IPOに当選しやすい・取扱数が多い証券会社ランキング【2020年5月】

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IPO銘柄は上場株式と違い、抽選によって購入者を決めるのが特徴です。そのため、当選しやすい証券会社はどこか、気になっている方もいるかと思います。また、IPO銘柄の取扱数も証券会社によって異なります。

これからIPO投資を始める場合は、主幹事証券会社やIPOの仕組みも覚えておくのが大切です。そこで今回は、IPOに当選しやすい・取扱数の多い証券会社を紹介します。

目次

  1. IPOの視点で証券会社を選ぶ上で必要なこと
  2. SBI証券
    2-1.例年50本を超える取扱数も特徴
  3. SMBC日興証券
    3-1.主幹事数が多い傾向
  4. マネックス証券
    4-1.資産残高などに左右されない抽選方法
  5. 大和証券
    5-1.2種類の申込方法から選択
  6. まとめ

1.IPOの視点で証券会社を選ぶ上で必要なこと

IPO銘柄へ投資を行うためには、上場前に行われる抽選に参加し、当選しなければいけません。そして、1つの銘柄に対する当選のしやすさについては、参加者の数と発行株式数などさまざまな要因によって変わります。

IPO投資で当選回数を確実に増やす方法はありません。しかし、当選の可能性を高めることは可能です。

IPO当選の可能性を高める方法例

  • 複数の証券会社で口座開設しIPOに申込む
  • 投資家への配分株数が多い証券会社で申込む
  • 各証券会社のIPO取扱数を把握しておく
  • 各IPOの主幹事証券会社を確認しておく

IPOの取扱数が多い証券会社を利用すれば、それだけ申し込める機会も増えることになります。それでは次の項目から、IPOの取扱数が多い証券会社を中心に紹介します。

2.SBI証券

IPOの取扱数が多い証券会社の1つは、SBI証券です。SBI証券は投資信託の取扱本数なども多く、どの金融商品でも一定規模を誇っています。

それではSBI証券のIPO取扱数と、IPOに関する特徴について見ていきたいと思います。

2-1.例年50本を超える取扱数も特徴

SBI証券は、例年50本を超えるIPO取扱実績のある証券会社です。また、主幹事証券会社を務めることも多いので、他社よりも新規購入株式数が多いケースもあります。

主幹事証券会社とは、企業から株式を多数分配してもらうだけでなく、上場に関するサポートも含めた中心的な役割を担う証券会社のことです。

以下に、過去4年と2020年(1~4月まで)のIPO実績を紹介します。

  • 2020年の取扱数:25社(5月25日時点)
  • 2019年の取扱数:84社
  • 2018年の取扱数:86社
  • 2017年の取扱数:85社
  • 2016年の取扱数:76社

参照:SBI証券「新規上場株式取扱実績

2019年の取扱数は84社で、中でも主幹事として対応していたのは7社となっています。そして2020年のIPOは、4月1社・3月22社・2月2社といった割合です。

抽選時に分配される株式は全体の70%で、残り30%はIPOチャレンジポイントと呼ばれる独自ルールに沿って別途分配されます。

IPOチャレンジポイントとは、IPOへ申込んだものの当選しなかった場合、SBI証券から付与されるポイントのことです。ポイントは次回のIPOへ申込む際に使用可能で、当選確率を高めることが可能です。

3.SMBC日興証券

SMBC日興証券もIPOの取扱数が多く、当選を目指す上で確認しておきたい証券会社といえるでしょう。また2019年の取扱数は61社と、SBI証券やみずほ証券に次ぐ実績となっています。

それではIPOの取扱数と、特徴について見ていきたいと思います。

3-1.主幹事数が多い傾向

SMBC日興証券は、主幹事としてIPOを取り扱うケースも比較的多いのが特徴です。主幹事の件数が多いほど当選しやすさにも影響を与えるので、投資家にとっては注目すべきポイントの1つです。

以下に、2019年と2020年(1~4月まで)のIPO実績を紹介します。

  • 2020年の取扱数:26社(5月25日時点)
  • 2019年の取扱数:64社

参照:SMBC日興証券「新規公開株式(IPO)のご案内

2020年の取扱数は現時点においてはSBI証券やみずほ証券と同じ水準です。また、SMBC日興証券独自のサービス「IPO優遇特典」では、口座の資産残高に応じて当選確率が変化します。

