ソーシャルレンディングのプロがこっそり教える「おいしい案件」の見極め方

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ソーシャルレンディングへ投資をするときに「できるだけ良い案件を選んで投資したい」と思うのは、投資家として共通した気持ちと言えるでしょう。

ソーシャルレンディングの案件の中にも、条件の良い案件と、気をつけなければいけない案件があります。そこで今回は、好条件と言える案件の特徴をご紹介していきたいと思います。

また、後半では、ソーシャルレンディング会社の社員から実際に話を聞き、ソーシャルレンディング案件の中で比較的安全性が高く、狙い目と言える案件がどのようなものかについてもご紹介します。

目次

  1. ソーシャルレンディングで「おいしい案件」の3つの条件
    1-1.利回りが高い
    1-2.運用期間が短い
    1-3.融資先の身元がはっきりしている
    1-4.キャンペーン案件
  2. ソーシャルレンディング会社に聞いた!おいしい案件とは
    2-1.担保の価値が借入額より非常に高い
    2-2.急に資金を必要とする事業者が、高金利でも融資を受ける
    2-3.一時的な借り換え案件
    2-4.お宝物件を見つけた不動産会社への融資案件
  3. まとめ

1.ソーシャルレンディングで「おいしい案件」の3つの条件

まず、一般的に、良い条件のソーシャルレンディング案件とはどのようなものかを考えてみましょう。

1-1.利回りが高い

まず一番最初にチェックをしたいのが利回りです。収益性の高い案件は人気が高く、お金も集まりやすい特徴があります。ただし、利回りは貸付金利の高さに直結しますので、返済リスクや元本割れリスクにも繋がってきます。

注意すべきは、案件に対して事業者がどの程度の報酬を取っているかです。たとえば、投資家利回りが同じ10%の案件でも、「融資先への貸付金利11%、うち営業者報酬1%」の場合と「融資先への貸付金利13%、うち営業者報酬3%」の場合では前者の案件のほうがリスクは低いため、前者のほうが条件が良いと言えます。

1-2.運用期間が短い

運用期間が短い案件も、おいしい案件の一つと言えるでしょう。長期運用案件になると、どうしても市況の影響を受けたり、事業者リスクが発生する可能性が高くなったりします。特に2018年後半は複数の事業者で返済遅延などが起こっており、慎重な判断が必要な時期に差し掛かってきています。

収益性だけを見た場合、短期案件は利回りが良くはありません。短期で終了すると、どうしても投資できない期間が発生してしまうからです。それでも、短期運用のほうが期間中に問題の起こる可能性が低くなることや、状況を見ながら慎重に投資判断を下せるため、投資家からの人気も高い状況です。

1-3.融資先の身元がはっきりしている

融資先の身元がはっきりしていて、融資金を回収できる可能性が高い案件も、「おいしい案件」のひとつです。2018年12月現在、原則としてソーシャルレンディングの融資先は匿名で、詳細は明らかにされません。

ただし、会社によってはグループ内での資金調達部門と位置づけられ、どのような組織や事業者に融資を行うのか、ある程度推測できるケースもあります。その場合、融資先の会社や担保物件、収益元となる事業や物件などが推測できますので、融資先が全く分からない案件よりも安全性を見極めやすいと言えます。

1-4.キャンペーン案件

投資家が本当に狙うべき案件の一つが、各社が実施する「キャンペーン案件」でしょう。いくつかの会社では投資家を集めるためにキャンペーンを実施したり、また、会社の立ち上げ時期にキャンペーンを展開したりすることが多くなっています。

これらの案件は、その後の事業拡大を見据えて販促目的で募集されていますので、会社はある程度利益を減らしてでもキャンペーン用の資金を捻出しています。利回りが非常に良い上に、会社の宣伝費などから資金が出ているケースなどもありますので、返済リスクも低いと言えるのです。

