松井証券のIPO取引は、抽選参加時の資金準備は不要で、70%が完全平等抽選方式なので初参加の方でもIPO株を購入できるチャンスがあります。しかし、高倍率のIPO抽選を突破するためには、IPOの仕組みや各証券会社の取扱実績をよく知ることが大切なほか、申込方法を工夫したり、実際の評判を確認したりすることも重要です。
この記事では、松井証券のIPO取引の評判や実績、当選確率を上げるポイントについて詳しくご紹介します。松井証券のIPO取引について詳しく知りたい方、初心者でIPO取引を始めてみたい方は、参考にしてみてください。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2022年5月7日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。
目次
- 松井証券のIPO取引とは
1-1.抽選参加時の資金が不要
1-2.配分予定数量全体の70%が完全平等抽選
1-3.NISA口座でIPO銘柄を購入できる
1-4.IPO取引で負担する手数料コストも少ない - 松井証券のIPOの実績
2-1.松井証券のIPOの年間取扱銘柄数
2-2.松井証券の主幹事会社経験 - 松井証券のIPOの評判
- 松井証券でIPOの当選確率を上げる方法
4-1.家族単位で申込をする
4-2.複数口座でIPOの抽選申込を行う - まとめ
1 松井証券のIPO取引とは
IPOとは、上場していなかった企業が新たに証券市場に上場することで、個人投資家でも自由に株式を売買できるようになります。未上場企業の株式は、期待値や注目度が高く、初値が付いた後で売却すれば利益を得られるケースが多いのが特徴です。
IPO取引は、抽選に参加して当選した後、IPO銘柄を購入するという仕組みとなっており、抽選は、公募、売出し価額以上で需要申告(ブックビルディング)をした方を対象に行われます。
ブックビルティングとは、「IPO株を何円以上で何株買いたいか」を申告する手続きです。新規株式発行や売出しの際、最初に機関投資家の意見を参考として仮条件(例:1,100円〜1,200円等)が決定され、その条件で需要がどのくらいあるのかについて、個人投資家の需要申告をもとにIPO銘柄の発行額や売出し額が決定される仕組みとなっています。
1-1 抽選参加時に資金準備は不要
松井証券でIPO取引を行う場合、抽選に当選した後、IPO銘柄の購入申込をする時点で入金すればいいので、資金拘束がありません。
証券会社によっては、IPO銘柄購入のための抽選に参加する時点で、事前資金の準備を求められる場合があります。この場合、事前に一定額の資金を口座内に準備できなければ抽選自体に参加できないため、資金拘束のない松井証券のIPO取引は、誰でも参加しやすい仕組みとなっています。
1-2 配分予定数量全体の70%が完全平等抽選
松井証券では、IPO銘柄購入のための抽選において、配分予定数量全体の70%が完全平等の方式で行われます。
完全平等抽選とは、1人につき1票の権利が与えられる抽選方式で、抽選はランダムに行われるため、取引実績数や口座の預かり資産額に応じて当選確率が上がる「優遇抽選」と異なり、IPO抽選が初めてでも当選するチャンスが平等にあります。
このほか、IPO銘柄の割当には「店頭配分」という方法があります。店頭配分とは、証券会社と取引実績のある方を対象にIPO銘柄を配分する割当方法であり、証券会社側の裁量でIPO銘柄の配分対象が決められるため、初心者や投資経験の少ない方は、店頭配分の方法で銘柄の割当を行っている証券会社を利用してIPO取引を行うのには向きません。
一方、松井証券のIPO取引は、松井証券の口座を開設するだけでIPO銘柄購入のための抽選に参加する権利を得られ、70%を占める完全平等抽選枠については口座残高や取引実績数が抽選結果に影響を与えないので、初心者や投資経験の少ない方が参加するのに適しています。
1-3 NISA口座でIPO銘柄を購入できる
松井証券では、NISA口座でもIPO銘柄を購入可能です。NISA口座で株式を購入すると、売却益や配当益が非課税になるので、例えば、IPO銘柄を初値売却して1万円の売却益を得られた場合でも、通常口座なら約2,000円の税金が発生するところ、NISA口座内の取引では非課税となります。
なお、NISA口座で購入可能な金額は年間120万円までとなっているほか、つみたてNISAとは併用できない点に注意も必要です。
1-4 IPO取引で負担する手数料コストも少ない
松井証券のIPO取引では、銘柄購入のための抽選に参加する際、手数料は発生しません。また、抽選に当選した後、IPO銘柄を購入する際も手数料無料となるほか、NISA口座でIPO銘柄を購入した場合、その銘柄を売却する時の手数料も無料です。
さらに、普通口座で購入したIPO銘柄を売却する時も、1日の合計約定代金額が50万円以下であるか、利用者が25歳以下なら取引手数料無料となっています。
2 松井証券のIPOの実績
松井証券のIPOの年間取扱銘柄数および主幹事会社経験の実績は、以下の通りです。
2-1 松井証券のIPOの年間取扱銘柄数
松井証券のIPOの取扱銘柄数は、2010年~2020年までの期間において、取扱数の多い年度で年間20銘柄前後、少ない年度では年間10銘柄未満でしたが、2021年のIPOの取扱銘柄数は56銘柄と大きく増加しました。
