株式投資、ROCの使い方は?チャートから具体例で解説

テクニカル分析のインジケーターを上手く使いこなし、トレード技術を向上させたいと思っている方は多いでしょう。

今回はプロトレーダーの筆者が、初心者でも使いやすいインジケーターの一つである、ROCを解説します。株式投資での使い方を、チャートから具体例で解説します。参考にしてみてください。

※本記事は2023年5月11日時点の情報です。最新の情報についてはご自身でもよくお調べください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。


目次

  1. ROCをプロトレーダーが解説
    1-1.ROCの概要
    1-2.ROCの計算式
  2. ROCの見方
    2-1.買いサイン
    2-2.売りサイン
    2-3.トレンドの勢い
    2-4.ROCを利用する際の注意点
  3. ROCを使用したトレード手法
    3-1.ROCの使い方
    3-2.任天堂チャートで解説
  4. まとめ

1.ROCをプロトレーダーが解説

1-1.ROCの概要

ROC
※以下、画像は全てTradingViewより筆者作成

ROCとは「Rate of Change」の略です。日本語では変化率と訳されます。

ROCは一定時間における株価の変化率を表すオシレーター系のテクニカルインジケーターです。株価のトレンドの勢いが、設定期間前と比較してどのように変化しているかを相対的に判断する目的で主に用いられます。

ROCは上の図のように相場を表すローソク足の下に表示され、比較的シンプルな指標として投資家に広く利用されています。

また、ROCはモメンタム系指標としても知られています。モメンタムとは、現在の終値と何日前かの終値を比較し、両者にどのくらいの差があるかを表すオシレーター系のテクニカルインジケーターを指します。

ROCはこのモメンタムと非常に類似した指標となっています。しかしモメンタムが一定期間前との差を表す指標であるのに対し、ROCはその差を比率で表すという特徴を持っています。

1-2.ROCの計算式

ROCの計算式は下記の通りとなっています。

ROC(%)= (直近の終値 – 期間前の終値)÷ X期間前の終値 × 100

この計算式からも分かるように、当日の終値と設定期間前の終値が等しい値になる、0%をセンターライン(基準)として考え、その変化率を算出します。ROCの値には上限および下限がなく、上下の幅はセンターラインを基準として無限に大きくなったり小さくなったりします。

この他、チャートが上方向に推移するとROCもそれに伴って上昇し、反対にチャートが下方向に推移するとROCも下落するというように、基本的にはチャートの動きに連動して動くという特徴があります。

2.ROCの見方

2-1.買いサイン

ROCがセンターラインよりも上、つまりプラス圏内で動いているケースでは、指定した期間前の相場よりも上で推移している強気な状態であり、相場が買われている傾向だと判断できます。

このことを踏まえると、ROCのラインがゼロ(センターライン)を下から上に突き抜けた場合、買いサインであると捉えられます。センターラインよりも上の位置で上昇の動きが見られた場合は、上昇トレンドの継続を示唆します。

ROCがセンターラインからかなり離れた位置まで伸び、方向転換が発生した場合は、トレンド転換のポイントであり、押し目買いのポイントであると言えます。

この他、実際のチャートが下落トレンドを示しているにも関わらず、ROCが上昇傾向にある、ダイバージェンスが発生した場合にも、買いサインと判断することができます。特に、相場が天井圏もしくは底値圏において動いているケースでダイバージェンスが確認されると、トレンド転換の可能性がより高くなります。

2-2.売りサイン

買いサインと反対に、ROCがセンターラインよりも下、つまりマイナス圏内で動いているケースでは、指定した期間前の相場よりも下で推移している弱気な状態と見なせます。相場が売られている傾向にあると判断することができます。このことを踏まえると、ROCのラインがセンターラインを上から下に突き抜けた場合、売りサインであると捉えることができます。

また、センターラインよりも下の位置で下降の動きが見られた場合、下降トレンドの継続を示唆します。その後、買いサインと同様にROCが伸び続け、方向転換した場合は戻り売りのポイントとなります。

その他、実際のチャートが上昇トレンドを示しているにも関わらず、ROCが下降傾向にあるダイバージェンスが発生した場合にも、売りサインと判断することができます。こちらも買いサインと同様に、相場が天井圏もしくは底値圏において動いているケースでは、トレンド転換の可能性がより高くなります。

2-3.トレンドの勢い

ROCはラインの傾き(角度)が大きいほどトレンドの勢いが強く、反対に傾きが小さいほどトレンドの勢いが弱いと見ることができます。センターラインあたりで横ばいの動きを見せた場合は、相場に明確な方向性がないと判断することが可能です。

2-4.ROCを利用する際の注意点

ROCはセンターラインと交差するポイントで売買サインを見極められます。しかしこの現象は、トレンド発生の起点から一定時間過ぎた後に発生する場合があります。

つまり、トレンドが長く継続しなかった場合は売買サインが出てすぐにトレンドが終了するため、「ダマシ」となってしまうケースがあります。「ダマシ」とは、テクニカル分析で売買のサインが出たにも関わらず、相場が逆に動く現象を指します。

レンジ相場において、細かい上下トレンドを繰り返している場合などは、ダマシが頻繁に発生する傾向にあるため、注意しましょう。パラメータの値が小さければ小さいほど起こりやすくなります。より正確な判断を下すために移動平均線などのトレンド系インジケーターと組み合わせながら、パラメータの値を適切に設定することを心がけましょう。

3.ROCを使用したトレード手法

3-1.ROCの使い方

ROCをトレードに用いる際は、前述した売り買いのサインを利用して行います。

ROCの売買いサインには、いくつかあるものの、ここでは最も基本的な売買サインを用いたトレード手法について解説します。ROCの買いサインは、ROCのラインがゼロ(センターライン)を下から上に突き抜けたタイミングです。

また、売りのサインは、ROCのラインがセンターラインを上から下に突き抜けたタイミングです。

利益確定や損切は、ROCの傾きが小さくなったタイミングとなります。

3-2.任天堂チャートで解説

それでは、最後に実際任天堂(7974)のチャートを使って解説します。

任天堂日足チャート

上記は、任天堂の日足チャートです。全体的なトレンドとしてアップトレンドと判断し、買いのサインを探すこととします。

ROCの買いサインは、ROCのラインがセンターラインを下から上に突き抜けた場合です。以下の図のポイントとなります。

ROCの買いサイン

具体的なトレードの流れとして、まずエントリーポイントである、ROCのラインがセンターラインを下から上に突き抜けたタイミングを待ちます。この例では、最初の赤丸の部分が該当するためそのタイミグ、つまり5.947円当たりで買いサインが出たことになります。

次に利益確定をするタイミングは、ROCの傾きが弱くなった、左から二番目の赤丸のタイミングとなります。結果的に6,073円で利益確定ができ、一株当たり126円の利益となりました。

4.まとめ

ROCを利用したトレードは初心者の方にも使いやすく、トレードチャンスも比較的多いため、ディトレードにも活用できます。

トレンドフォローだけではなく、逆張りにも利用できるため、アクティブトレーダーにも使われています。興味を持った方は、利用の開始を検討してみてください。

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中島 翔

中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12