ソーシャルレンディングの横断比較サイトを運営する株式会社クラウドポートは8日、貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」の口座開設の受付を開始した。
Fundsは「資金を借りたい企業」と「ミドルリスク・ミドルリターンの投資機会を求める個人」をつなぐ貸付ファンドのオンラインマーケット。同社がオンライン上で投資家から資金を集め、各分野のプロであるファンド組成企業が借りて企業に資金を貸す仕組み。
同社が定める選定基準をクリアした上場企業などが、自社グループの事業に必要な資金を調達する目的で貸付ファンドを組成し、それに対して個人が少額(1円)から出資し分配金を得ることができる。サービス運営企業(関係会社を含む)がファンド組成を行わない完全マーケットプレイス型は国内初となる。
特徴は、ひとつの口座でファンド組成企業やテーマ別に簡単分散投資が可能な点。予定利回りは1.5%~6%の「ミドルリスク・ミドルリターン」なものが中心で、投資額は1円から、投資期間は4ヶ月~1年程度で投資できるなど、少額・短期で投資を始めてみたい初心者や、分配金を効率よく再投資したいといったニーズに適した設定。
個人が出資した資金は、ファンド組成企業を通じて関係会社に貸し付けられる。企業の選定基準は上場企業や、監査法人と監査契約を締結している企業、ベンチャーキャピタルからの出資を受けているベンチャー企業などで、財務状況、資金調達力など総合的な観点から審査を行う。スタート時点の参加予定企業は、アイフル株式会社、株式会社デュアルタップ、FinTech企業のLENDY株式会社が名を連ねる。
貸付ファンドへの投資は、相場によって価格が上下する株式投資などに比べ、値動きがなく安定的な運用が見込めるため、忙しいビジネスパーソン、主婦にも取り組みやすい資産運用方法といえる。一方で、一般の個人が上場企業グループへの貸付を行うことができる金融商品は国内にほとんどなかった。商品性が類似するものとして個人向け社債があるが、銘柄数が少なく、さらにインターネットだけで売買が完結できるものは限定的だった。
ファンズにおいて投資家が負う主なリスクは①ファンド組成企業の信用力と、②借り手である関係会社から返済が正常に行われるかの2点で、その商品性やリスクは個人向け社債に類似したものとなっている。クラウドポートは昨年12月に第二種金融商品取引業登録をしており、満を持してのサービス開始といえる。
同社は株式会社フィル・カンパニーに同社の投資型クラウドファンディング参入に向けた助言を行っており、今後、協業も視野に入れた協議を進めていく。ファンズの提供開始にあたり「より多くの人がスマホひとつで簡単に貸付投資に参加する機会を創出することで、資産形成の裾野を広げ、『貯蓄から投資へ』の新しい流れを生み出していきたい」としている。
【関連サイト】Funds
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