事業者の仮想通貨による出資を規制、金融庁が法令改正へ

金融庁は、金融商品を扱っている事業者が金銭ではなく仮想通貨で出資を募った場合も、金融商品取引法(金商法)の規制対象にする方針を固めた。1月8日付で産経ニュースが報じている。

金融庁が金商法改正に取り組む背景には、現在の資金決済法では仮想通貨を取り巻く現状に対処しきれなかった他、中には法の穴を狙った問題も起きていたことがある。2018年11月には、米国の投資会社「SENER(セナー)」が出資を募り、約83億円相当の出資金のうち9割以上を仮想通貨で集めた。警視庁は、現金で合計2,900万円の出資を受け取った勧誘グループの男8人を、金商法違反(無登録営業)で逮捕したが、仮想通貨での出資については立件を見送る結果となった。関係者によると、もし全額を仮想通貨で出資金を集めていた場合、摘発できなかった可能性があったという。

金商法では、利用者保護や公正で健全な市場を作るために、金融商品を扱っている事業者は内閣総理大臣の登録を受けることが義務付けられている。しかし、無登録業社が仮想通貨で出資を受けた場合の規制は曖昧だった。金融庁は2017年10月、仮想通貨での出資を募っている場合でも「金商法の規制対象になると考えられる」との見解を公表していた。しかし、産経ニュースによると「法的な裏付けがないままでは刑事裁判に持っていったとしても公判維持が難しくなる可能性があり、仮想通貨による出資も規制対象となる内容を法令で明示することにした」とされている。

現在、仮想通貨に適用されている資金決済法では、仮想通貨交換サービスにおける登録制の導入、利用者への適切な情報提供、利用者財産の分別管理、取引時確認の実施が定められ、これに伴う罰則が規定されているのみで、法整備の遅れが利用者保護につながっていない実態も指摘されていた。さまざまな不正行為が横行する中、金融庁は仮想通貨取引において金商法と同等の規制を課す必要性について議論を進めていた。

資金決済法により仮想通貨に関する最低限の整備は進んだが、仮想通貨の未整備な現状を逆手に取った事例が今後出てこないとは限らない。一般人からすれば、詐欺だとは思えないケースも出てくるだろう。仮に有価証券に適用される金商法が仮想通貨に適用されれば、詐欺を防止するだけでなくさらなる市場の整備にもつながるだろう。いまだに仮想通貨交換業者の登録申請再開に向けた進捗すらも見られず仮想通貨市場が低迷を続ける中、金融庁は速やかな対応が求められている。

【参照記事】仮想通貨での出資も規制 金融庁が法令改正へ


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