海外投資のやり方は?主な種類やそれぞれのメリット・デメリットも

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海外投資は、国内投資よりも大きな利益を期待できるものもある反面、仕組みや商品選びの難しさに加え、対象国特有のリスクもあります。そのため、海外投資に興味はあるものの、二の足を踏んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、海外投資の方法について詳しく解説します。海外投資のメリット・デメリット、海外投資の始め方に興味のある方は、参考にしてみてください。

※この記事は2021年8月31日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。

目次

  1. 海外投資とは
    1-1.海外株式
    1-2.海外投資信託
    1-3.海外ETF
  2. 海外投資のメリット
    2-1.大きな利益を狙うことができる
    2-2.多くの銘柄から選んで購入できる
    2-3.分散投資になる
  3. 海外投資のデメリット
    3-1.為替変動の影響を受ける
    3-2.為替手数料が発生する場合がある
    3-3.現地の社会情勢がリスク要因にもなる
    3-4.情報を入手しにくい
  4. 海外投資の始め方
    4-1.SBI証券
    4-2.楽天証券
    4-3.マネックス証券
  5. まとめ

1 海外投資とは

海外投資とは、日本国外の株式や投資信託、その他の金融商品などに投資することを指します。日本国内の企業への投資が中心となる国内投資と比べると、海外投資ではアメリカや中国などの主要国に加え、ヨーロッパ・アジアなど多様な国の企業などに投資することができます。

そのため、世界的な大企業の株式で長期運用を行ったり、急成長の見込める新興国に先行投資をしたりするなど、戦略に合わせて幅広い取引が可能となります。

さらに、金融商品の豊富さも海外投資の強みです。海外投資の主な種類を確認してみましょう。

1-1 海外株式

海外株式投資とは、海外の企業の個別銘柄を売買して利益を狙う投資です。国内証券会社では、特にアメリカ株や中国株を扱っている場合も多いので、世界的な超有名企業の株式を購入することができます。また、ヨーロッパやアジア各国の個別企業の銘柄を取引可能な証券会社もあります。

また、グローバル企業や成長著しい新興国の企業にも投資できるため、国内株式と比べて大きな値上がりを期待できます。さらに、海外企業は投資家への還元にも力を入れているので、配当金を多くもらえる銘柄も存在します。

例えば、アメリカ株では、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)と呼ばれる世界的IT企業の株式も日本の証券口座から手軽に購入できます。日本株は100株単位での売買が基本ですが、アメリカ株は1株からでも購入が可能なので、まとまった資金も必要ありません。

一方、経済強国としての存在感を増している中国では、中国を代表するプラットフォーマーであるテンセント・ホールディングスやアリババ・グループ・ホールディングスなどは日本でも耳にする機会が多く、中国株を取り扱う証券会社を通じて取引することが可能です。

1-2 海外投資信託

海外投資信託とは、海外の法規制のもとで設定されている投資信託のことです。例えば、外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)は、格付け評価の高い債券などで運用されているファンドで、長期投資向けの商品としてよく利用されています。

海外投資信託では、日本の投資信託では扱われないテーマや投資対象の銘柄が売買できたり、日本の投資信託よりも高い利回りを期待できたりする銘柄もあるので、商品選びの幅が広がります。

1-3 海外ETF

海外ETFとは、海外の取引所に上場しているETF(上場投資信託)のことです。ETFとはExchange Traded Fundの略で、株式のように市場でリアルタイムに取引される投資信託のことを指します。

ETFには、テーマや投資地域、連動する指数などによって様々な商品があります。海外ETFは、株式・債券・コモディティ(商品)など、投資対象によって分類できるほか、投資対象の指数、地域や業種などによっても区別されており、幅広い投資対象から取引したい銘柄を探せるのが特徴です。

また、ETFは投資信託と比べて短期での売買にも向いています。ファンドによっては少額から購入できるので分散投資をしやすく、個別に企業を分析して売買する銘柄を決める必要がない点も強みです。

2 海外投資のメリット

国内投資と比べた海外投資のメリットは以下の通りです。

2-1 大きな利益を狙うことができる

世界市場を相手にしている海外企業では、長期的な値上がりなどで高いリターンを期待できることに加え、配当金なども国内株式と比べて優れている銘柄もあります。

日本株のみを保有している場合、銘柄によっては海外市場が好調な時にその恩恵をほとんど受けられない場合もありますが、海外投資をしていると、より大きな売買益や好配当も狙えるので、効率の良い資産形成を図れる可能性があります。

2-2 多くの銘柄から選んで購入できる

銘柄の豊富さも海外投資の特徴です。国内主要証券会社が取り扱う銘柄数は、アメリカ株のみでも4,000銘柄におよび、中国株も多いところで2,000銘柄以上の取扱いがあります。一方、東京証券取引所に上場する日本株式は約3,800銘柄なので、海外株式ではより多くの銘柄から選んで売買することができるのです。

また、海外ETFの銘柄数でも、日本国内のETFが約250銘柄のところ、例えばSBI証券で取引できる米国ETFは約300銘柄とより多く取り扱っています。

2-3 分散投資になる

海外投資は分散投資にもつながります。例えば、国内株式を中心に資産運用を行っている場合、日経平均株価やTOPIXなど日本の主要株価指数が暴落すれば、多額の損失が発生しします。

一方、海外投資を同時に行っていると、日本以外の株式市場が好調な場合、損失をある程度抑えることができます。このように相場急変時の資産価値を守りやすくなる点も海外投資のメリットです。

