大家どっとこむは株式会社グローベルスが運営する不動産投資型クラウドファンディングです。1万円からの少額資金での投資が可能なうえ、STOスキームを活用して流動性を高めるなど、他社にはない特徴的なサービスとなっています。
しかし、投資対象としてみた時に、他社の投資型クラウドファンディングと比較してどのようなメリット・デメリットがあるのか気になる方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、大家どっとこむの特徴や他社と比較、メリットやデメリットを解説していきます。大家どっとこむの投資を検討している方はご参考下さい。
目次
- 大家どっとこむの特徴
1-1.運営会社は東証スタンダード上場企業の子会社
1-2.STOスキームで運用中の他者譲渡が可能
1-3.運営会社の株主優待を利用した予定分配率のアップが可能
1-4.劣後出資割合が高い
1-5.1万円から投資できる
1-6.運用対象は東京23区内のマンション中心
1-7.買取保証付き案件がある - 大家どっとこむのメリット
2-1.株主優待で高めの予定分配率を確保できる
2-2.劣後出資割合が高いので資産を損失する可能性が低い
2-3.日本保証の買取保証付き案件は元本の損失が起こりにくい
2-4.運用中でも出資持分の現金化が可能 - 大家どっとこむのデメリット
3-1.配当は売却益中心に行われる
3-2.買取保証は100%のものではない - まとめ
1.大家どっとこむの特徴
「大家どっとこむ」は株式会社グローベルスが運営する不動産クラウドファンディングのプラットフォームです。グローベルスは、東証スタンダード市場上場企業「Jトラスト株式会社」の子会社で、創業から20年以上不動産投資に関わってきた不動産の専門企業です。
以下、大家どっとこむならではの特徴を取り上げて見て行きましょう。
1-1.運営会社は東証スタンダード上場企業の子会社
大家どっとこむの運営会社は東証スタンダード市場上場企業「Jトラスト株式会社」の子会社で、株式会社グローベルスという不動産会社です。上場企業の関連会社が運営しているため、運営元に一定の資本力やコンプライアンス遵守意識を期待できます。
1-2.STOスキームで運用中の他者譲渡が可能
大家どっとこむの大きな特徴の一つに、運用途中でも出資持分の譲渡が可能である点が挙げられます。
セキュリティトークンを用いることでシステム的に、他者に自分の出資持分を譲渡することができます。これにより、案件が運用中でも出資金を現金化することが可能となっています。
1-3.劣後出資割合が高い
不動産投資型クラウドファンディングでは、投資家の資産保護のために不動産購入資金を投資家の優先出資分、運営不動産会社の劣後出資分に分けて管理しているケースがあります。
優先劣後出資を設定している案件では、売却で損失が発生した時には劣後出資分から損失が計上されるため、劣後出資割合が高いほど投資家の資産は損失が起こりにくくなります。
大家どっとこむの5号案件は、劣後出資割合は70%という高い水準に設定されてます。約1億5,000万円のマンション物件に対し、1億700万円を大家どっとこむが劣後出資し、投資家は4,500万円を出資しています。
大家どっとこむの5号案件では、優先劣後構造により1億700万円以上の損失が発生しない限り投資家元本の毀損がおきないように設定されていることが分かります。ただし、株式会社グローベルスが倒産するなどで支払い能力を失ってしまったなどのケースでは担保されない可能性がある点に注意しましょう。
1-4.1万円から投資できる
大家どっとこむは1万円からの投資が可能で、あまり投資資金がない人でも少額から投資を始めやすくなっています。
現物不動産を運用する不動産投資では、金融機関の融資を利用する場合でもローンの頭金や仲介手数料、不動産登記費用などの初期費用が発生します。
これらの費用発生もなく、1万円から間接的に不動産投資ができる点は、不動産投資型クラウドファンディングの大きなメリットと言えるでしょう。
1-5.運用対象は東京23区内のマンション中心
大家どっとこむの運用対象物件は、東京23区内のマンション中心です。23区内のマンションは空室リスクが低く、家賃収入を確保しやすい投資対象と言えます。
個人投資家では資金不足で購入できなかった好立地の物件でも、クラウドファンディングを通じて間接的に投資することが可能となっています。
1-6.買取保証付き案件がある
