ソーシャルレンディングサービス「オーナーズブック(OwnersBook)」を運営しているロードスターインベストメンツ株式会社の親会社である株式会社ロードスターキャピタルが、2020年2月末に2019年12月期の決算を発表しました。
ロードスターキャピタルは、代表がゴールドマン・サックスグループで勤務経験があり、ボードメンバーも金融業界出身多数ということで金融のプロが多数在籍している上場会社です。
決算内容を紹介しながらオーナーズブックの現在と今後の目標について確認していきましょう。
目次
- ロードスターキャピタルの2019年度の通期実績
1-1.連結損益計算書
1-2.連結貸借対照表
1-3.不動産事業は好調に推移
1-4.OwnersBookは前年比71%の伸び - オーナーズブックの運営状況
2-1.オーナーズブックの会員数 - ロードスターキャピタルの2020年の事業予測
3-1.オーナーズブックは不動産投資事業以上に躍進する見込み
3-2.オーナーズブックの更なる案件の獲得のための方策 - オーナーズブックで不動産投資を始める
- まとめ
1.ロードスターキャピタルの2019年度の通期実績
まず、ロードスターキャピタルの2019年12月期の通期実績を確認してみましょう。
1-1.連結損益計算書
*ロードスターキャピタル株式会社「2019年12月期決算説明資料」より引用
連結損益計算書とは、グループ企業全体の経営状況を見ることのできる決算資料です。
ロードスターキャピタルの連結損益計算書をみると売上高は96億7,000万円から151億1,600万円と、前年同期比で156%以上に伸びていることが分かります。
そして、営業利益は23億9,200万円から36億5,300万円と、152%の伸び率、純利益は13億5,900万円から20億7,700万円と、152%以上の伸びを示しました。
ロードスターキャピタル社全体の業績は好調であることが連結損益計算書から分かってきます。
1-2.連結貸借対照表
*ロードスターキャピタル株式会社「2019年12月期決算説明資料」より引用
次に、連結貸借対照表を見て行きましょう。連結貸借対照表は、グループ企業全体の資産、負債、純資産の状態を表す資料です。
連結貸借対照表上の数値を見ても、流動資産が33億円弱から44億円以上に大きく増加しています。
また、この中で注目したいのが匿名組合出資預り金です。この金額はソーシャルレンディング業務を運用するに当たって投資家から預かっている資金の額を指します。
この金額が6億3,580万円から7億220万円と、110%の伸び率となっています。ソーシャルレンディング事業が会社の業績に貢献していることがわかります。
1-3.不動産事業は好調に推移
次に、ロードスターキャピタルの不動産開発や販売事業について見て行きましょう。
*ロードスターキャピタル株式会社「2019年12月期決算説明資料」より引用
不動産の賃貸部門と不動産投資事業では、特に投資事業の伸びが大きいことがわかります。
投資事業は57%の伸びを示し、賃貸事業も14%と堅調に推移しています。現在の都内の不動産価格は値上がりの傾向にあり、特に都心23区内の物件においてその傾向は顕著です。
ロードスターキャピタルは東京都心のテナントビルやオフィスビルの運用によって業績を順調に伸ばしていると考えられます。
1-4.オーナーズブックは前年比71%の伸び
ソーシャルレンディング投資家の方が特に気になるのは、OwnersBookの現在の状況ではないでしょうか。
OwnersBookの状況についても、決算資料中で公開されています。
クラウドファンディング事業、つまり、オーナーズブックの売上高は、2018年12月期と比べて2億2,000万円から3億7,800万円と、71%の伸びです。
2.OwnersBookの運営状況
ロードスターキャピタル全体の業績が好調だとわかったところで、今後のオーナーズブックの運営状況をクローズアップしてみましょう。
2-1.オーナーズブックの会員数
*ロードスターキャピタル株式会社「2019年12月期決算説明資料」より引用
2019年末のOwnersBookの会員数は22,895人で、2018年末と比べて約1.5倍に増加しています。累積募集金額も157億円を突破し、2018年12月と比べれば約70億円増えました。
これらの数値から、ロードスターキャピタルにとってオーナーズブックは、不動産投資や不動産賃貸部門以上に大きな伸び率を示しており、同社にとって欠かせない収益部門の1つになっていることがわかります。
3.2020年のロードスターキャピタルの事業予測
不動産投資、賃貸事業、そしてOwnersBookが好調であるロードスターキャピタルですが、決算資料の中ではOwnersBookの今後の見通しについても触れられています。
その内容を確認していきましょう。
3-1.オーナーズブックは不動産投資事業以上に躍進する見込み
OwnersBookの2020年12月期の見通しとして、資料中に以下のような見解を示しています。
貸付型については、投資家需要は強く、大型案件の取り扱いも増えており、引き続き案件獲得に注力する。エクイティ投資型については、国内案件・海外案件問わず、案件の多様化とブラッシュアップを図る。
現在のオーナーズブックの案件は、数億円規模の案件が募集開始の直後から一瞬で募集金額の上限に到達してしまうことがあり、投資家の需要に対して案件の供給が不足している面もあります。
1案件に対して募集金額の400%が集まるケースがあります。一方、投資案件が安定して供給されるようになれば、OwnersBookの売り上げはまだ伸びしろがあるとも見ることが出来ます。
ロードスターキャピタル全体では、これらの予測を含めて今後10%程度の売上の増加を見込んでいます。
3-2.オーナーズブックの更なる案件の獲得のための方策
*ロードスターキャピタル株式会社「2019年12月期決算説明資料」より引用
発表された決算資料中では、今後のオーナーズブック拡大のための施策として様々な金融機関との提携が発表されました。
そのうちの一つに、松井証券による会員獲得とエクイティ型投資の案件組成のため、海外企業であるFundrise社と提携することが発表されました。
そして、貸付型案件組成のために大手金融機関との提携で、更なる案件の獲得を行うとしています。
下記は提携先となる主な大手金融機関です。
- 西武信用金庫
- オリックス銀行
- セゾンファンデックス
- 新生インベストメント&ファイナンス
- イオン銀行
4.オーナーズブックで不動産投資を始める
オーナーズブックは、不動産案件特化型のソーシャルレンディングサービスです。
オーナーズブックに掲載されている投資案件は、返済金額をカバーできる可能性が高い不動産を担保に設定されており、返済リスクを軽減しています。
しかし、先に触れたように応募数に対して投資案件の供給数が少ない点はデメリットと言えるでしょう。オーナーズブックで投資を検討する際は事前に登録を行い、募集案件が出るタイミングを見計らいましょう。
また、オーナーズブックについて詳しく知りたい方は下記の記事もご参考下さい。
【関連記事】オーナーズブック(OwnersBook)の評判・口コミ・口座開設
まとめ
ロードスターキャピタルの2019年12月度の決算発表は、業績が好調であることを示しました。
特にオーナーズブック事業の売上高が前年比で70%以上、会員数や累計募集金額の実績値も大変順調な伸びを見せています。
さらには、それだけの伸びがありながらも、投資家の需要に対して案件の供給が追いついていない状況であることが明らかにされました。今後は、新型コロナウイルスが早期に収束し、潤沢に案件が供給されることとなれば、さらに伸び率は上昇がする可能性もあるでしょう。
しかし、オーナーズブックは元本保証のないリスクのある投資方法です。実際に投資を行う際には決算情報だけで盲信せず、個別の案件を見極め、資産を分散して投資をすることも大切です。
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