億円〜10億円前後のファンドを組成してきた。今後は大口投資家限定ファンドを組成することで、1ファンドで数十億円〜100億円超のファイナンスも実現できる見通し。
法人・個人問わず1口10万米ドル以上での投資が可能な大口の投資家と、米ドルのファイナンスニーズのある企業のマッチングを同社が行い、少数の投資家に向けたテイラーメイドタイプのファンドとして成立させる仕組み。ファンドの予定利回りは組成時の米国金利をベースに決定し、運用期間は2~3年前後を予定する。投資家は、投資から分配金・満期の償還金の受け取りまで、米ドルで行える。
これまでFundsでは、先着募集・抽選募集での申込みを受け付けていたが、先着募集はファンドの募集状況によって希望の金額を満額投資できないという課題が、抽選募集では上限100万円という制約があった。大口投資家限定ファンドでは事前に予約を受け付けるため、あらかじめ予定した金額で投資できる。
「今後日本から海外に進出して事業展開をおこなう企業にとって、ファイナンスの選択肢が増えることにより、グローバルで活躍する企業の数が増え、日本経済が活性化していくことを応援したい」としている。
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※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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