ソーシャルレンディング投資、不動産担保の重要性は?ポイント3つを解説

ソーシャルレンディング投資を行っていくためには、万が一にも貸し倒れが発生した時のためのリスク対策を取っておく必要があります。

例えば多くの不動産投資型クラウドファンディングやソーシャルレンディングサイトでは、貸し倒れ時のリスク対策として不動産担保を設定しています。この担保の価値が高い案件であればあるほど、投資家の元本が損失する可能性が低くなります。

リスク対策をしながらソーシャルレンディング投資を進めるには、この担保設定の有無やその価値を考慮し、得られるリターンとのバランスをとることが重要となります。

そこで今回はこれからソーシャルレンディング投資を始める方にも分かりやすく、不動産の担保価値を判断する3つのポイントをお伝えします。

目次

  1. ソーシャルレンディング投資の担保の重要性とは
    1-1.ソーシャルレンディングのLTV(Loan to Value)を確認する
    1-2.投資先不動産の流動性を確認する
  2. 不動産の担保価値を判断する3つのポイント
    2-1.物件の住所を見る
    2-2.物件の面積や構造を見る
    2-3.物件の売買価格を見る
  3. 実際のソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディングの公開情報
    3-1.SBIソーシャルレンディング
    3-2.CREAL
  4. まとめ

1.ソーシャルレンディング投資の担保の重要性とは

なぜ、ソーシャルレンディング投資において担保の価値を詳しく知ることが重要なのでしょうか。その点についてご説明します。

1-1.ソーシャルレンディングのLTV(Loan to Value)を確認する

担保の価値がわかっていれば、貸し倒れが起きた時でも投資家に元本が返済されるかどうかを判断できます。

例えば、5,000万円の融資の案件に1億円相当の価値がある担保を設定すれば、担保にした物件を売却することで投資家から預かったお金の大半を回収できる可能性が高くなるでしょう。

不動産担保の価値としては、LTV(Loan to Value)という指標があります。LTVとは、融資額に対してどれほどの価値を持った担保が設定されているかを示す指標です。

仮に2,000万円の融資に2,500万円の担保が設定されていれば、LTVは80%(2000÷2500=0.8)となります。

このLTVの数値が低ければ低いほど設定されている担保の価値が高く、低リスクな投資案件だと見ることが出来ます。

1-2.投資先不動産の流動性を確認する

担保の不動産の詳細な情報から、迅速な現金化ができるかどうかを判断することも重要です。

例えば、3億円の価値がある不動産が担保に設定されていたとします。その3億円の不動産が離れた郊外にあり、広大な土地である場合、現金化までに時間がかかってしまう可能性があります。郊外の大型不動産は流動性が低い傾向にあるためです。

しかし一方、3億円の価値を持った不動産担保が都内のオフィスビルだった場合、郊外の大型不動産と比較して流動性が高い物件であるため、売却が早く進む可能性が高いと言えます。

現金化が速やかに行われれば、投資家に対して元本を迅速に返済できます。投資家も、資金を拘束される期間が短くなるメリットを享受できます。

基本的には都心に近い場所の担保であれば、時間をそれほど掛けずに売却できるでしょう。さらには、価格が数億円のものよりも数千万円程度の担保のほうが、購入できる人が多いため、価格が安い担保ほど早く現金化できる可能性が高くなります。

2.不動産の担保価値を判断する3つのポイント

それでは、実際のソーシャルレンディング案件で担保の価値を判断するには、どのような点に注目すれば良いのでしょうか。それぞれ確認していきましょう。

2-1.担保不動産の土地の評価額を調べる

ソーシャルレンディングの担保価値を見抜くために、物件の住所は重要な指標となります。最近ではソーシャルレンディング案件の情報開示が進み、担保物件の住所が公開される案件が増えてきています。

物件の住所や面積がわかれば、該当するエリアと国税庁が発表している路線価を組み合わせてみてください。

国税庁「路線価図・評価倍率表」のページで、全国の路線価を調べることが可能です。

面積と路線価のそれぞれの数値を掛け合せれば、その土地の大まかな評価額がわかります。担保にする土地の価値を把握できるでしょう。

2-2.物件の面積や構造を見る

また土地だけではなく、建物の価値の判断も重要です。建物の価値を一概に判断するのは難しいことですが、物件の面積に加えて工法や構造を知ることで一定の価値を判断できます。

