これから株式投資を始めるにあたって悩むポイントといえば、何から覚えればいいのか分からないという点ではないかと思います。株式投資に必要な知識は多岐にわたるだけでなく、覚える内容にゴールはありません。基本をしっかり身に付けつつ、新しい情報も常に仕入れることが大切です。
そこで今回は、株式投資の始め方と基本をはじめ、企業分析の基本についても丁寧に解説します。
目次
- 株式投資の始め方
1-1.証券会社に口座を開設する
1-2.自己資金を用意し銘柄を選ぶ - 株式投資で知っておくべき基本5つ
2-1.注文の種類を理解する
2-2.景気のサイクルを理解する
2-3.分析方法を勉強する
2-4.余裕資金で始める
2-5.どうしても読めない相場の時は投資をしない - 企業分析の基本的なポイント2つ
3-1.会社四季報や決算短信を活用する
3-2.経営指標から企業財政を確認する - まとめ
1.株式投資の始め方
株式投資についてこれから勉強する場合は、まず取引の始め方について覚えるのが大切です。具体的には証券会社の口座開設と入金、注文手続きといった一連の流れについてです。
- 証券会社で総合口座の開設手続き
- 審査
- 正式に口座開設
- 入金
- 取引開始
それでは株式投資を始めるために必要な手続きを紹介します。
1-1.証券会社に口座を開設する
株式投資を始めるには証券会社を選び、総合口座開設手続きを行う必要があります。国内には多数の証券会社があり、インターネット経由による総合口座開設手続き(ネット証券)と店頭での手続きの2種類に分かれています。一般的には、自宅で手続きができ時間も選ばない、ネット証券の方が便利かつ人気です。
証券会社の口座開設時には、基本的に以下のような情報を提出します。
- 氏名
- 住所
- 電話番号やメールアドレス
- 現在の職業や年収
その他には、本人を証明するための本人確認書類(免許証など)を、書類もしくは画像で提出し、審査を待ちます。審査期間については証券会社によって異なりますが、数日~1週間程度と考えておきましょう。
審査を通過した後は、正式に総合口座が開設され、パスワードやIDなどの設定後ログイン可能となります。
1-2.自己資金を用意し銘柄を選ぶ
総合口座の開設後は、投資に必要な資金を証券会社の口座へ入金します。ネット証券であれば、パソコンやスマホからログインし、入金額の設定とどの銀行口座から振込みを行うかを入力することで手続きが可能です。
一般的に入金処理は翌営業日に完了しますが、証券会社によっては即時入金サービスも提供しています。口座開設前後に確認しておきましょう。
入金処理後は、証券会社の株式投資のページへアクセスし、銘柄の選択と発注作業へ進み取引を開始します。
基本的な取引の流れは以下の通りです。
- 購入数量と注文方式を入力
- 発注前最終確認とパスワードの入力(省略できる場合もある)
- 発注完了
- 売り注文と合致すれば約定
- 指定した数量だけ株式を保有
株を売る時も数量と注文方式を入力する流れですので、大きな違いはありません。
2.株式投資で知っておくべき基本5つ
株式投資の始め方を理解した後は、取引に関する基本的なポイントを覚えましょう。株式投資を始める上で覚えておきたい基本的な内容を分かりやすくまとめると、取引・分析・リスクの3つです。特に分析方法は、今後長く投資を続けていく上で重要な要素となります。
ここでは、より細かく6つのポイントに分けて解説します。
2-1.注文の種類を理解する
売り・買い注文の画面には、「指値」や「成行」などの言葉が並んでいます。株式投資では、どのような条件で注文(売買)を行うのか、「指値」などの選択肢から細かく決めることができます。注文方法は大きく分けた場合、「指値(さしね)」と「成行(なりゆき)」の2種類となります。
指値注文は、指定した価格を上限にして、現在株価が指定した価格もしくは価格以下になった時点で買い約定します。たとえば100円の指値買い注文を発注した場合、現在株価が150円から100円や90円へ下落すると約定する仕組みです。また、発注時に現在株価が100円以下であれば、発注から間を置かず約定できます(状況に応じて若干の差はあります)。
一方成行注文は、価格指定なしで約定される注文方法です。買い注文の場合は、発注時に最も安い売り注文から約定するため、便利な一方で、最も安い売り注文よりも安い値段で発注できる指値注文よりも割高となります。
まずは指値注文と成行注文の意味を理解することが大切です。
2-2.景気サイクルを理解する
株式投資では、景気サイクルも理解しておくことが必要になります。景気のサイクルとは、好景気と不景気を繰り返す動きのことです。
一般的に景気サイクルは、その時々によってばらつきが大きいものの、好景気となる「拡大期」が3年前後、不景気となる「後退期」が2年前後と考えられています。内閣府が発表する「景気基準日付」で景気サイクルを確認することが可能です。
ただし、必ず景気サイクルに沿って各銘柄の株価も動くという訳ではありません。しかし、それでもトレンドによる株価への影響は大きいため、現在どのような景気サイクルに該当するのかを株価指数や各銘柄のチャート、様々な経済指標などから確認してみましょう。
