ソーシャルレンディングでマイクロファイナンス融資に投資するメリットとリスクとは?

ソーシャルレンディング投資案件の内容を見ていると、「マイクロファイナンス融資」という言葉を時々見かけます。

特に海外案件を専門に取り扱うクラウドクレジットでは、ペルーやカンボジア、ジョージアなどの発展途上国に対するマイクロファイナンス融資案件を積極的に展開しています。

このマイクロファイナンス案件は、投資家にとってメリットがある投資なのでしょうか。それとも、リスクが大きい案件なのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

目次

  1. マイクロファイナンス機関とは
  2. マイクロファイナンス機関への融資を行っている会社は?
    2-1.クラウドクレジット
    2-2.SBIソーシャルレンディング
    2-3.クラウドバンク
    2-4.ネクストシフトファンド
  3. マイクロファイナンス機関融資のメリット
  4. マイクロファイナンス機関融資のリスク
  5. まとめ

1 マイクロファイナンス機関とは

マイクロファイナンスとは、小口融資を直訳した言葉です。具体的な融資内容としては発展途上国を中心に、融資を受ける能力のない貧しい個人を対象にしたものとなっています。なかなか融資が受けられない個人が複数人集まって互いに連帯保証人になり、マイクロファイナンス機関がリスクヘッジを行った上で融資を行います。融資を受けた個人は、小規模ながらでも事業の展開が可能になるのです。

マイクロファイナンスで融資を行う機関は、単なる寄付ではなく、利益を求めることも可能です。単なる寄付では返済意欲がなくなり、事業が発展しないというデメリットがあるからです。敢えて返済の義務を設けることで独立への意欲を育み、途上国の全体的な経済の発展を支援していくシステムとなっています。

マイクロファイナンス機関として最も有名なのは、1983年に設立されたバングラディシュのグラミン銀行です。グラミン銀行はマイクロファイナンスを展開したことにより、ノーベル平和賞を受賞しています。発展途上国の人間にとってマイクロファイナンス機関による融資は、経済的自立の大きな手助けになっているのです。

2 マイクロファイナンス機関への融資を行っている会社は?

マイクロファイナンスへの融資を行っているソーシャルレンディング会社、日本で該当するのは果たして何社でしょうか。

2-1 クラウドクレジット

クラウドクレジット最も積極的にマイクロファイナンスファンドを展開しているのは、クラウドクレジットです。同社では以下のようなマイクロファイナンス融資案件を組成し、投資家に提供しています。

  • ペルー協同組合支援ファンド
  • メキシコ女性起業家支援ファンド
  • ペルーマイクロファイナンス支援ファンド
  • ニカラグア金融事業者支援ファンド
  • ペルー金融事業者支援ファンド

主に中南米の国々へのマイクロファイナンスがメインであり、現地に在駐する社員がマイクロファイナンスに関するブログを執筆しています。マイクロファイナンスへの理解を深め、投資してもらおうという動きが見られるのです。

2017年末にクラウドクレジットがテレビ番組に登場した際にも、ペルーでマイクロファイナンスファンドの融資や回収を行う様子が放映されました。日本のソーシャルレンディング業界でマイクロファイナンスといえば、まず、クラウドクレジットを思いつくのではないでしょうか。

2-2.SBIソーシャルレンディング

業界大手のSBIソーシャルレンディングでも、マイクロファイナンスの融資を行っています。主にカンボジアからの留学生に対する融資であり、日本国内で就労に必要な技能を身につけるために来日した若者に対し、ファンドを介して融資を行っています。

留学生は学んだ技能により得られた賃金を元に、帰国後は投資家に返済することになっています。
その利回りは10%と、SBIソーシャルレンディングの他の案件と比べても高めになっています。

2-3 クラウドバンク

国内3番目の募集規模を誇るクラウドバンクでも、かつては発展途上国に対する支援ファンドを組成していました。

https://crowdbank.jp/funds/microfinance/A00000011

対象としてはカンボジアです。ただし、最近では募集されておらず、元々の案件の数も多くありません。クラウドバンクでマイクロファイナンス投資を希望する場合は、同社から今後の予定について尋ねつつ、しばらく待つしかないでしょう。

