ソーシャルレンディングサイト「LENDEX(レンデックス)」を運営する株式会社LENDEXが2020年12月期の決算を発表しました。LENDEXは毎月5億円以上の募集を行うなど、堅調な営業成績を残しています。
2019年12月期は5,200万円の赤字でしたが、2020年12月期の数字はどのように変化したのか、決算結果からLENDEXの状況を確認していきましょう。
目次
- LENDEX(レンデックス)の2020年12月期決算
1-1.2020年12月期は2,772万円の赤字
1-2.融資残高は約33億4千万円に増加 - LENDEX(レンデックス)による赤字の説明
- 2021年のLENDEXの決算予測
3-1.募集額は毎月5億~10億円程度の規模を維持
3-2.投資会員数は増加傾向にある - まとめ
1.LENDEX(レンデックス)の2020年12月期決算
LENDEXは2017年7月にソーシャルレンディング事業を開始し、2020年12月期はソーシャルレンディングを開始して4期目となります。
2021年6月時点では、貸し倒れや返済遅延を発生させたことはなく、6~10%程度の利回りの案件の提供を行っており、累計の募集総額は130億円を突破しています。株式会社LENDEXの2020年12月期の決算内容について詳しくみていきましょう。
1-1.2020年12月期は2,772万円の赤字
※画像引用:株式会社LENDEX「貸借対照表(令和2年12月31日)」
LENDEXの2020年12月期は当期純損失2,772万円となっています。この数字は、2019年12月期の赤字額、約5,281万円を下回る数字です。前期よりも赤字の金額を縮小していますが、まだ黒字化は達成していないことが分かります。赤字の縮小に成功しているものの、黒字化できていない点については今後も注視したいポイントと言えます。
1-2.融資残高は約33億4千万円に増加
LENDEXの決算情報は貸借対照表のみの公開となっており、売上などの細かな数字は確認できません。
ただし、「ファンド貸付金」を見ることで、ソーシャルレンディング事業の状況が推測できます。ファンド貸付金では、投資家から集めたお金を、資金を必要としている事業者に融資している金額を指します。
2019年12月期 賃借対照表
※画像引用:株式会社LENDEX「貸借対照表(令和元年12月31日)」
2019年12月期のファンド貸付金は約12億8千万円でしたが、2020年12月期のファンド貸付金は33億4千万円と、大幅に増加しています。ファンド貸付金の金額が増えれば、それに伴いLENDEXの営業者報酬は増加するため、2019年と比較し、2020年のLENDEXの売上は大きく増加していると考えられます。
2.LENDEX(レンデックス)による赤字の説明
今回、LENDEXでは自社運営のウェブサイトで赤字の主な理由について説明しており、最も大きな赤字の理由は2020年12月期も積極的な会員獲得施策を行ったためとしています。
また、LENDEXの資本金を見ると、2019年12月期は1億円、2020年12月期は1億4,400万円、また2021年6月時点では1億8,800万円となっています。この資本金の増加は、広告宣伝費の捻出のために株主から出資を受けたことが背景としてあると発表されています。
LENDEXの投資家会員数を見てみると、2021年6月末時点で約14,000人となっており、広告費をかけることで投資家の獲得につながっていることが分かります。
※出典:株式会社LENDEX「LENDEX2020年12月期決算に関するお知らせ」
3.2021年のLENDEXの決算予測
赤字決算が続いているLENDEXですが、2021年の決算はどうなる見込みなのか、LENDEXが公開している情報から推測してみましょう。
3-1.募集額は毎月5億~10億円程度の規模を維持
LENDEXの2021年に入ってからの募集規模は、毎月5億円程度の規模を維持しています。特に2021年5月には、過去最高となる約10億円規模の募集を行い、満額達成を果たしています。
募集金額は2019年→2020年ほどの大きな伸びではありませんが、毎月5億円前後の募集規模という数字は、クラウドバンク、Funds、クラウドクレジットに次ぐ規模と言えます。
3-2.投資会員数は増加傾向にある
ソーシャルレンディングの運営状況を判断する際に見る数字の一つが、投資家会員数です。投資家会員数が増えれば、資金が集まりやすくなり、案件の組成数を増やしやすくなります。
LENDEXの投資家会員数は2021年6月末時点で約14,000人です。2020年の決算発表時と比較すると約4,000人増加しており、増加傾向にあると言えるでしょう。
まとめ
LENDEXの2020年12月期決算は、約2,775万円の赤字です。前年と比べれば約半分まで赤字を縮小したものの、広告費の増加などで赤字が続いています。
一方でこの赤字は会員獲得のために広告費を使い、その原資は株主から出資を受けて増資をしているとしています。会員数は増加傾向にあり、ソーシャルレンディング案件の募集金額は順調な推移を見せています。
ソーシャルレンディングで投資をする際は、運営会社の経営状況に注視することも重要です。LENDEXの投資家登録者が増加傾向にある点はプラスに評価できる点ですが、赤字がどのように縮小していくのか、今後も注視したいポイントと言えるでしょう。
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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム
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