2-3.分析方法を勉強する
株式投資をどうやればいいのか分からないからといって、感覚で取引するのはハイリスクです。仮に利益を得られたとしても、なぜ売却益を得られたのか、取引の原因と結果を理解できなくなってしまいます。
銘柄の分析方法を覚えた場合は、損益どちらのケースでも取引の原因と結果を調べることができるようになります。なお株式投資における分析方法は、テクニカル分析とファンダメンタル分析の2種類に分かれています。
- ファンダメンタル分析:企業の業績や経営指標などで分析する
- テクニカル分析:チャートやテクニカル指標で分析する
先に覚えるべき分析方法としては、ファンダメンタル分析の方が望ましいといえます。ファンダメンタル分析では、企業の将来性や値上がりの予測だけでなく、倒産リスクや経営の安定性も分析できます。
テクニカル分析は、あくまでチャートの動きを基準とした分析方法のため、経営状況に関しては分析できません。ただし、直近の値上がり・値下がり予測にも活用できるので、最終的には2種類とも理解することが大切です。
2-4.余裕資金で始める
株式投資でリスクを抑えるためには、余裕資金(余剰資金)で始めるのもポイントです。ここでいう余裕資金とは、生活費や用途の明確な貯蓄以外の余った資金のことです。
株式投資では自己資金が増えたり減ったりする可能性もあるので、生活費や用途が明確な貯蓄を使用することは危険が伴います。余裕資金が少ない場合は、節約や副業などの方法も用いて準備し、目標の金額まで貯めてから始めるようにしましょう。
2-5.どうしても読めない相場の時は投資をしない
株式投資では、企業分析などを行っても予想に反して大きく乱高下したり急落したりするケースがあります。また、株式市場全体が大きく下落する時期もあるので、難しい相場では投資をしないという選択肢も考えておきましょう。
無理に取引を行っている時点で冷静さを欠いている可能性がありますし、買い時・売り時のタイミングや運用方針もブレてしまいます。まずは自分が学んだ指標や分析・チャートパターンの範囲で、予測できる相場や銘柄に投資するようにしましょう。
3.企業分析の基本的なポイント2つ
株式投資では、経営リスクや成長性などを確認するために、企業分析を行うのが重要です。先に触れたファンダメンタル分析がこれに該当しますが、企業に投資を行う株式投資においては、ファンダメンタル分析が基礎にあたる重要なポイントだといえます。
ここでは企業分析に必要な資料と、経営指標の意味や特徴を説明します。
3-1.会社四季報や決算短信を活用する
上場企業の業績や経営状況を把握するためには、会社四季報や決算短信といった資料を活用します。
会社四季報は、国内の上場企業の株式などに関する情報をまとめた資料で、紙媒体とデータ(証券会社のサイトなどで提供される)がそれぞれ存在します。具体的な掲載内容は、主に以下の通りです。
- 企業概要
- 証券コード(4桁の数字)
- 株主
- 子会社
- 財務指標や業績
決算短信は、企業の決算後2ヶ月以内に発行される有価証券報告書(決算書)の速報版です。速報版ですので、実績ではなく業績予測の項目もありますが、これを読むことで株価の予測や成長性を分析することができます。また、会社四季報には記載されていない詳細な情報もあるのが特徴です。
3-2.経営指標で企業財政を確認する
経営指標は、倒産リスクおよび企業経営の安定性を見極める上で重要なポイントとなります。資産における流動比率や固定比率、自己資本比率など指標は複数あり、さまざまな観点から企業の財務状況を分析できます。
経営指標を活用する場合は、決算短信や有価証券報告書に記載されている固定資産や流動資産の数値などを計算式に当てはめて求めるのが基本です。ただ、ネット証券会社であれば、各銘柄のページ内でPER等の様々な経営指標を一覧で確認できるため、通常はその情報をもとに分析をスタートします。
分析に用いられる指標は数多く、また分析には財務や経営に関する知識も必要なため、一気に全てを覚えることは困難です。そのため、一般的によく用いられる指標から少しずつ理解を深めていくのが良いといえます。
まとめ
株式投資を始める際は、証券会社で総合口座の開設手続きを行うのが最初のステップとなります。口座開設書類に不備などがなければ、数日や1週間程度で審査通過となります。審査通過後は正式に総合口座開設となり、入出金手続きや投資が可能です。
株式投資の基本的なポイントとして、注文方法(指値、成行)や分析方法、景気サイクルなどを理解することが大切です。その上で、決算書や各経営指標などから企業財務の状況を調べるファンダメンタル分析や、チャートから値動きを予測するテクニカル分析の知識を少しずつ深めていきましょう。
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菊地 祥
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