大家どっとこむの案件の中には、株式会社日本保証による買取保証付案件があります。このような保証付き案件では、不動産が売れないときに日本保証が買い取ってくれるという保証が付いています。
ただし、買取保証付案件であっても買取価格まで保証されているわけではない点に注意が必要です。
2.大家どっとこむのメリット
それでは、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと比較しながら大家どっとこむのメリットを見ていきましょう。
2-1.株主優待で高めの予定分配率を確保できる
大家どっとこむの利回りは、年利4%から7%となっています。他の不動産投資型クラウドファンディングサイトの平均的な予定分配率は4%前後ですから、やや高い水準です。
そこに株式会社プロスペクトの株主優待を使うことができれば、さらに+1%の予定分配率をアップできます。
大家どっとこむは、高めの予定分配率を確保できる不動産投資型クラウドファンディングサイトと言えます。
2-2.劣後出資割合が高いので資産を損失する可能性が低い
大家どっとこむでは、最大で70%前後の劣後出資がついている案件を取り扱っています。
他の不動産投資型クラウドファンディングと比較してみると、劣後出資の割合は10%~30%程度に設定されているものが多く、大家どっとこむの70%という劣後出資割合は、高い数値であることが分かります。
2-3.日本保証の買取保証付き案件は元本の損失が起こりにくい
日本保証の買取保証付案件があるため、売却時にも現金化できる可能性が高くなっています。
不動産は投資額が大きくなるほど購入者が限られ、流動性が低くなる特徴があります。案件の運用を終了したものの、なかなか不動産の買取先が見つからず、投資家に元本の返済ができないという事態が起きるケースがあります。
大家どっとこむでは買取保証付きの案件を設けることで、不動産売却に苦戦してしまう事態を起こりにくくなるようにしています。
2-4.運用中でも出資持分の現金化が可能
また大家どっとこむでは、STOスキームを用いた出資持分の現金化が可能となっています。
運用期間中に早めの現金化がしたいという時、また生活のためにお金が必要になった時など、現金が必要となる局面に、大家どっとこむであればSTOスキームにより持分譲渡で出資分をすぐに現金化できる可能性があります。
3.大家どっとこむのデメリット
メリットだけではなく、大家どっとこむのデメリットも把握しておきましょう。それぞれ詳しく解説していきます。
3-1.配当は売却益中心に行われる
大家どっとこむの5号案件を見ると、投資家の配当の原資は家賃収入ではなく売却益によるものとなっています。売却に失敗してしまうと、投資家への配当が満足に行われない可能性があります。
賃貸契約により定期収入が見込みやすい賃料収入と異なり、不動産売却による売却益は見込みを大きく外してしまう可能性の高い収益モデルです。売却益で配当を行う案件では、想定の価格で売却できないケースで投資家への配当が大きく下がる可能性もあります。
3-2.買取保証は100%のものではない
大家どっとこむで設定されている株式会社日本保証の保証は、「売れなかった場合に日本保証が買取をしてくれる」という内容の保証であり、売却価格の保証ではないことも気をつけておきましょう。
また自然災害による物件の大きな毀損などが起これば、買取価格は当初の価格より下がったり、契約が不履行になる可能性もあります。保証付きの案件であっても元本保証がされているわけではない点に注意が必要です。
まとめ
大家どっとこむは、劣後出資割合の高さや買取保証付き案件など投資家の損失が起こりにくくなるような工夫を多々行っています。また、利回りも株主優待を使って高めることができたり、他社では行っていないSTOスキームによる出資持分の譲渡など、独自性のある取り組みを行っています。
投資家への配当の可能性を高めるとともに、斬新な取り組みも行うという二つの方向性において、大家どっとこむは他社にはない特徴を持った不動産投資型クラウドファンディングであると言えるでしょう。
ただし、優先劣後割合は案件ごとに異なり、買取保証付き案件でも元本保証がされているわけではない点には注意が必要です。投資を検討する際は、案件ごとのリスクとリターンのバランスを取りながら、慎重に検討してみると良いでしょう。
HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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