クラウドファンディング投資の失敗事例は?リスクへの対策も

クラウドファンディング投資は少額から始められるということもあり、投資を始めている方も年々増加しています。一方で、少額といえども投資である以上、損失が発生したり、想定外のリスクが起こる可能性もあります。

そこで、よく見られるクラウドファンディング投資の主な失敗例や、失敗を防ぐための対策を本記事ではご紹介します。クラウドファンディング投資を検討していた方はご参考下さい。

目次

  1. 融資型クラウドファンディングの失敗例
    1-1.運営会社の不祥事
    1-2.融資先からの返済が行われない
    1-3.貸し倒れが起きても十分な金額が回収されない
  2. 不動産投資型クラウドファンディングの失敗例
    2-1.運営不動産会社の経営問題
    2-2.運用が終了しても出資金が返済されない
    2-3.想定利回り(予定分配率)の大幅な低下
  3. 株式投資型クラウドファンディングの失敗例
    3-1.投資先のベンチャー企業の倒産
    3-2.上場やM&Aなどの利益が出る結果につながらない
  4. クラウドファンディング投資のリスク回避対策
    4-1.運営会社のことをよく調べる
    4-2.融資先の会社を確認する
    4-3.運営不動産を確認する
    4-4.担保や保証を確認する
    4-5.分散投資する
    4-6.利回りだけを追求しない
    4-7.短期運用案件にも投資する
  5. まとめ

1.融資型クラウドファンディングの失敗例

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)は、運営会社が投資家から少額ずつお金を集め、事業資金を必要とする会社に融資し、融資した際の金利収入を投資家に配当する仕組みとなっています。

2021年時点、日本で取り扱うソーシャルレンディングサービスは15以上あり、投資家からの多くの需要が伺える投資手法と言えるでしょう。

しかし、比較的あたらしい投資手法であることや、出資先の詳細がわからない匿名性もあり、過去には投資の失敗事例がいくつか発生しています。失敗例を詳しくみていきましょう。

1-1.運営会社の不祥事

融資型クラウドファンディングでは、運営会社のオペレーションに関する問題が発生しています。

例えば、融資先のモニタリングを行わずに資金が本来の用途外で使われていた、運営会社が投資家から集めた資金を不当に流用していたなどの問題が起こっています。これにより、金融庁財務局から行政処分を受けた運営会社もあります。

このような運営会社の不祥事や運営会社の倒産により、投資家が損害を被った事例があります。

1-2.融資先からの返済が行われない

融資型クラウドファンディングは、融資先からの返済が行われないことで、投資家の損失が発生する可能性があります。

貸付金利が主な収益となる投資方法であるため、融資先から確実に100%返済されるという保証があるわけではありません。特に無担保や無保証の案件の場合は、貸し倒れが起きた時には損失が大きくなる可能性があります。

1-3.貸し倒れが起きても十分な金額が回収されない

融資先では、貸し倒れ対策のために担保や保証がついている案件もあります。しかし、担保や保証があっても必ずしも投資家に満額が返済されるわけではありません。

過去にあった事例では、担保不動産の査定額が正確ではなく、不動産を売却しても十分な金額を投資家に返済できなかったという事例も発生しています。担保や保証がある場合でも、その評価が正しいものであるか、確認することが重要となります。

2.不動産投資型クラウドファンディングの失敗例

不動産会社が投資家から少額ずつお金を集め、不動産を運営し家賃収入や売却益を投資家に配当するのが不動産投資型クラウドファンディングです。その不動産投資型クラウドファンディングの失敗例を見ていきましょう。

2-1.運営不動産会社の経営問題

不動産投資型クラウドファンディングでは、融資型と比較して過去に運営会社側の大きな問題がおきた事例は少ないと言えます。

ただし、実際に起きた問題としては、「TATERU Funding」という不動産投資型クラウドファンディングで、運営する不動産会社の問題がありました。TATERU Fundingを運営する大手不動産会社は不動産事業を手掛けており、この不動産事業において問題が発生した経緯があります。

クラウドファンディング事業には問題がなかったものの、その会社が一時的に業務停止命令を受け、クラウドファンディング事業も停止してしまったというものです。投資家に直接の損失が発生したわけではありませんが、運営会社が大企業だからといって問題が起こらないわけではないことがわかります。

2-2.運用が終了しても出資金が返済されない

不動産投資型クラウドファンディングで起こり得る問題は、案件の運用が終了した後です。不動産投資型クラウドファンディングは案件の運用を終了した後に、運用対象の不動産を売却して投資家に出資元本を返済します。

