新型コロナウイルスの流行により、様々な投資商品が影響を受けています。ソーシャルレンディング業界に今後どのような影響が起こるか、その内容や影響は未知数な面もあります。
そこで、現時点でのコロナウイルスの影響が少ない投資先の一つである「物流不動産」に投資できるソーシャルレンディングサイトについて取り上げてみたいと思います。
物流不動産がなぜコロナウイルスの影響が少なかったのか、そしてどのようなソーシャルレンディングサービスを利用すれば物流不動産に投資できるのかを見ていきましょう。
目次
- ソーシャルレンディング、物流不動産案件の特徴
1-1.コロナウイルスによる営業自粛の影響が少ない
1-2.固定の家賃設定のため、月の売上に変動が少ない
1-3.今後の発展の可能性がある - 物流不動産に投資できるソーシャルレンディングサイト
2-1.FUELオンラインファンド
2-2.クラウドクレジット - 物流不動産ソーシャルレンディング案件が向いている人とは?
- まとめ
1.ソーシャルレンディング、物流不動産案件の特徴
まず、物流不動産に投資することによりどのような特徴があるのかを確認していきます。
1-1.コロナウイルスによる営業自粛の影響が少ない
物流不動産とは、倉庫などの商品や資材などを保管し、流通させる機能を持つ建物を指します。また宅配便などの流通センターも、物流不動産に該当します。
物流不動産は人々の生活にとって必要な物の移動や管理を担っており、インフラの一つだとも言えるでしょう。交通や電気、ガスなどと同様に、生活に不可欠なものであるとも言えます。
新型コロナウイルスの影響によって飲食店や商業施設が営業を自粛する中でも、インターネットショッピングのユーザー増により物流への大きな影響は見られませんでした。
実際に不動産投資信託 (REIT) の動向を見ても、2020年2月から3月のコロナショック下で物流不動産を運営するREIT銘柄は値下がりしたあと反転し、その後徐々に値上がりしている銘柄があります。
【関連記事】コロナショックの影響が少なかったREIT(リート)は?物件や銘柄のタイプ別に比較
1-2.固定の家賃設定のため、月の売上に変動が少ない
物流不動産は毎月一定の家賃で倉庫を必要とする事業者に貸し出しをしています。つまり、マンションやアパートなどの不動産と同じような収入の仕組みとなっています。
対してホテルなどの宿泊施設は、景気が良い時は入居会社の売り上げが上がり、売り上げアップ分も家賃に反映されるので、収益は良くなる傾向にあります。しかし、不景気で売り上げが下落すれば利回りも下がっていくリスクがあります。
物流不動産は固定家賃による収入のため、売上の上下が比較的少ないという特徴を持っています。
1-3.今後の発展の可能性がある
また物流不動産業界は、今後の発展が望める業界でもあります。例えば国土交通省の「建築着工統計調査報告(令和元年計)」によると2019年に施工された不動産の面積は、店舗不動産の4,350千平方メートルよりも物流不動産の方が8,956平方メートルと上回っています。
また、人々のライフスタイルが、お店まで行って物を買うのではなく、家にいながらネットショッピングで物を買うという風に変化しており、特にコロナショック下ではその傾向が顕著に表れていました。
ネットショッピングの需要は増加が見込まれているだけに、ネットショッピングの物流を担う物流不動産業界は今後さらにそのシェアを伸ばしていくと考えられます。
2.物流不動産に投資できるソーシャルレンディングサイト
では実際に、物流不動産に投資できるソーシャルレンディングサイトをピックアップしてみましょう。
2-1.FUELオンラインファンド
FUELオンラインファンドは、上場企業等が運営する不動産ファンドに分散投資できるソーシャルレンディングサービスです。FUEL株式会社が運営をしています。
FUELオンラインファンドで投資できるファンドの一つである「CRE Funding」は、物流施設の案件に投資をすることができます。東証プライム上場企業の株式会社シーアールイーが案件を組成し、運営はFUELが行っています。東証プライム上場企業が直接運営に携わっているソーシャルレンディングサイトということで、他ソーシャルレンディングサービスと比べて事業者リスクが比較的低いと言えるでしょう。
また、CRE Fundingの利回りは2.5%~3%程度と他サービスと比べてやや低めですが、その代わりに、投資家の資産を守るために株式会社シーアールイーによるマスターリースと保証が設定されており元本毀損リスクを低減しています。
なお、FUELオンラインファンドでは、CRE Fundingの他にも複数の上場企業が組成するファンドに分散投資が可能で、1万円以上1円単位の投資ができます。CRE Fundingでファンドの応募がない場合は、FUELオンラインファンドの他の案件もチェックしてみると良いでしょう。
2-2.クラウドクレジット
海外案件を専門に取り扱う「クラウドクレジット」では海外の物流倉庫ファンドの組成を行っています。
例えば2020年7月時点で募集している「米国不動産ローンファンド(倉庫A)1号」は、アメリカの倉庫物流の開発を行う会社への融資案件となっています。
日本国内ではないため、その詳細やリスク、リターンがやや把握しにくい点もありますが、物流不動産投資を行いながらさらに海外案件で分散投資を行いたい人にとっては、選択肢の一つになるでしょう。
3.物流不動産ソーシャルレンディング案件が向いている人とは?
ここまで物流不動産に関するソーシャルレンディング案件の特徴として、利回りはそれほど高くはないものの、比較的低リスクの運用が見込める投資対象であるとご紹介してきました。
では、どのような方であれば物流不動産ソーシャルレンディング案件が向いていると言えるでしょうか?
物流不動産の特徴を踏まえて検討してみると、「資金が豊富にあり運用の手間をかけず低リスクでの収入を得たい方」だと考えられます。
物流不動産案件の利回りは、不動産担保案件や太陽光発電案件などと比べると、低い傾向にあります。そのため資金が少ない人は、大きなリターンを得ることができず、メリットが少ないと感じる方も少なくないでしょう。
しかし、資金が潤沢にある人であれば、配当収入もまとまったものになります。例えば1,000万円を投資すれば、利回り3%でも、年間約30万円の配当になります。税引き後でも、毎月2万円ほどの配当を得ることができます。
「定期預金をしておくのはもったいない、しかし元本割れの可能性が高い投資は行いたくない」という方は、低利回りである反面、低リスクの特徴を持つ物流不動産ソーシャルレンディング案件への投資を検討してみましょう。
まとめ
物流不動産は、コロナショックによる不況下でも収益を確保している事業の一つであり、ネットショッピングの普及によってさらに今後発展が見込まれる業界です。
ソーシャルレンディングで物流不動産を扱う案件に投資すれば、利回りは低めながらも低リスクの運用が期待できます。
ソーシャルレンディングを通した不動産への投資を検討している方は、物流不動産へ注目してみてはいかがでしょうか。
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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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