投資初心者がソーシャルレンディングで大失敗しないための4つのポイント

近年登場した投資サービスの一つであるソーシャルレンディングは、過去に不祥事による金融庁の指導が複数の事業者に対して行われた背景があり、初心者の方にとっては注意をしながら進めたい投資方法です。

しかし、あらかじめ危険なポイントを知っておけば、対策を取ることでリスクを軽減することができます。

そこで、ソーシャルレンディング投資をこれから始める人に向けて、あらかじめ知っておきたい4つのリスクと対策をお伝えしていきます。

目次

  1. ソーシャルレンディングで失敗につながった事例は?
    1-1.返済遅延に陥るソーシャルレンディング案件が続出した
    1-2.行政処分を受けるソーシャルレンディング会社が多かった
    1-3.利回りが高すぎた
  2. 危険なソーシャルレンディングの案件を見抜くポイント4つ
    2-1.高利回りの案件に注意する
    2-2.長い運用期間の案件は慎重に検討する
    2-3.担保や保証が第三者によるものか確認する
    2-4.融資先の会社の信用性を確認する
  3. 2020年現在のソーシャルレンディングが過去と変わった点
    3-1.融資先の会社名が明らかにされるようになった
    3-2.平均的な利回りが下がった
    3-3.担保や保証、リスクなどの情報公開が進んだ
  4. まとめ

1.ソーシャルレンディングで失敗につながった事例は?

ソーシャルレンディングは業界で発生した様々な過去の問題から、危険と指摘されることもある投資方法です。金融庁がソーシャルレンディング投資に対して注意を喚起するウェブページも実際に作成されています。

ソーシャルレンディングで過去に失敗につながった事例を具体的に見ていきましょう。

1-1.返済遅延に陥るソーシャルレンディング案件が続出した

2017年から2018年の間にソーシャルレンディング会社が提供した投資案件では、返済遅延に陥るものが続出しました。

特に、一部の会社では運用中の全ての案件において返済遅延に陥り、その後も投資家に満足に返済されていない状況が続いています(2020年2月時点)。明確に貸し倒れが確定したわけではありませんが、投資家に投資金が戻ってこない状態が続いているのです。

これはソーシャルレンディング投資において非常に大きな問題だと言えるでしょう。

1-2.行政処分を受けるソーシャルレンディング会社が多かった

2017年から2018年にかけては、返済遅延などの発生理由により金融庁財務局から行政処分を受けるソーシャルレンディング会社が多く発生しました。

日本で最初にソーシャルレンディング事業を開始し、約1,700億円の募集実績を持つmaneoマーケットも行政処分を受け、2020年2月現在はほぼ業務停止状態に陥っています。

その理由としては、融資先の審査をしっかりと行わなかった、融資の際に設定する担保価値の査定をきちんと行っていなかったなど、様々な理由が挙げられます。

その他にも行政処分を受けた会社の中には、社長が個人的な理由で投資家から集めたお金を使っていた事例もありました。このようにオペレーションやガバナンスに問題のあるソーシャルレンディング会社が存在していたのです。

1-3.利回りが高すぎた

2018年頃までは、年間に予定される利回りが10%と非常に高利の案件もありました。しかし2020年時点では、それほどの高利回りの案件を提供する会社はごく一部となっています。

投資家に還元される利回りが高いと、事業者への貸付時に設定する金利も高くなります。つまり投資家側の利回りが高いほど、融資先の返済に負担がかかり、期日通りに返済できない可能性も高まるのです。

このため、過度に高利回りな案件は慎重に検討する必要があります。

2.危険なソーシャルレンディングの案件を見抜くポイント

上記のような過去の問題点から、ソーシャルレンディングの事業スキームについては様々な是正が行われましたが、それでもソーシャルレンディング投資を検討する際は、前述のようなリスクを踏まえ投資判断をすることが大切です。

危険度の高いソーシャルレンディング案件かどうかを見分けるには、どういったポイントをチェックすれば良いのでしょうか。

2-1.高利回りの案件に注意する

まず初めに、案件の利回りをチェックしましょう。利回りが低い案件であれば、融資の際の金利も低くなり、返済リスクが低い案件と言えます。高利回りの案件は高い収益が得られる一方、比例して損失を被る可能性も高くなるのです。

また、SBIソーシャルレンディングレンデックス(LENDEX)といったソーシャルレンディング会社では、投資家へ提供する利回りだけではなく、事業資金を必要とする会社に貸し付けを行った時の利回りも公開しています。

このような利回り情報をチェックして貸付金利が低い案件を選ぶなどで、返済リスクを回避することが大切です。

2-2.長い運用期間の案件は慎重に検討する

ソーシャルレンディングでは、案件ごとに運用期間があらかじめ定められています。運用期間が短い案件は3ヶ月ほどですが、長い案件には2~3年のものもあります。

長期の案件を選ぶと、長期間利益を得ることができます。しかし、出資ではなく貸し付けを行うソーシャルレンディング投資では、満期まで原則解約ができず、投資金を引き出すことができません。

