イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションを提供するOptimismが3月18日、1億5,000万ドル(約180億円)を調達したことを発表した。
今回はシリーズBのラウンドで、大手ベンチャーキャピタルのParadigmやa16z(Andreessen Horowitz)が主導している。2021年2月に発表されたシリーズAでは、a16zが主導となり2,500万ドル(約30億円)を調達していた。
OptimismはOptimistic Rollupという技術を用いて、イーサリアムのセキュリティを継承したままガス代(ネットワーク手数料)を削減しており、メインネット公開から1年以上が経過した今、120億円以上のガス代の削減に成功しているという。
具体的な処理としては、Optimismのブロックチェーン上でトランザクションを処理して1つにまとめたデータを圧縮し、イーサリアムに記録するというものだ。昨年には、30%以上のガス代の削減に成功したが、さらにデータの圧縮方法を変更し、最大40%以上のガス代削減を予定している。
また、Optimistic Rollupにおいて根幹となる技術であるFalut Proofの改善策として、イーサリアムとの等価性が少ないガス代で提供する次世代Fault ProofであるCannonの実装も目指す。
同チームは、レイヤー2のガス代を最大100分の1にすると予定されているEIP-4484(イーサリアムに対する改善提案の4484番目)にも貢献している。
Optimismは公益法人であり、開発をオープンソースで行っているため、既にフォークとなるブロックチェーンを多数生み出している。L2BeatによるとTVL(ロックされている資金の合計)ベースでは、競合他社であるArbitrumに大きく差をつけられているものの、今後に期待が集まっている。
OptimismのCEOであるJinglan Wang氏は、TechCrunchのインタビューに対して「我々は中央集権的なシステムの運用の部分に関して利益を取らないと約束している」と語っており、実際にOptimismを運用して得られた利益は、暗号資産で多用されるDAppやツールに分配されている。
【参照記事】Money Long, Team Strong. Laying Strong Foundation | by Optimism PBC
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