クラウドファンディング投資をするときには、様々な投資対象に資産を分散投資することで、リスク回避をしたり収益性を上げたりすることができます。
そんな分散投資先の一つとして考えられるのが、大きな経済成長が見込まれる新興国です。しかし、新興国投資にはどのような特徴やリスクがあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、クラウドファンディングを通した新興国投資の特徴や、新興国に実際に投資できるクラウドファンディングにはどのようなものがあるのかをご紹介します。新興国へのクラウドファンディング投資を検討していた方は、ご参考下さい。
目次
- クラウドファンディングを通した新興国投資の特徴
1-1.1万円~の少額から投資できる
1-2.利回り(分配率)が予め想定されている
1-3.為替リスクは案件により異なる
1-4.投資先の情報は運営サイトを通じて知る - 新興国に投資できるクラウドファンディングサイトの利回りとリスク
2-1.クラウドクレジット
2-2.TECROWD(テクラウド)
2-3.CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ) - まとめ
1.クラウドファンディングを通した新興国投資の特徴
クラウドファンディングを通じて新興国投資を行うことの意味や特徴について見ていきましょう。
1-1.1万円~の少額から投資できる
ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)や不動産投資型クラウドファンディングなど、クラウドファンディングを介した投資方法は少額から投資できるメリットがあります。
自分で新興国に投資できる投資先を探すとなると、私募ファンドなどを利用した場合、100万円や1千万円などまとまった金額が必要となってきます。しかし、クラウドファンディング投資であれば、最低金額1万円から投資を受け付けているサイトもあるので、少ない金額から投資をすることが可能です。
1-2.利回り(分配率)が予め想定されている
クラウドファンディング投資では、案件毎に運営元が予め想定される運用が提示されています。
不動産投資型クラウドファンディングは運営不動産による家賃や売却収入を読み、そこから利益をシミュレーションして投資家に配当利回りを提示しています。
ソーシャルレンディングは貸金による収入(金利収入)を投資家へ配当をする投資なので、収入をさらに読みやすく、貸付金利による大まかな配当利回りを提示しています。
クラウドファンディングを通じた新興国投資は、収益の予測が立てやすく、自分がどれぐらいの資金を投入してどれぐらいのリターンを得ることができるのか計算しながら投資できます。
ただし、どちらも投資であるため元本は保証されておらず、元本割れの可能性もあります。必ずしも利益を得られるということではないため、想定外のリスクに備えておくことも重要です。
1-3.為替リスクは案件により異なる
クラウドファンディングの新興国案件では、日本円で直接運用されることはなく、国ごとの通貨に日本円を両替して運用されます。
そのため、為替の変動により為替変動リスクが発生する可能性があります。ただし、案件によっては為替ヘッジ(為替を一定の時期に設定した相場で両替する権利)を設定している案件もあるので、為替変動リスクを避けた投資も可能です。
為替ヘッジのある案件は収益予測が立てやすく、為替変動による損失をなくすことができますが、反面、為替変動益も生まれなくなります。新興国案件は、案件により為替変動リスクは異なることを知っておきましょう。
1-4.投資先の情報は運営サイトを通じて知る
新興国投資のリスクの一つに、案件が運用される国の情報が集めにくい点が挙げられます。新興国は言語の壁や、渡航が難しいことから、なかなか個人では情報を集めにくい側面があります。
一方、クラウドファンディングであれば、運営サイトが現地に社員などを派遣して案件を運用するための情報を収集してくれます。情報を豊富に提供してくれるクラウドファンディングサイトであれば、ある程度情報収集のリスクを低減できるメリットがあります。
2.新興国に投資できるクラウドファンディングサイトの利回りとリスク
実際に、新興国で投資できるクラウドファンディングサービスをピックアップしてみました。またサイトごとに主な運用国やリターン、リスクを見ていきます。
2-1.クラウドクレジット
クラウドクレジットは、現在日本で運営されている代表的な海外に投資できるクラウドファンディングの中でも代表的なサービスの一つです。
クラウドクレジットは2014年からソーシャルレンディングサイトを運営しており、2021年現在では30以上の国の案件を扱っています。
アメリカやヨーロッパなど先進国もありますが、東南アジア、南米、ロシアなどの新興国の案件も多数扱っています。利回りは低い案件で5%台、高い案件では年利12%以上の案件もあります。
一方、新興国案件では、想定より収益性が大きく低下したり、貸し倒れが発生してしまった案件もあります。リスクとしては為替変動による損失や運用国の自然災害リスク、法的なリスクなどがあります。
なお、クラウドクレジットの運用実績サマリーや運用状況マップなどを見ると、損失が発生しているファンドも存在するため、そのリスクは決して小さなものではありません。案件選びは慎重に行うことが大切です。
2-2.TECROWD(テクラウド)
TECROWD(テクラウド)は、TECRA株式会社が運営する、海外不動産投資型クラウドファンディングです。
TECROWDでは、モンゴルなどの東アジア・中央アジアに社員を派遣し、自社の監督で不動産を建築しています。日本の不動産と同じクオリティでの不動産ができるよう、日本人の監督により物件の施工管理を行っているため、不動産の建築リスクを軽減することに成功しています。
案件を見ると投資家に対して年利8%ほどの利回りを提供しています。(2021年6月時点)
なお、考えられるリスクは、運用実績が少ない点や空室リスクなどになります。一方で新興国不動産のありがちなリスクである、物件施工スケジュールや管理運営のリスクは、日本人が監督していることから小さくなっているのが特徴でありメリットです。また案件には為替ヘッジを設定しているので、為替変動リスクは抑えられています。
2-3.CAMPFIRE Owners(キャンプファイヤーオーナーズ)
CAMPFIRE Ownersは日本の代表的な購入型クラウドファンディングサイトであるCAMPFIREの関連会社が運営するソーシャルレンディングです。
CAMPFIRE Ownersは2019年からソーシャルレンディングを運営しており、カンボジアの農業開発案件などを投資家に対して提供しています。その利回りは年利4%~6%と他のソーシャルレンディングサイトに比べて決して引けを取る数字ではありません。
また、リスク管理を見ると、為替ヘッジを設定しているため為替変動リスクは避けられているうえ、小口事業者である農家からの回収が一部滞っても、直接の融資先であるカンボジアの金融機関が倒産しない限りは投資家に損失が発生することはありません。
2021年6月時点、約2年という一定の運営実績がありながら、貸し倒れや返済遅延を発生させたことがなく、投資家に対して着実に利益を提供し続けています。ただし、過去の実績は将来を保証するものではないため、新興国投資が国内案件と比較してハイリスクになりやすい点に注意し、慎重に検討しましょう。
まとめ
今回は、新興国に投資できるクラウドファンディングをご紹介しました。総じて見ると、新興国投資は利回りが高い代わりに、リスクについても日本で運営される案件より情報が少なく、また通貨変動リスクもあるなど、ややハイリスクな点に注意が必要です。
またソーシャルレンディング投資を検討する時は、一つのサービスや案件に資金を集中するのではなく、分散投資をするなどしてリスクを軽減する取り組みをしっかり行なっていきましょう。
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HEDGE GUIDE 編集部 ソーシャルレンディングチーム

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