株主優待を獲得し、譲渡益だけではなく優待による利益も得る、優待投資は株式投資の醍醐味のひとつです。うまく立ち回れば、譲渡益も配当や優待による利益も得られるため、高い利回りが期待できます。
そこで今回は、優待銘柄の中でも映画館や劇場等で使える優待内容の銘柄と、優待投資の注意点を解説していきます。映画館や劇場等で使える優待銘柄をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事は2020年9月30日現在の情報を基に執筆しています。
※本記事 は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
目次
- 映画券・劇場チケットを株主優待としている銘柄10選
- コロナ禍で注意しなければならない映画館優待や劇場優待
- 優待投資をする上で気を付けるべき3つのこと
3-1.権利付最終日などを把握しておく
3-2.株価の上昇・下落のタイミングを知る
3-3.市場全体の暴落などのリスクも考慮しておく - まとめ
1.映画券・劇場チケットを株主優待としている銘柄10選
銘柄コード | 銘柄 | 優待の種類 | 優待券の枚数 | 優待獲得のための最低投資金額 | 権利確定日 |
---|---|---|---|---|---|
9633 | 東京テアトル | テアトル直営映画館の招待券 | 100株:4枚〜 保有株数に応じて増加 |
128,300円 | 3月末日・9月末日 |
9635 | 武蔵野興業 | 新宿武蔵野映画館無料優待券・割引券 | 100株:4枚〜 保有株数に応じて増加 |
205,200円 | 3月末日・9月末日 |
9602 | 東宝 | TOHOシネマズ等で利用できる招待券 | 100株:1枚〜 保有枚数に応じて増加 |
433,500円 | 2月末日・8月末日 |
9601 | 松竹 | 映画招待ポイント | 100株:80P〜 保有株数に応じて増加。1回の入場で10P消費 |
1,537,000円 | 2月末日・8月末日 |
9637 | オーエス | 映画館優待カードのポイント | 100株:60P〜 保有株数によって増加 消費ポイントは映画館による |
283,300円 | 1月末日・7月末日 |
9631 | 東急レクリエーション | 株主優待カード(直営映画館・ボーリング場で利用可能) | 200株以上:18ポイント〜保有株数によって増加 | 920,000円 | 6月末日・12月末日 |
9632 | スバル興業 | TOHOシネマズギフトカード | 100株:2,000円相当 200株:3,000円相当 300株:4,000円相当 |
780,000円 | 1月末日 |
7952 | 河合楽器製作所 | 自社主催イベント(コンサートor工場見学)無料招待 | 100株以上 | 273,000円 | 3月末日・9月末日 |
9664 | 御園座 | 自社劇場の株主優待対象公演招待券と割引券 | 100株以上:割引券と優待券を各2枚。 保有株数に応じて増加 |
200,000円 | 3月末日 |
※優待権獲得のための最低購入価格は2020年9月30日引け時点での株価によります。
株主優待として、映画招待券や劇場招待券を採用している銘柄をピックアップしました。映画の招待券の中で、利用できる地域が限られているものの高い優待利回りが期待できるのは東京テアトルです。2020年9月末時点の最低投資金額は128,300円で、招待券を4枚獲得できます。
1回当たりの映画チケットは概ね1,800円と想定すると、100株保有した場合は7,200円となります。手数料を考慮しない優待利回りは、5.6%となります。
2.コロナ禍で注意しなければならない映画館優待や劇場優待
コロナ禍においては、映画招待券や劇場優待券といった体験型の優待は、注意が必要です。
2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本のみならず世界中の生活様式が大きく変わりました。さまざまな分野が影響を受けており、映画業界、演劇、芝居なども変化を強いられています。映画館は、1席ごとに間隔を開けての営業となり、入場できる人数が限られている状況です。また、今後の感染者数の推移によっては、自粛が求められる可能性もあります。
演劇や芝居については、クラスターが発生したことから公演が見合わせられているケースが少なくありません。株主優待を自社公演の入場券にしてある企業もあるものの、その多くが2020年の公演を中止している状態です。
コロナ禍においては、体験型の優待券を使うことができないリスクがあることを念頭にいれておきましょう。
3.優待投資をする上で気を付けるべき3つのこと
次に、優待投資をする上で注意すべき点を解説します。これから優待投資をスタートする方は、必ず理解しておきましょう。
3-1.権利付最終日などを把握しておく
株主優待は、特定の日の引け時点で株式を保有しておくことで、獲得する権利を得られます。これを権利付最終日といいます。権利付最終日は、権利確定日の2営業日前です。そして、株式を手放しても良い日を権利落ち日といいます。
権利付最終日 | 権利落ち日 | 権利確定日 |
---|---|---|
9月28日 | 9月29日 | 9月30日 |
引けの時点で保有しておくこと | 寄り付きで売却できる | 保有しておく必要は無い |
四季報や証券会社のサイトには、「権利確定日」が記載されているため、権利確定日に購入をしてしまう方も少なくありません。しかし、権利確定日に保有していても、株主優待を獲得する権利は得られません。2営業日前の引け時点で保有しておかなければならない点に注意しましょう。
3-2.株価の上昇・下落のタイミングを知る
優待内容が魅力的で人気を集める銘柄は、優待を獲得するために権利付最終日に向けて買いが増加することがあります。そのぶん権利落ち日に売りが殺到して、株価が大きく下がってしまうというケースも少なくありません。
優待銘柄を購入する場合は、こうした値動きの傾向を確認することがポイントです。権利落ち日に株価が下落をしても、損失が出ない程度の安値で購入する、中長期的な視点で戦略を練る等の対策を講じておきましょう。
3-3.市場全体の暴落などのリスクも考慮しておく
株価が変動する要因はさまざまです。優待銘柄は権利落ち日に株価が下落する傾向にあります。しかし、それ以外にも世界同時株安や戦争リスク、大規模な天災の発生、業績の悪化などで大きく株価が下落するリスクがある点にも注意が必要です。
また、2020年はコロナ禍やアメリカ大統領選など、大きく株価が変動する要因が複数あります。優待目的で保有していた株が予期せぬ暴落をするリスクがあることを念頭に入れておきましょう。
稀なケースではあるものの、2020年10月1日には、東京証券取引所の取引が停止してしまいました。もし取引所の機能が停止している最中に、株価が大きく増減する事件・出来事が発生した場合、それに対処することはできません。
優待投資を行う場合は、優待を獲得する以上のリスクが潜んでいる可能性もあるため、十分に注意しておきましょう。
まとめ
今回は、映画館や劇場の招待券や割引券を株主優待としている銘柄を取りあげました。映画好き、演劇好きの方にとっては、資産を運用しながら招待券を獲得できるチャンスです。
しかし、優待投資には価格変動によって損失を被るリスクや、コロナ禍によって映画館や劇場が閉鎖をしてしまうリスクがあることに注意しましょう。
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鈴原 千景
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