また、長期の案件に投資すると、その期間中に融資先の会社やソーシャルレンディング会社が倒産するリスクも高まります。

初めは短期の案件を優先したり、余裕資金からのみ投資金を捻出したりするなどの対策をしましょう。

2-3.担保や保証が第三者によるものか確認する

ソーシャルレンディングの案件を選ぶ際は、担保や保証の内容もチェックしましょう。例えば担保の査定が不動産鑑定士など第三者によるものではなく自社評価であった場合、査定の信ぴょう性は相対的に下がります。

実際に貸し倒れが起きた際の返済金が想定外に少なくなってしまい、多数の投資家が大きく元本を毀損した事例もありました。1億円の案件に自社査定で1億円の担保を設定していたにもかかわらず、実際の担保価値は3割程度しかなかった、というようなケースです。

公開された案件の情報を見て、資産価値の高い担保が設定されているのか、担保の価値と募集金額の割合がどの程度なのか、きちんと確認するようにしましょう。募集金額の1.2倍ほどの価値のある担保が設定されている案件であれば、高い担保が設定されていると言えるでしょう。

2-4.融資先の会社の信用性を確認する

融資先の会社がどういった会社であるかも、きちんとチェックするべきポイントです。

2019年3月まではソーシャルレンディングによる融資先の企業名を公開することが禁止されていたため、禁止を逆手に取って倒産しそうな会社やペーパーカンパニーへの融資、あるいは身内の会社など、通常では融資を実行できないような企業にまで融資を行うソーシャルレンディング会社がありました。

しかし、今は匿名化も解除され、融資先の会社名を公開することが可能になっています。融資先が倒産する可能性の高い会社ではないのか、きちんと利益を出している規模が大きな会社への融資なのか、融資先の信用を確認しておきましょう。

3.2020年現在のソーシャルレンディングが過去と変わった点

次に、2020年時点でのソーシャルレンディング業界が2018年前後と比べてどのような点が変わったのか見てみましょう。

3-1.融資先の会社名が明らかにされるようになった

上述の通り融資先の名前が公開されることになった点が、最も大きな変更点と言えます。会社名が公開されることにより、投資家個人が融資先の会社がどのような状況であるかを調べることができるようになりました。

また、東証一部上場企業などの比較的倒産しにくい会社、投資家に不正行為を働かない信頼できる会社への融資案件が増えていることも、大きな変化だと言えます。信用の高い貸付先であれば、投資家がきちんと資金を回収できる可能性も高くなります。

3-2.平均的な利回りが下がった

ソーシャルレンディングの案件ではあらかじめ決まった利回りが設定されています。その利回りの数字は2018年と比べて大きく下がっています。2018年より前は、平均利回りが10%超の案件ばかりを提供する会社もありました。

2020年現在のソーシャルレンディングでは、期待利回りで5%前後の案件が中心となっています。利回りが2~3%という案件も増加しており、2018年と比較して収益性が下がったと言えるでしょう。

しかし、期待利回り10%以上の案件では融資先への負担が相当に大きくなり、貸し倒れが起きてしまうリスクが高まります。高利回りの案件が減ったことは、よりローリスクな案件を中心に取り扱う流れができた証拠だと言えます。

3-3.担保や保証、リスクなどの情報の公開が進んだ

融資先の企業名だけではなく、担保や保証に関する情報の公開にも大きな変化が見られます。

例えばオーナーズブック(OwnersBook)という不動産案件を専門に取り扱っているソーシャルレンディングサイトでは、担保不動産の収益性を中心に住所や築年数、面積などを詳しく公開しています。また、融資の際に保証会社を設定しているソーシャルレンディングサイトもあります。

投資である以上、どの案件にもリスクは存在します。リターンだけではなく、リスクについてもソーシャルレンディング会社が投資家に向けて情報をより多く発信するようになった点が、現在と2018年頃の大きな違いと言えるでしょう。

まとめ

ある意味で2018年までのソーシャルレンディングは、ブラックボックスの中で運用されていたとも言えます。一方で当時から信頼できる営業活動を続け、これまで大きな問題を指摘されていないソーシャルレンディング会社もあります。

それでも、「この会社だから大丈夫」と無条件に信用するのではなく、きちんと自分でリスクやリターンのバランスを検証することが大切です。

「今回はローリスク・ローリターン案件に投資しよう」「今回は少しリスクを取ってハイリターンを求めてみよう」などと、自分で考えながら投資先を比較・検討した上でソーシャルレンディング投資を始めてみましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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