ドイツ銀行(ティッカーシンボル:DBK)は3月11日、ロシア事業から段階的に撤退すると発表した(*1)。当初、事業を続ける意向を示したことで批判を浴びていたが、一転して撤退を表明したことが好感された模様であり、週明け14日の株価は8%超上昇した(*2)。
ロシアのウクライナ侵攻により、事業運営に制約を受けるなか、競合他社と同様に、また法的・規制上の義務に従い、ロシアからの段階的な撤退を進めているという。顧客である多国籍企業のロシア事業縮小のサポートを続けるものの、ロシアで新規事業を行うことはないと説明した。
クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は前日、ロシアから完全に撤退することは我々の価値観に反するとの見解を示した(*3)。西側諸国でロシアとの関係断絶を求める圧力が高まるなかでの発言であったため、ドイツ銀行に対して多くの批判が集まっていた。
なお、ドイツ銀行はロシアがクリミアを併合した2014年以降は事業規模を徐々に縮小しており、2021年末時点のロシア事業の与信残高は6億ユーロ(約780億円)と限定的なものだった(*4)。
金融業界でもロシア撤退の機運が高まっている状況だ。すでにゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガンチェース(JPM)、HSBC(HSBC)が撤退方針を表明している(*5)。ウクライナ情勢に不透明感が高まるなか、今後もこれらの企業に追随する動きが広がりそうだ。
【参照記事】*1 ドイツ銀行「Statement on business activities in Russia」
【参照記事】*2 Yahoo!ファイナンス「ドイツ銀行【DB】」
【参照記事】*3 ドイツ銀行「A message from Christian Sewing on our strategy and today’s Investor Deep Dive」
【参照記事】*4 ドイツ銀行「Deutsche Bank reports very limited Russia exposure」
【参照記事】*5 CNBC「Deutsche Bank to wind down Russia operations in major U-turn」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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