  • ブロンズ:抽選票数1票、資産残高or信用取引建玉金額250万円以上
  • シルバー:抽選票数5票、資産残高or信用取引建玉金額1,000万円以上
  • ゴールド:抽選票数15票、資産残高or信用取引建玉金額3,000万円以上
  • プラチナ:抽選票数25票、資産残高or信用取引建玉金額5,000万円以上

※ダイレクトコースのみ

抽選票数が増えるほど、その分当選確率が高まる仕組みです。判定は毎月更新されますが、新規口座開設から3ヶ月までは条件を満たしていなくてもブロンズ判定にしてもらえます。

4.マネックス証券

マネックス証券は、IPOの取扱数が多いだけでなく、みずほ証券のような抽選方法を採用している点にも注目です。2020年5月25日時点では、IPOの取扱数17社の実績および1件のIPOを6月に予定しています。

それではマネックス証券のIPO取扱数と、特徴について見ていきたいと思います。

4-1.資産残高などに左右されない抽選方法

マネックス証券のIPO取扱数は、TOP3と比較すると少ない印象もありますが、各証券会社と比較してみると多い傾向といえるでしょう。また、2020年5月25日時点の全IPOは28社で、うち50%を超える17社を取扱っています。

以下に、2019年と2020年(1~4月まで)のIPO実績を紹介します。

  • 2020年の取扱数17社(5月25日時点)
  • 2019年の取扱数:48社

参照:マネックス証券「過去の取扱銘柄一覧

マネックス証券では、IPOの申込者数が配分単位数(株式数)を超える場合は、機械によって無作為に選ばれます。また、需要申告株(ある条件で、どの程度の株式数と金額で購入するか)に限らず、1人1単位の当選数とあらかじめ決められています。

5.大和証券

大和証券は2019年のIPO取扱数48社と、多くの国内証券と比較しても豊富な実績です。また、2020年の取扱数(5月25日時点)は、全IPOの30%を超えています。

それでは大和証券のIPO取扱数と、特徴について見ていきたいと思います。

5-1.2020年の取扱数は10件(5月25日時点)

大和証券は例年、全IPOの30%~40%を取扱っている傾向もあり、やや多めといったところでしょう。主幹事証券会社として取扱うケースは、2020年(5月25日時点)においては3件です。

以下に、2019年と2020年(1~4月まで)のIPO実績を紹介します 。

  • 2020年の取扱数10社(5月25日時点)
  • 2019年の取扱数:48社

参照:大和証券「IPO(新規公開株式)取扱銘柄一覧

また、5月25日時点では、3件のIPOを予定しています。それぞれブックビルディングの開始予定は、6月8日・9日・11日です。

他にもIPOに関する特徴としては、2種類の申込方法および当選確率の変化といった点があります。大和証券は、店頭とネット証券での申込に対応しています。また、落選した場合はポイントを付与され、ポイント数に応じて当選確率を高めてもらえるのも大きな特徴です(ポイントサービスは2021年3月31日をもって終了予定)。

まとめ

IPOの取扱数は証券会社によって変わりやすく、一定の傾向があります。そして、特に取扱数の多い証券会社は、SBI証券やSMBC日興証券などです。

当選確率を高めるためには、さまざまなIPOへ申し込んだり、株式分配数の多い主幹事証券会社へ申し込んだりといった方法も検討してみましょう。また、証券会社の中には落選時にポイントを付与し、一定数ポイントを貯めると当選確率を少し高めてもらえるサービスも展開している会社があります。このような独自サービスにも着目しながら、口座開設先を選ぶのも大切です。

IPOに必ず当選する方法はありません。しかし、細かな工夫や情報収集を繰り返すことで、当選確率を高められる可能性はあります。まずは、各証券会社のIPOに関するルールや取扱数を確認してみるのが重要と言えるでしょう。

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菊地 祥

FP3級技能士、投資信託4年目、株式投資8年目。2018年からフリーランスとしてwebライティングやメディア運営を行っています。また、webライターとしては株式投資や投資信託などをやさしく解説。