例えば、最近では、クラウドバンクが400億円突破キャンペーンとして、何と利回りに2%上乗せする内容の特別案件を実施しました。

その他にも、一定の投資額に応じてキャッシュバックキャンペーンを行ったり、特典を付けたりするソーシャルレンディング会社もいくつかあります。

2.ソーシャルレンディング事業者に聞いた!おいしい案件とは

ソーシャルレンディング事業者に聞いた!おいしい案件とは
ソーシャルレンディング会社で働いている方に、実際に投資家に対して条件の良い案件を提供できるケースについても聞いてみました。そのケースを詳しく見ていきましょう。(以下は、ソーシャルレンディング会社の社員からのヒアリング内容)

2-1.担保の価値が借入額より非常に高い

「安全性が高い案件とは、すなわち、借入金額に比べて担保価値が非常に高い案件であることです。融資を受ける事業者にも様々な会社があります。わずかな金額の運転資金が必要なものの、担保を設定できない場合は、自社のオフィスビルなどをそのまま担保にして、借入を行うことがあるそうです。数千万円程度の借入のために、何億円にもなる自社ビルを抵当に入れる会社もあります。もちろん、自社ビルを失うわけにはいきませんので、会社としても返済の意思が強く、貸し倒れはまず起こりません。それゆえに、非常においしい案件だということです。」

2-2.急に資金を必要とする事業者が、高金利でも融資を受ける

「次においしい案件が多いのは、資金が急に必要になった事業者が融資を受けるケースです。一時的に現金が必要ですので、多少条件が悪くても借り受けて、きちんと短期間で返済してくれます。その結果、高金利・短期運用という非常においしい条件になります。事業の転換時において、一時的に資金を必要とする事業者が融資を受けるケースが多く、実際に珍しいことではありません。」

2-3.一時的な借り換え案件

「2-2の事例に近いですが、一時的に借り換えを行うときの案件も、条件が良いことが多いです。リファイナンスのために資金が必要だが、一定期間経過すれば売掛金や貸付金が回収できる場合の話ですが、ソーシャルレンディング経由で、高い金利で資金調達をしても、大きな問題にならないケースです。ただし、この案件は、条件が良くても早期償還が行われる可能性が高いです。」

2-4.お宝物件を見つけた不動産会社への融資案件

「不動産会社への融資で多いのが、非常に条件の良いお宝物件を見つけた不動産会社への融資です。不動産の所有者が相場を知らずに、格安で物件を売りに出していたり、競売や任意売却で、相場よりも安く物件が購入できたりする場合があります。物件をいち早く確保したいが現金がない。そんな時に、ソーシャルレンディング経由の資金調達は多いです。ソーシャルレンディングから調達した資金で物件を購入し、リフォームなどを加えた上で売却、もしくは、運用によって購入価格よりも数倍の値段で売却できることもあるそうです。不動産の購入に必要な金額、つまり、ソーシャルレンディングでの募集金額に比べて、担保価値が上回ることが多いので、投資家にとってもお宝案件だと言えるでしょう。」

まとめ

ソーシャルレンディングでは、投資家に対しての情報提供・情報開示が限定されているため、お宝物件を見つけるのはなかなか難しいです。投資家にとってのお宝物件とは、分かりやすく言えば、『運用期間が短く、高利回りで、返済可能性が高い案件』でしょう。

しかし、多くのソーシャルレンディング会社では、投資前にデポジットで入金しなければいけない事情もあって、お宝案件が提供されても、タイミング良く投資できない人も現れるでしょう。そのため、案件を探し始める前に主要各社に会員登録・口座開設などを先に済ませておいて、キャンペーン開催や条件の良さそうな案件が出るのをじっくり待つというのも有効な手です。

株式投資などでも同じですが、個人投資家の強みは「時間」です。半年や1年の中で、保有資産を回転させて利益を出すことが求められている機関投資家とは異なり、個人投資家はいくらでも時間をかけて投資に臨むことができるため、まずは少額で始めたり、案件を見る目をしっかりと養ってから、焦らず着実に投資益を積み上げていきましょう。

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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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