大家どっとこむ、買取保証付き案件の仕組みは?注意点やリスクも

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不動産投資型クラウドファンディングの「大家どっとこむ」が提供するファンドのなかには「買取保証」がついたものがあります。買取保証付きの案件はいったいどのような内容になっているのか気になる方も少なくないのではないでしょうか?

今回は大家どっとこむの買取保証付き案件の仕組みとともに、メリットやデメリットについても紹介します。大家どっとこむでの投資を検討していた方は参考にしてください。

目次

  1. 大家どっとこむの特徴
  2. 大家どっとこむの買取保証付き案件とは
    2-1.大家どっとこむの買付保証の仕組み
    2-2.株式会社日本保証の概要
    2-3.買取保証の割合は案件ごとに異なる
    2-4.買取保証が実施されない場合もある
    2-5.買取保証とデフォルトリスク
    2-6.すべてのファンドに買取保証が付いているわけではない
  3. まとめ

1.大家どっとこむの特徴

大家どっとこむ大家どっとこむは株式会社グローベルスが運営する不動産型クラウドファンディングサービスです。株式会社グローベルスは東証二部上場企業である株式会社プロスペクトの関連会社で、創業から20年以上不動産投資事業を展開してきた不動産企業です。

大家どっとこむの各ファンドの想定利回りは3.8%から7.0%となっています。他の不動産クラウドファンディングでの平均的な予定分配率が4%前後であることを考えると、やや高い水準となっています。

また、運営会社である株式会社グローベルスの親会社である株式会社プロスペクトの株主優待を利用することで、予定分配率を1%アップさせることができます。(2021年8月時点)

その他、運用中でも出資持分の現金化ができるという点も大家どっとこむの大きな特徴です。STOスキームというシステムを導入しており、急に現金が必要になった場合でも柔軟に対応することができたり、持分を他社に譲渡したりすることができます。

2.大家どっとこむの買取保証付き案件とは

大家どっとこむでは、これまでにさまざまなファンドが提供されていますが、そのなかには株式会社日本保証による買取保証が付いたものがあります。買取保証付き案件がどのような仕組みのものなのか紹介していきます。

2-1.大家どっとこむの買付保証の仕組み

大家どっとこむでの買取保証とは、投資対象物件の売却時において、ファンド募集時に想定していた売却価格で売却できない場合に、日本保証が買取を行うという仕組みです。

大家どっとこむにおける分配金の原資は、運用期間中の入居者からの家賃収入と対象物件の売却による売却益です。つまり、買取保証があることで分配金が支払われる可能性が高くなり、投資家は元本毀損のリスクを軽減することができます。

大家どっとこむの買取保証付きファンドでは、投資申し込みの開始前に日本保証と買取保証契約を締結します。大家どっとこむと日本保証との間に交わされるのは、あくまでも対象不動産に対しての買取保証契約であり、投資家と大家どっとこむが交わす匿名組合出資に対する買取保証ではありません。

出資法によって元本保証は禁止されていますが、大家どっとこむの買取保証は元本保証には当たらないものとなります。

2-2.株式会社日本保証の概要

大家どっとこむでのファンドで買取保証を行う株式会社日本保証の概要は以下の通りです。

商号 株式会社日本保証
本店所在地 東京都港区虎ノ門1丁目7-12
代表者 熱田 龍一
設立年月日 1970年3月17日
主な事業 信用保証事業、不動産事業、貸金事業
登録番号 関東財務局(13)第01509号
免許番号 宅地建物取引業免許 東京都知事(1)第99708号
資本金 1億500万円
URL https://www.nihon-hoshou.co.jp/

日本保証は保証事業をメインビジネスとしており、銀行・信用金庫などと連携して、金融機関が提供する個人向け・法人向けローンの債務を保証する事業をメインに展開しています。

また、消費者金融として不動産を担保にした融資を扱ってきた経緯があり、「不動産評価に対する専門的な知識・技術」に関するサポートができるのが同社の特徴です。最近では、クラウドファンディング事業者と提携して、資金需要者に対する保証を提供しており、金融機関・資金需要者・投資家の三方にメリットをもたらすサービスとなっています。

