フランスの金融大手BNPパリバ(ティッカーシンボル:BNP)が2月8日に発表した2021年10~12月決算は、純利益が市場予想を上回った(*1)。フランス国内市場が好調で利益拡大をけん引した。2月14日時点での株価は、決算発表後と比較して3%程度低迷しているが大きな変動は見られていない。
純利益は前年同期比44.9%増の23億600万ユーロと、市場予想の20億5,000万ユーロを上回った。21年通期でみても、純利益は前年比34.3%増の94億8,800万ユーロと、市場予想の89億2,000万ユーロを上回った(*2)。経済活動が活性化したことを受け、フランス国内市場の通期業績が急拡大したという。
新型コロナウイルスのパンデミックに絡む貸倒引当金は大きく減少した。新たに発生したデフォルトが限定的であったため、同引当金は前年同期の16億ユーロから5億1,000万ユーロに減少している。
決算発表にあわせて22~25年にかけての戦略プランを公表。営業収益は年平均3.5%以上の伸びを、純利益は同7%以上の増加を目指す。また、投資効率をみる指標のひとつである有形自己資本利益率(ROTE)を25年までに11%以上へ到達させるほか、配当性向を従来の50%から60%に引き上げる。
欧州では利上げ観測が高まっており、利ザヤの改善につながる可能性がある。ラルス・マシュニル最高財務責任者(CFO)は、経済活動の拡大に伴い利上げが実施されるのであれば、我々もそれに追随することで利益を得られるだろうと述べた(*2)。また、向こう数四半期の業績に自信を示している。
株価に関しては過去12ヶ月で約59%上昇し、良好に推移している(*3)。新たな戦略プランの目標達成に向けた同社の取り組みに注目したい。
【参照記事】*1 BNPパリバ「」
【参照記事】*2 cnbc「BNP Paribas earnings beat expectations with ‘strong momentum’ in domestic markets」
【参照記事】*3 Yahoo Finance「BNP Paribas SA (BNP.PA)」
HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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