今回は、コインチェックがThe Sandboxで構築するメタバース都市「Oasis TOKYO」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- コインチェックとは?
1-1. コインチェックの概要
1-2. コインチェックの特徴
1-3. コインチェックの多様なサービス - The Sandboxとは?
- メタバース都市「Oasis TOKYO」について
3-1. Oasis TOKYOと小嶋陽菜氏プロデュース『Her lip to』とのコラボ - まとめ
2022年1月末、仮想通貨取引所コインチェックは、ゲーム分野でメタバース構築を推進する「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」内の土地(LAND)に、2035年の近未来都市「Oasis TOKYO」を制作するプロジェクトを開始したことを発表しました。Oasis TOKYOの一般公開は22年春に予定されているため、目前に迫っています。そこで今回はコインチェックがThe Sandbox上で試みる都市開発について解説します。
①コインチェックとは?
まずは、コインチェックについて、その基本的な事項を解説します。
1-1. コインチェックの概要
コインチェックは総合金融グループ「マネックスグループ」の子会社コインチェック株式会社が運営している仮想通貨取引所です。同社は金融リテラシーにかかわらず誰でも使いやすい仮想通貨取引サービスを提供することを重視しており、アプリダウンロード数は415万件、本人確認済の口座数は135万口座と(2021年6月時点)、多くのユーザーに支持されています。コインチェックは、ステーキング(LSK)やCoincheck NFT(β版)、貸暗号資産サービス(最大年率5%)やCoincheck IEOなど、仮想通貨取引以外のサービスも充実しています。
1-2. コインチェックの特徴
コインチェックの特徴は下記の通りです。
①取り扱い通貨数が国内最大級
コインチェックの取り扱っている仮想通貨は国内でも多く、ビットコインやイーサリアムのようなメジャーなものから、エンジンやIOSTなどの注目度の高いものまで様々な仮想通貨の取引が可能です。
②初心者でも使いやすい
コインチェックの「販売所」はオンラインショップのようデザインで使いやすく、500円相当から手軽に取引できます。スマホアプリも操作性が高く、販売所にアクセスして仮想通貨を売買したり、資金の入出庫、人気通貨別のチャット機能、貸暗号資産などを管理できます。
③強化されたセキュリティ対策
コインチェックは2018年4月にマネックスグループに入り、経営体制やセキュリティ体制を強化してきました。例えば、コインチェックの顧客の口座管理に2段階認証を導入しています。2段階認証とはID/パスワードの確認に追加して、セキュリティコードによる確認を行うことで、第三者の不正アクセスを防ぐ仕組みです。また現在、コインチェックが取り扱っている全ての仮想通貨について、コールドウォレットとホットウォレットとを区分して、一定の閾値を設けて管理しています
1-3. コインチェックの多様なサービス
コインチェックでは仮想通貨取引以外に以下6つのサービスを提供しています。
- コインチェック NFT(β版)
コインチェック NFT(β版)は国内初となる、仮想通貨交換業者が運営するNFTマーケットプレイスで、The SandboxのLANDも取り扱われています。 - コインチェックつみたて
コインチェックつみたてとは、月々定額でビットコインを自動積立してくれるサービスで、コインチェックに口座開設をしている個人であれば、誰でも利用可能です。 - 貸暗号資産サービス
貸暗号資産サービスは、期間満了後にユーザーがコインチェックへ貸した仮想通貨とその利息分の仮想通貨を受け取ることができるもので、仮想通貨の長期保有を考えている方には嬉しいサービスとなっています。 - コインチェックでんき・ガス
コインチェックでんき・ガスとは、家庭の電気・ガス代の支払いを「現金払い」か「ビットコイン払い」にすることで、お得に電気代を支払うことができるサービスです。どちらでも電気料金が割引されますが、現金払いを選ぶと割引分をビットコインで受け取ることが可能なため、今までどおりに電気料金を支払うだけで毎月ビットコインが貯まります。 - Coincheck IEO
Coincheck IEOは日本初のIEOプラットフォームです。IEO(Initial Exchange offering)は、プロジェクトの資金調達を目的に仮想通貨取引所のユーザーを対象に行うトークンセールです。コインチェックは国内第一弾として「Palette Token(PLT)」のIEOを2021年7月に実施し、同取引所で取り扱いを開始しました。
②The Sandboxとは?
