オーナーズブックの事業状況は?2020年12月期決算資料を解説

オーナーズブック(OwnersBook)は、東証マザーズ上場企業ロードスターキャピタルの100%子会社であるロードスターインベストメンツ株式会社が運営するソーシャルレンディングです。累計200億円以上の募集実績(2021年3月末時点)があり、日本のソーシャルレンディングの中でも人気の高いサービスの一つと言えるでしょう。

比較的に新しい投資方法であるソーシャルレンディングでは、事業者が適切な運営状況であるかどうかという点も、投資判断を行ううえで重要なポイントとなります。決算情報から、運営元の業績や今後の展開を詳しく確認してみましょう。

本記事では、オーナーズブックの事業状況に関して、ロードスターキャピタル株式会社の業績について説明していきます。オーナーズブックでの投資を検討している方はご参考下さい。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. ロードスターキャピタルの2020年12月期の決算
    1-1.連結損益計算書
    1-2.連結貸借対照表
    1-3.不動産事業の実績
    1-4.オーナーズブック(OwnersBook)の実績
  2. オーナーズブック(OwnersBook)の運営状況
  3. まとめ

1.ロードスターキャピタルの2020年12月期の決算

オーナーズブックロードスターキャピタル株式会社は、2021年2月12日に2020年12月期決算を発表しました。

連結ベースでは数字を大きく伸ばしており、前年比で売上高は+12%、税引前当期純利益+30%、当期純利益+30%です。コロナ渦において、クラウドファンディング事業の売上高は微減となりましたが、全体では売上高・利益は2桁成長となっています。

コーポレートファンディング事業(不動産投資・管理運用)はコロナの影響はほとんどなく売上高は前年比+16%、クラウドファンディング事業(OwnersBook)はコロナの影響を受けますが売上高は前年比▲9%でとどまっています。

ここでは、ロードスターキャピタル2020年12月期の連結損益計算書・貸借対照表の主要数字について見ていきましょう。

出典:ロードスターキャピタル株式会社「2020年12月期決算説明資料

1-1.連結損益計算書

2020年12月期のロードスターキャピタルの売上高や利益は以下のとおりです。

売上高や利益は前年比で2桁成長となっています。

コーポレートファンディング事業は新型コロナウイルス感染症の影響が見られず、売上高は前年比+16%です。OwnersBookを運営するクラウドファンディング事業はコロナに伴う緊急融資制度によって資金需要が一時的に停滞した結果、売上高は前年比▲9%となっています。

ロードスターキャピタルの過去5年間の売上高・純利益の推移は次のとおりです。

  • 2016年12月期:売上高46億5,900万円 純利益4億6,800万円
  • 2017年12月期:売上高87億9,400万円 純利益7億9,400万円
  • 2018年12月期:売上高96億7,000万円 純利益13億5,900万円
  • 2019年12月期:売上高151億1,600万円 純利益20億7,700万円
  • 2020年12月期:売上高169億7,900万円 純利益27億円

※出典:ロードスターキャピタル株式会社「有価証券報告書-第9期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

過去の推移を見てみると、売上高・純利益ともに増加傾向にあると言えるでしょう。

1-2.連結貸借対照表

ロードスターキャピタルの連結貸借対照表における、主要数字は以下のとおりです。

販売用不動産の増加は、評価額が高い物件を保有しているためです。クラウドファンディング事業はコロナの影響を受け、匿名組合出資預り金は前期末比で10%超減の減少となっています。また、自己資本比率15.04%、自己資本利益率34.82%と一定の水準を維持しています。

1-3.不動産事業の実績

ロードスターキャピタルには「コーポレートファンディング事業」という、自己資金を用いた物件への投資・管理運用の事業領域があります。コーポレートファンディング事業では、不動産取引がやや停滞する中でも売却が計画通りに進んだと発表されています。

第2四半期に創業以来最大となる8物件の仕入れを実現できたことから、同期以降の収益に大きく寄与していることが分かります。過去の推移を見ても、コーポレートファンディング事業の売上高は以下のとおり増加傾向にあります。

  • 2017年:77億6,200万円
  • 2018年:82億1,400万円
  • 2019年:129億1,900万円
  • 2020年:145億7,100万円

また、利益率も向上しています。連結売上高に占める不動産投資事業売上高の割合は85.8%、不動産賃貸事業は11.7%です。

1-4.オーナーズブック(OwnersBook)の実績

オーナーズブックのクラウドファンディング事業については、コロナの影響で不動産取引がやや停滞したことや緊急融資制度の影響で資金需要の落ち込みがあったことから、売上高は前年比▲9%となりました。

ただし、連結売上高に占めるクラウドファンディング事業売上高の割合は2.0%です。まだロードスターキャピタル全体の割合においてはオーナーズブックの売上は少なく、事業者リスクを考慮するのであれば、ロードスタキャピタルの主事業は堅実に推移しているとも言えます。

2.オーナーズブック(OwnersBook)の運営状況

オーナーズブックは、投資家会員の増加が続いており、累計投資金額は200億円を突破しました。

投資家会員増加による案件の大型化や抽選案件の実装、海外案件の組成など特徴的な案件が多く、数億円の資金が数分で集まることもあります。

成長度を測る指標の1つである会員数は、2016年1,758人から2020年12月期時点では24,047人と増加傾向にあります。2020年はコロナの影響で新規案件の組成が限定的で新規投資家会員の募集を調整した背景がありつつも、前年比+5.0%と会員数は伸びています。

まとめ

ロードスターキャピタル株式会社の業績は、コロナ渦においても、売上高や利益は増加傾向にあり、好調であると言えるでしょう。オーナーズブックのクラウドファンディング事業は、コロナの影響を受け売上が前年比▲9%となりましたが、新規会員数は前年比+5%増えています。

また、ロードスターキャピタル全体の売上割合から見ると、クラウドファンディング事業の売上は大きくありません。倒産や不払いなどの事業者リスクを勘案する際は、他の事業にも目を向け、企業全体の経営状況にも着目すると良いでしょう。

オーナーズブックへの投資を検討している方は、ここで紹介した内容を参考にしてみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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