3 海外投資のデメリット

海外投資のデメリットとしては以下の点が挙げられます。

3-1 為替変動の影響を受ける

海外の株式取引に参加しようとする場合、実際の売買は現地国の通貨をベースに行われます。アメリカ企業の株式を売買する場合は米ドル、中国企業の株式を売買する場合は人民元、香港市場なら香港ドルで取引されるため、円換算時の金額が変動します。

例えば、海外株式を値上がり時に売却した場合、円高の時に受け取れば手取り額は減り、円安の時に受け取れば手取り額は増えます。このように、海外投資では為替相場の変動に応じて為替差益・為替差損が発生する可能性があります。

3-2 為替手数料が発生する場合がある

為替変動による影響については、為替変動とは別に為替手数料についても注意が必要です。為替手数料とは日本円を米ドルやユーロなどに替える際に必要な手数料のことで、海外投資を行う際に発生するコストです。証券会社によっても異なる場合があるので、事前によく確認することが大切です。

3-3 現地の社会情勢がリスク要因にもなる

海外投資では投資対象国の政治・経済情勢が、資産価値が大きく上下する要因にもなります。これはカントリーリスクと呼ばれ、現地国の市場の混乱や為替相場、テロや政治状況などが主なリスクとして挙げられます。

特に政治体制が不安定な国や、通貨の信用力が高くない国の場合、社会的に大きなイベントが発生した際、保有する海外資産の価値が変動しやすい点に注意が必要です。

3-4 情報を入手しにくい

海外投資のデメリットとしては、情報入手の難しさも挙げられます。国内投資の場合、株式相場など日頃からニュースで目にする機会も多く、関連情報を手軽に知れる一方、海外投資に関する情報は、投資先によっても異なりますが日本よりは多くありません。

最近は、SNS等を活用すれば海外情報にもアクセスしやすく、国内証券会社なども海外投資の情報提供に力を入れていますが、情報には時間差もあります。金融商品によっては損切りなどの迅速な対応が求められる場合もあるので、この点は留意しておきましょう。

4 海外投資の始め方

海外投資を始めるには、証券会社で総合口座を開設する必要があります。ただし、証券会社によって取り扱っている海外投資の種類や銘柄数は異なる上、そもそも海外投資の取扱いがない場合もあります。

そのため、海外投資を目的に証券口座を新たに開設する際は、希望する海外金融商品の取扱についてしっかりと確認することが大切です。また、証券会社によっては、海外株式や海外ETFを取引するための専用口座の開設が必要なケースもあります。

所定の口座開設手続きを済ませたら、取引を行います。日本円を外貨に変更してから取引するか、外貨を日本円に換算して取引するかを選べる証券会社もありますが、いずれにしても外貨を基準とした取引となります。

また、海外の株式などを購入する際には取引時間についても注意が必要です。例えばアメリカ株式を取引する際、実際の取引は日本時間の夜から朝にかけて行われています。注文の受付時間などは証券会社によって変わってくるので、あらかじめ確認しておくことが重要です。

では、実際に海外投資を行える主な証券会社を確認してみましょう。

4-1 SBI証券

SBI証券は、オンライン証券会社の中でも口座開設数がトップクラスの大手企業です。SBIグループに所属し、同グループの住信SBIネット銀行との連携でも有名ですが、海外投資の取り扱いでも強みを持っています。

例えば、米国株式の取扱数は約4,000銘柄、中国株も1,000銘柄以上と豊富です。このほか、韓国やロシアなどの新興国株式の取り扱いも多く、シンガポールやインドネシア、ベトナムなど取扱国数なども国内証券ではトップクラスです。

また、海外投資信託や海外ETFの取扱いも多く、連携先の住信SBIネット銀行では海外預金も取り扱っているので、海外預金を検討したい方にも向いています。

4-2 楽天証券

楽天証券は楽天グループ傘下のオンライン証券会社です。楽天グループの強みを活かした証券サービスで知られています。

楽天証券では海外の個別銘柄取引に加えて、海外ETFも扱っています。特に、米国・中国・シンガポールを合わせた海外ETF銘柄数は約370と業界最多水準です。また、米国株や中国株の取扱い銘柄数は約5,000と豊富なほか、タイ・インドネシア・マレーシアなどのASEAN各国の個別銘柄を取り扱っています。

楽天証券は、投資で楽天ポイントを貯めたい方や、普段から楽天グループを良く利用する方が海外投資を検討する際に適した証券会社です。

4-3 マネックス証券

マネックス証券は、東証プライム上場のマネックスグループ株式会社傘下の証券会社で、外国株式の取扱いでも有名です。米国株・中国株あわせて6,000銘柄以上を扱うなど、取扱件数は国内証券の中でもトップクラスであり、特に中国株の取り扱いに強いことで知られています。

また、マネックス証券は取扱銘柄数だけでなく、分析ツールにも力を入れており、「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」など海外株専用の銘柄分析ツールを豊富に提供しています。

中国株の取り扱いを得意とするマネックス証券は、中国株に関心のある方や、豊富な銘柄の中から選びたい方にも向いています。

まとめ

海外投資の種類は、株式・投資信託・ETFをはじめ、FX・預金など数多く、国内投資よりも高リターンや好利回りを期待できる投資対象も少なくないことが特徴です。また、対象国を複数に分散することで、相場急変時の損失を回避するのにも役立ちます。

一方、海外投資はリスクも高くなる点に注意が必要です。リターンや利回りの高い商品ほど損失も大きくなりやすいほか、為替リスクやカントリーリスクなども、投資結果に影響を及ぼす要因となります。

海外投資を始める際は、このようなメリットとデメリットをよく把握した上で、商品選びを行うことが大切です。

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