しかし、不動産市況の悪化で不動産がなかなか売れない場合は、案件運営が終了しても投資家への出資金の返済が遅延する可能性があります。不動産業界の影響を大きく受けるのが、不動産投資型クラウドファンディングの大きなリスクだと言えるでしょう。

2-3.想定利回り(予定分配率)の大幅な低下

不動産投資型クラウドファンディングで起こりうるリスクが、案件募集時に提示されている想定利回りや予定分配金の大幅な低下が起こりうることです。不動産投資型クラウドファンディングでは、大半の案件で家賃収入や事業収入を投資家の配当に当てています。

しかし、2020年初頭に端を発したコロナ禍では、オフィスの空室率がアップしたり、ホテルなどのレジャー施設の営業が苦境に立たされているなどの事例が見られます。このように、市況の変化によって想定されていた分配金が受けとれない可能性があります。

運営対象が市況の変化を受けやすい、オフィス、テナント、レジャー施設などの場合は投資家への配当利回りが大きく変動する可能性が考えられます。なお、居住用不動産においても同様であり、空室が増えれば投資家への配当利回りは下がってしまいます。

3.株式投資型クラウドファンディングの失敗例

少額からベンチャー企業の株式を購入できる、株式投資型クラウドファンディングの失敗例です。株式投資型クラウドファンディングはインカムゲインを得る投資手法ではない点で、失敗が起こりえます。

3-1.投資先のベンチャー企業の倒産

まず考えておきたいのは、投資先のベンチャー企業が倒産するリスクです。ベンチャー企業は上場企業に比べれば資本力が弱い会社が多いため、倒産するリスクは上場企業よりも高くなる傾向にあります。

事業の運営に失敗すれば投資先のベンチャー企業が倒産し、株式の価値もほぼゼロになってしまうことを考えておかなければいけません。

3-2.上場やM&Aなどの利益が出る結果につながらない

株式投資型クラウドファンディングでよく起こる問題が、ベンチャー企業に投資したものの上場やM&Aなどの投資家の利益につながる結果に、なかなか繋がらないという点です。

2021年6月時点、実際に日本の株式投資型クラウドファンディングではまだ上場に成功した事例は1件しかなく、M&Aを含めても10件にも満たない状況です。

まだ歴史が浅い投資だけに成功例が少ないとも言えますが、株式投資型クラウドファンディングは利益が出れば大きくなる可能性はあるものの、その利益が出る事例の発生確率が低いことに留意する必要があります。

4.クラウドファンディング投資のリスク回避や主な対策

先に挙げてきたクラウドファンディング投資でリスク回避をするために、どのような対策を投資家は取るべきなのか、いくつかのポイントをお伝えします。

4-1.運営会社のことをよく調べる

クラウドファンディング投資では、投資対象だけでなく運営する会社のことをよく調べることが大切です。

特に融資型クラウドファンディングでは運営企業による問題が多発しています。運営企業の実績や社長の経歴、どういった会社が出資しているかのバックボーンもきちんと調べておきたいところと言えるでしょう。

なお、不動産投資型クラウドファンディングにおいても同様です。財務状況を公開している不動産会社があれば、その数字もきちんと確認しておきましょう。

4-2.融資先の会社を確認する(融資型クラウドファンディング)

融資型クラウドファンディングでの失敗を避けるには、融資先の会社の確認も必要です。お金を借りても返済能力がない会社に融資してしまうと、投資家にお金が返済される可能性は低くなってしまいます。

融資先の会社の財務状況が公開されている案件を選んだり、また貸付時の金利が低い案件を選ぶことで、貸し倒れのリスクを低減することに繋がります。

4-3.運営不動産を確認する(不動産投資型クラウドファンディング)

不動産投資型クラウドファンディングの運営不動産の情報は、面積、住所、築年数などの情報が公開されています。

それだけに融資型クラウドファンディングよりも情報の透明性は高く、運用不動産の収益性や提供されている数字が適正なのかを自分で調べることが可能です。

4-4.担保や保証を確認する(融資型クラウドファンディング)

融資型クラウドファンディングでは、貸付時のリスクを低くするために担保や保証を設定し投資家の資産保全を行う案件が多く見られます。

ただしその担保や保証の内容が貸付金額を上回る価値があるのか、保証についている保証会社の財務状況などもきちんと調べておくことが大切です。

4-5.複数のクラウドファンディングサービスに分散投資する

全ての投資に共通するポイントとして分散投資があります。1つのクラウドファンディングサービスで自分の運用資金の全てを投入していると、その会社で問題があった時に大きな影響を受けることになるためです。