例えば建物の不動産価格を査定する場合、同じ建物を立てた時に、どの程度の金額が必要になるかを示す「再調達価額」という計算方法が使われることがあります。

国税庁では、以下のように再調達価額を示しています。

建築年 木造 鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造
2009年 156.6 265.2 219 169.5
2010年 156.5 226.4 205.9 163
2011年 156.8 238.4 197 158.9
2012年 157.6 223.3 193.9 155.6
2013年 159.9 258.5 203.8 164.3
2014年 163 276.2 228 176.4
2015年 165.4 262.2 240.2 197.3
2016年 165.9 308.3 254.2 204.1
2017年 166.7 350.4 265.5 214.6
2018年 168.5 304.2 263.1 214.1

(単位:千円/㎡)
*国税庁「建築価額表」を参照

例えば2010年築の鉄筋コンクリート造、延床面積が50平方メートルの物件の場合は、10295千円(205.9×50)の評価額が算出されます。

このように建物部の評価額を知っておくことで、担保として適切であるかどうかを判断する際に役立てることが出来ます。

2-3.物件の売買価格を見る

区分マンションのように比較的安価な担保が設定されている場合、そのマンションと同程度の条件を持ったマンションがどの程度の価格で売買されているのか、不動産情報ポータルサイトなどで確認してみましょう。

例えば、担保物件が山手線の駅から徒歩5分という立地で、部屋の面積が30平方メートル程度の場合、不動産情報サイトで似た条件を入力して価格を調査してみましょう。

また、国土交通省「土地総合情報システム」では実際の取引価格が公開されています。こちらも参考にしてみると良いでしょう。

3.実際のソーシャルレンディング・不動産クラウドファンディングの公開情報

それでは、ソーシャルレンディング各社や不動産投資型クラウドファンディング会社で不動産情報をどのように公開しているのか、確認してみましょう。

3-1.SBIソーシャルレンディング

SBIソーシャルレンディングは、証券など金融サービス全般を取り扱う総合金融グループ・SBIグループのソーシャルレンディングサービスです。担保力を重視した貸付額の設定と借手ごとの厳格な審査を行った企業に融資を行うファンドなどを扱っています。

また、投資額1万円からの運用が可能で、登録・販売・分配金の送金手数料が無料のため、初心者の投資家にも嬉しいサービスです。

SBIソーシャルレンディングで実際に募集されている案件から、どのような形で不動産情報が公開されているか見てみましょう。

SBISL不動産バイヤーズローンファンド36号(2020年5月時点の募集案件)

この案件では詳細な住所が公開されていませんが、おおよその立地と面積が開示されています。このような情報から土地の評価額を算出する際は、物件付近の路線価を調べて面積の値を掛け、参考数値にすると良いでしょう。

3-2.CREAL

ESG不動産投資クラウドファンディング「CREAL」CREAL(クリアル)は、株式会社ブリッジ・シー・キャピタルが運営している不動産投資型クラウドファンディングサービスです。

元本の安全性については、投資家が優先出資者、ブリッジ・シー・キャピタルが劣後出資者となっているため、出資額の予定分配率に至るまで投資家に優先的に分配され、その後、残利益があった場合に、劣後出資者であるブリッジ・シー・キャピタルに分配される仕組みとなっています。

不動産投資型クラウドファンディング事業者であるCREALでは、ソーシャルレンディングサイト以上に詳細な情報の公開を行っています。

(仮称)ココファン・ナーサリー旗の台(2020年5月時点の募集案件)

正確な土地の面積や建ぺい率、容積率や用途地域までもが明らかにされており、土地建物の評価額、過去の取引事例などの情報から大まかな担保価値を判断することも可能でしょう。

不動産投資型クラウドファンディングでもこのような担保不動産の情報を確認しておくことで、リスクをあらかじめ把握することが可能です。

まとめ

ソーシャルレンディング投資でできるだけ損失が発生しないためには、損失発生時のリカバリー(回復性)に優れたソーシャルレンディング事業者や案件を選ぶことが重要です。

損失を防ぐためには、しっかりと担保の価値を把握することが第一です。設定された担保の価値が高い案件に投資すれば、たとえ貸し倒れが発生したとしても、投資金を回収できる可能性が高めることが出来ます。

投資先の安全性を把握するため、担保の情報を一つ一つ細かくチェックする習慣を身につけておきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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