2-3.買取保証の割合は案件ごとに異なる

大家どっとこむの買取保証の割合は案件ごとに異なります。大家どっとこむで提供されている買取保証が付いた実際のファンドを見てみましょう。

ファンド名 区分マンション×日本保証買取保証付き #9
物件概要 ライオンズマンション綱島南
投資対象 区分マンション
所在地 神奈川県横浜市港北区樽町2-12-35
募集金額(優先出資額) 1,800万円
劣後出資額 60万円
買取保証額 1,700万円

このファンドでは、募集金額1,800万円、劣後出資額60万円、合計1,860万円にて対象マンションを購入・運用することに対し、物件売却時の買取保証額は1,700万円となっています。

また、他のファンドでは以下のようになっています。

ファンド名 グローベルIOT新築アパート×日本保証買取保証付き #8(プロスペクト株主還元物件)
物件概要 グローベルメゾン綾瀬
投資対象 収益アパート
所在地 東京都葛飾区西亀有2-7-14
募集金額(優先出資額) 9,000万円
劣後出資額 6,750万円
買取保証額 7,000万円

このファンドでは、募集金額9,000万円、劣後出資額6,750万円、合計1億5,750万円に対して、買取保証額は7,000万円となっています。

ファンドによって出資額に対する買取保証額の割合が異なりますので、投資判断を下す際は慎重に検討するようにしましょう。

2-4.買取保証が実施されない場合もある

大家どっとこむで提供されている買取保証付きファンドですが、場合によっては買取保証が実施されない場合があるので注意が必要です。

各ファンドの概要欄には「対象不動産が天災地変等により価値の消滅、毀損もしくは減耗等が生じた場合には、買取保証契約の履行が不可能となる場合がある」と記されています。

「天災地変」とは自然界で発生するさまざまな災いのことで、暴風・地震・落雷・洪水などの災害のことを指します。

つまり、地震や台風、洪水などの自然災害により、対象不動産の価値がなくなったり、壊されたり、減ってしまったりした場合は、買取保証を行わないことがあるということになります。

不動産投資型クラウドファンディングは、実物不動産を運用対象としています。自然災害リスクは、大家どっとこむの買取保証ファンドについても関係する重要なリスクとなっています。

2-5.買取保証とデフォルトリスク

ファンドの付与されている買取保証は大家どっとこむが通常通りの運用を行い、物件を売却する際に想定額に届かない場合に日本保証が買取を行います。しかし、案件の損害が大きく日本保証が保有する資金の支払能力を超えてしまった場合、買取保証は実施されなくなり、出資元本も欠損することになります。

大家どっとこむでは、優先劣後方式による出資や買取保証など、投資リスクを軽減するための方策が講じられていますが、いずれの場合も出資元本が必ず守られるということではありません。

劣後出資額を超える損失が発生した場合や、合計出資額と買取保証額に差がある場合では、投資家の出資元本が影響を受けることになります。リスクを軽減することはできても、皆無にするわけではないということを理解しておきましょう。

2-6.すべてのファンドに買取保証が付いているわけではない

今回紹介した買取保証は、大家どっとこむのすべてのファンドに設定されているわけではありません。そのため、大家どっとこむを利用して投資を行う場合、各ファンドのリスク軽減策についてしっかりと確認することが大切です。

また、大家どっとこむで提供されているファンドの多くは、配当原資の大部分に売却益が充当されています。不動産売却による売却益は見込み通りにならないことがあり、場合によっては想定を大きく下回る金額で売却せざるを得ない場合もあります。

買取保証が付いているファンドではリスクを軽減できるものの、売却状況によっては投資家の配当額が大きく下がる可能性があるので注意しましょう。

まとめ

今回は大家どっとこむの買取保証付き案件の仕組みについて紹介しました。

買取保証が付いているファンドでは、投資対象物件の売却額が想定を下回った場合、株式会社日本保証が買取を保証するというものです。これにより、投資家はよりリスクの少ない投資が可能になります。

ただし、元本が保証されるわけではないことや、100%の保証ではないということを理解しておく必要があります。投資の是非については、保証付きの有無に加えてその他の条件についても比較し、慎重に判断することが大切です。

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山本 将弘

フリーランスWebライター。主に株式投資や投資信託の記事を執筆。それぞれのテーマに対して、できるだけわかりやすく解説することをモットーとしている。将来に備えとリスクヘッジのために、株式・不動産など「投資」に関する知識や情報の収集、実践に奮闘中。