他のネット証券と比較すると、SBI証券(122件)には及ばないものの、楽天証券(74件)、マネックス証券(66件)に迫る勢いです。2022年のIPOの取扱銘柄数も4月末の時点で13銘柄となっており、さらなる取扱数の増加が期待できます。
年 | IPO取扱件数 |
---|---|
2022年 | 13件 |
2021年 | 56件 |
2020年 | 18件 |
2019年 | 21件 |
2018年 | 9件 |
2-2 松井証券の主幹事件数
IPO取引における証券会社の実績を判断する材料の1つに、主幹事会社の経験数が挙げられます。株式の新規公開が行われる際には、IPO銘柄の引受や販売を複数の証券会社が行うこととなり、この役割を果たす証券会社のことを幹事会社と呼びます。そして、中心的な存在となる証券会社が主幹事会社です。
主幹事会社となった証券会社は、他の幹事会社よりもIPO銘柄の引受数が多くなるので、その分当選確率も高くなります。そのため、主幹事会社を担った経験は、IPO取引を取扱う証券会社の実績として判断されています。
松井証券は、IPO取引の取扱を開始してから2022年5月時点までの間、主幹事会社となった実績はありません。IPOの主幹事となるのは店舗証券となる例が多いのですが、最近はネット証券でも主幹事を務める例が増えているので、この点は松井証券のデメリットに挙げられます。
3 松井証券のIPOの評判
松井証券でIPO取引を行っている方からは、以下のような意見や感想が寄せられています。
- 事前資金が必要ないため、気軽にIPO抽選に参加できる
- 全体の7割が完全平等抽選の対象なので、初心者でも当選チャンスがある
- IPO取引の抽選参加や購入時にコスト負担がないのが評価できる
- NISA口座でIPO銘柄を買えば、税金を払わずに済むので気分も良い
- IPO銘柄の取扱数が増えているので、今後に期待できる
- 主幹事実績がないのは、ややマイナス評価
※いずれも個人の感想です。サービスに関してはご自身でもよくご確認の上、ご利用のご判断をお願いいたします。
松井証券のIPO取引は、抽選の時点で銘柄購入資金の準備は必要ないため、気軽に参加できる点を評価する口コミがあります。また、完全平等抽選の対象が全体の7割なので、初心者でも当選を期待できる点も高く評価されています。
このほか、抽選参加時や購入時に手数料負担がなく、コストを最小限に抑えながらIPO取引ができる点、NISA口座でIPO銘柄を購入できる点、IPO銘柄の取扱数が増えている点なども評判です。
一方、IPO取引で主幹事会社となった実績がないのはマイナス評価です。主幹事会社で口座を開設すれば必ず当選できるというわけではありませんが、IPO株の引受数は主幹事会社のほうが幹事会社よりも多いので、より多くの当選チャンスを期待できます。
4 松井証券でIPOの当選確率を上げる方法
松井証券でIPO銘柄を購入するには、抽選で当たるか補欠当選する必要があるものの、注目度の高い銘柄は購入希望者も殺到します。IPO抽選で当選確率を少しでも上げる方法を確認してみましょう。
4-1 家族単位で申込をする
松井証券のIPO銘柄は、配分予定数量全体の70%が完全平等抽選の対象となるため、抽選の当選確率を上げるには、取引実績を重ねたり、口座の預かり資産を増やしたりするよりも、抽選申込数を増やすことが手軽な方法になります。
例えば、家族のいる方が松井証券でIPO取引を行う場合、家族単位で抽選に申込をすることで当選確率を上げることができます。妻や夫などの配偶者がいる場合、口座を新規に開設してもらい、2人ともIPO銘柄購入のための抽選に申込みをすれば、2つの抽選権を獲得できます。
さらに、松井証券では、ジュニアNISA口座や未成年口座でもIPO銘柄購入のための抽選に参加できるため、お子さんにもIPO銘柄購入のための抽選申込をしてもらえば、当選確率を上げることが可能です。
4-2 複数口座でIPOの抽選申込を行う
松井証券だけではなく、複数の証券口座でIPO銘柄購入のための抽選申込を行うことでも、当選確率を上げることができます。特に狙っている銘柄で主幹事会社を務めている証券会社があれば、事前に口座を開設しておくことがポイントです。
なお、複数の口座で抽選申込をする際、事前資金の不要な証券会社を選ぶことも重要です。事前資金が必要となる複数の証券会社を選択すると、準備可能な資金額の範囲内でしか抽選申込を行えなくなります。
松井証券のように資金拘束のない証券会社の口座を複数開設しておくことで、IPO抽選の当選確率を上げることができます。
まとめ
松井証券のIPO取引は、抽選参加時の資金拘束が無く、NISA口座やジュニアNISA口座からの抽選申込が可能なので、家族揃って参加すれば多くの当選チャンスを期待できると評判です。
松井証券は主幹事会社を務めた実績はないものの、2021年のIPO取扱件数は他のネット証券大手に引けを取らないほか、配分予定数量全体の70%が完全平等抽選の対象なので、初心者の方でも手軽に参加できます。
さらに、NISA・ジュニアNISA口座なら売却時の手数料が無料で、一日の株式約定代金合計が50万円以下の場合でも取引手数料が無料など、低コストで取引が可能です。
松井証券のIPO取引に関心のある方は、IPOの特徴や評判・実績、購入手順をよく確認した上で検討してみてください。
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