次に、The Sandboxについて解説します。
The Sandboxは、ユーザーがメタバースと呼ばれる仮想空間の中で、ボクセルアートのアバターや建物などのアイテムやゲームを作成して遊ぶ「ユーザー主導のゲームメイキングプラットフォーム」です。
ユーザーはメタバース上にLAND(土地)を購入またはレンタルすることで、The Sandboxで提供されている無料ツール「VoxEdit」や「Game Maker」を使い、ゲーム内で利用可能なオリジナルのNFTや3Dゲームを作ることができるようになっています。
所有するLANDや作成したNFTはThe Sandbox Shopを始めとするNFTマーケットプレイスで販売することができるほか、自作のゲームを有料で提供することも可能です。なお、The Sandbox Shopでの決済通貨にはThe Sandboxのネイティブトークンである「SAND」が使用されます。
The Sandboxのスマートフォン版は、ダウンロード数が4,000万回、月間アクティブユーザー数はピーク時には100万人を超えており、シリーズ最新作は世界で最も期待されているブロックチェーンゲームトップ50の13位に選出されるなど、期待のブロックチェーンゲームとなっています。
③メタバース都市「Oasis TOKYO」について
2022年1月31日、コインチェック株式会社は、同社が保有するThe Sandbox上の土地(LAND)に、メタバース都市「Oasis TOKYO」を制作するプロジェクトについて発表しました。このプロジェクトは、メタバース上での活動を体験する機会を提供することやThe Sandbox上でのコミュニティ活動の活性化を目的とし、2022年春に一般公開を予定しています。
メタバース都市「Oasis TOKYO」は、2035年の近未来都市をコンセプトにしたメタバース×NFTのコミュニティ拠点になります。Oasisという名称は、スピルバーグ監督作の映画『レディ・プレイヤー1』で主人公がバイザーと触覚グローブでアクセスする仮想世界「Oasis」に由来します。
Oasis TOKYOには、日本を連想させる象徴的な街並みの中に美術館やステージなど様々なイベント施設を設置し、さまざまな分野のアーティストとファンとの交流や企業のコミュニティ育成の場として活用されることを目指しています。
3-1. Oasis TOKYOと小嶋陽菜氏プロデュース『Her lip to』とのコラボ
2月24日にコインチェックはOasis TOKYOで、元AKB48の小嶋陽菜氏がプロデュースする『Her lip to』とのコラボレーション企画を実施することを発表しました。Oasis TOKYOで同ブランドのファッションショーや展示会などが実施される予定です。コインチェック執行役員でコインチェックテクノロジーズ代表取締役の天羽健介氏は「あたらしい経済」のインタビューで、仮想空間上で自分を表現するアイテムとしてファッションの需要が高まるだろうと語っています。最近ではイタリアの高級ファッションブランド「グッチ」など多くの世界的ブランドもThe Sandboxへの参入を表明し、話題になっています。Oasis TOKYOとHer lip toとのコラボの詳細に関しては明かされていませんが、実物とNFTの組み合わせを含む色々な可能性が協議されている模様です。
③まとめ
コインチェックとThe Sandboxは20年9月にパートナーシップを締結し、NFTマーケットプレイス「コインチェック NFT(β版)」でのLANDの販売など、日本市場でThe Sandboxの認知拡大に貢献してきました。世間的にも21年後半にメタ社(旧フェイスブック)の事業戦略により、将来のSNSの在り方としてメタバースへの注目が高まっています。今回発表されたOasis TOKYOプロジェクトは、仮想空間(メタバース)上の体験を日本国内に浸透させるとともに、日本の文化や技術を世界に発信するきっかけにもなると期待されます。The SandboxやOasis TOKYOに興味を持たれた方は、The Sandboxをダウンロードしてプレイしたり、仮想通貨取引所コインチェックで口座開設をしてCoincheck NFT(β版)にアクセスしてみましょう。
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中島 翔
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