2-4 ネクストシフトファンド

鳥取県に本拠地を持つ新興のソーシャルレンディング会社、ネクストシフトファンドでもマイクロファイナンス案件を組成しています。

https://nextshiftfund.jp/#top-latest-fund-list

投資対象はカンボジアやジョージアとなっており、他のソーシャルレンディング会社と似た融資対象となっています。利回りは7%と、ソーシャルレンディング案件の中では平均的な数字です。募集実績もそれほど多くありません。

そもそも、国内で海外投資案件を扱っているソーシャルレンディング会社自体が、それほど多くないのです。逆に言えば、海外投資案件を扱っている大抵の会社は、マイクロファイナンス案件にも関わっていると言えます。

クラウドクレジットは、案件の数で他の会社を圧倒しています。2018年9月にクラウドクレジットは、ソーシャルレンディング業界初となるテレビCMで『社会的インパクト投資』と銘打ち、マイクロファイナンス融資についてアピールしました。

ネクストシフトファンドも社会的インパクト投資という言葉を使っていますが、『投資を通じた社会貢献を』という狙いがあったように思います。

3 マイクロファイナンス機関融資のメリット

マイクロファイナンス融資案件の具体的なメリットには、どんなものがあるのでしょうか。

一つは、先に書いたように社会貢献ができる投資だということです。単なる寄付では、融資を受けた者が独立の意義を見いだせません。しかし、返済義務を設けることで自立を促せば、経済的な自立を果たせるようになります。本当に意味のある発展途上国への支援として、マイクロファイナンス投資に価値を見出す人もいるでしょう。

利回りの数字を見ても、一般的なソーシャルレンディング案件と比較してそれほど低いものではありません。確かに、クラウドクレジットでは利回り2.5%と低い案件もありますが、利回り7%を期待できる案件もあります。

利益を得ながらソーシャルレンディング投資ができる点に、メリットを感じる人は多いでしょう。

4.マイクロファイナンス機関融資のリスク

一方で、マイクロファイナンス案件のリスクは確実に存在します。担保が設定されない点です。

マイクロファイナンス案件では融資を受ける人間に資産がないことが多いため、担保が設定されていません。そのため、貸し倒れが起きた時に回収できる可能性が低いのです。
基本的にマイクロファイナンス案件はリスクをカバーするため、複数人のグループで連帯保証を組ませた上での融資が目立っています。返済できない人間が出てきた場合、グループの他の連帯保証人が代わりに返済するのです。

ただ、「このような連帯保証制度こそ、融資を受ける際の足かせになっている」との見方もあり、今後のマイクロファイナンス融資の行方は不透明だと言えます。
一方、クラウドクレジットは、『マイクロファイナンスの貸し倒れ率は2.5%と低い数字である』と自社のブログで紹介しています。

MixMarketというマイクロファイナンス機関のデータベースによると、マイクロファイナンス機関の平均年間貸倒率は2.5%程度と極めて低い状況です(ただし、世界中すべてのマイクロファイナンス機関がMixMarketに登録されているわけではありませんので注意が必要です)。

実際にクラウドクレジット案件の中で貸し倒れが起きているのは、マイクロファイナンス案件ではなく、カメルーン案件や欧州の個人向け融資などが中心です。ただ、返済が滞っているものもあり、リスクは決して無視できません。

基本的には多くの個人に融資することでリスクの分散を行い、貸し倒れが起きても最終的に利益が出るような仕組みを形成しています。

まとめ

マイクロファイナンス案件は、社会貢献と投資を両立させた特徴を兼ね備えています。一方で、担保や保証がないリスクが存在するため、収益を第一に考える投資家であれば、投資対象として躊躇してしまう側面があります。

投資を行う際の直接的なメリットはあまり大きくないですが、「間接的であっても発展途上国を支援したい」と考えている人には大きな意味を持つでしょう。また、『ソーシャルレンディング業界の社会的なイメージアップ』という意味合いも含まれます。

ソーシャルレンディングがより多くの人に投資先として選ばれ、社会的認知を高める意味でマイクロファイナンス案件は大きな意義を持つ投資と言えるでしょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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