3~5ほどのサービスに投資先を分散しておけば、その中の1つで問題があったとしてもその影響を限定的なものにできます。分散投資をするときには、事業分野やタイミング、運用期間など様々なポイントを分散することでリスクを平均化していくことが大切です。

下記、主な投資型クラウドファンディングを提供するサービスの一覧です。違いを比較しながら複数のサービスへの登録を検討してみましょう。

融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

サービス名 サービス開始年 累計募集額実績 参考利回り水準 その他
オーナーズブック 2014年 約230億円 3~5% 東証プライム上場
CRE Funding 2020年 約10億円 2.5%~3% 東証プライム上場企業が案件組成、保証
Funds 2019年 80億円超 1.8~6% 貸付型ファンドのマーケットプレイス
クラウドクレジット 2014年 約370億円 4.8~12.5% 社会インパクト投資、伊藤忠商事が株主
LENDEX 2017年 約130億円 6~10% 東急リバブルと提携し、客観的な不動産査定を実施
クラウドバンク 2013年 1400億円超 5~7% 第一種金融商品取引業
バンカーズ 2020年 0円 3.59~4.37% 前身企業における商業手形割引の実績が豊富

不動産投資型クラウドファンディング

サービス名 サービス開始年 累計募集額実績 利回り水準 その他
COZUCHI 2019年 約10億円 4%~6% 首都圏の賃貸マンションや店舗・事務所などに投資可能、途中解約が可能
ちょこっと不動産 2021年 約1億円 4%~6% 戸建て、アパート、マンション、オフィスビル、テナントビル、店舗など多様な商品に投資可能
信長ファンディング 2020年 1億円超 4%~6% 上場企業が運営、予定分配率5%程度、名古屋など東海エリアでESG不動産投資ができる
Rimple 2020年 20億円超 5%前後 東証プライム上場のプロパティエージェントが運営。永久不滅ポイントが使える
CREAL 2018年 100億円超 4~5% 保育所ファンドや地方創生・ヘルスケアなどESG不動産投資ができる

株式投資型クラウドファンディング

サービス名 サービス開始年 累計募集額実績 その他
ファンディーノ 2017年 55億円超 国内初・現最大手の株式投資型クラウドファンディング
ユニコーン 2019年 5億円超 第1号案件はGPS×IoTの観光プラットフォーム「SpotTour」

4-6.利回りだけを追求しない

投資型クラウドファンディングの案件情報には、配当利回りが提示されています。収益性を求める志向のある方は、利回りが高い案件中心に選んでしまうこともあるでしょう。

しかし、投資においてリターンが大きい案件は、リスクも高いという傾向があります。例えば、融資型クラウドファンディングの利回りが高い案件は、融資時の貸付金利が高くなり、返済されないリスクが高くなってしまいます。

また不動産投資型クラウドファンディングでも利回りが高い案件は、あくまで満室時の利回りであり、実際には満室にすることが難しい案件である事例も見られます。その他、家賃収入だけではなく売却時に高く売れることを前提とした、売却益込みの利回りとなっていることもあります。

このように、案件ごとの利回りを比較する際は、「なぜ高い利回りが提供されているのか」という疑問をもち、その理由もしっかりと知っておくことが重要なポイントとなります。

そして貸付先からの返済リスクが高い、保証や担保がない代わりに利回りが高い、などの理由があったときには、投資を慎重に検討する、投資金額を抑えるといった対応を考えてみましょう。

4-7.短期運用案件にも投資する

2年や3年など長期間運用される案件は、運用期間中ずっと配当金が支払われるため、インカムゲイン重視の方にとっては魅力に感じることもある投資と言えます。

しかし、長期間の運用案件は運営期間中に市況変化が起こる可能性も高く、運営期間中に運営会社の業績が悪化するなどのリスクも考えられます。このようなリスクを避けるためには、長期間の運用案件だけではなく3ヶ月や6ヶ月など短期間の運用案件も投資することも検討してみましょう。

まとめ

クラウドファンディング投資はまとまった資金を必要とせずとも投資を始められるため、多くの人にとって始めやすい投資となっています。それだけにサービスの運営を始める会社も多く、投資家の方は十分な情報を仕入れないまま投資先を選んでしまうと、思わぬ失敗につながるリスクが高まります。

投資のリスクを下げるには、投資先のことをよく知ることが重要です。本記事で挙げたポイントをチェックしながら、投資先のリスクはどの程度のものか、また自分はどの程度リスクを許容できるのかを考えながら、投資のポートフォリオを構築していくようにしましょう。

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