最近注目の投資手法であるソーシャルレンディング。名前は聞いたことがあるものの、どのような投資手法かを知っている人は、まだあまり多くないかもしれません。収入を増やすために何かしらの投資や副業を始めたいものの仕事が忙しいし、会社にばれるとまずいのでなかなか副業を始められないという人もいるでしょう。
そこで、この記事ではソーシャルレンディングの特徴を紹介しながら、副業に向いているのかどうかを考え、投資後の注意点などについてもご紹介していきたいと思います。
目次
- ソーシャルレンディングは手間がかからず少額から開始可能
1-1.投資後の手間はほとんどかからない
1-2.投資を始めるまでの基礎知識もそれほど必要ない
1-3.投資は1万円から始められる - 副業として投資を始めた後の注意点
2-1.会社の職務規定に抵触しないか注意
2-2.公務員の副業禁止規定には抵触しない
2-3.確定申告は自分で行わなければいけない
2-4.会社に副業収入があることを知られたくなければ自分で納税を - まとめ
1 ソーシャルレンディングは手間がかからず少額から開始可能
ソーシャルレンディングは株式投資やFXなどと比べて、運用や情報収集にかかる時間がそれほど必要ないため、副業として多くの人に向いているといえます。その具体的な理由を見てみましょう。
1-1 投資後の手間はほとんどかからない
ソーシャルレンディングの投資の流れは以下のようになっています。
- 投資対象となる案件を色々なソーシャルレンディング会社から探して比較、検討する
- 投資先のソーシャルレンディング案件の募集が始まったら、応募して資金を振り込む
- ソーシャルレンディング案件の運用開始後は分配金が毎月振り込まれる
- 案件の運用終了後は投資していたお金が全額口座に振り込まれる
このような非常にシンプルな流れになっています。株式投資やFX投資で収益を出そうとすると、購入後は所有するだけではなく、売買しなければいけません。つまり常に株式市場や為替市場の動きをチェックする必要があるのです。
自営業で、ある程度自由に時間を使える方以外は、24時間張り付いて相場をチェックするのは困難です。コソコソと相場をチェックしていると本業に支障が出る可能性がありますし、会社にバレれば処分を受けることもあるでしょう。
また急激な相場の動きに対応できず、損失が発生する可能性が高くなります。そのため日中仕事を持つ人が株投資やFX投資で安定した利益を出すのはなかなか難しいと言えるでしょう。しかしソーシャルレンディングの場合は投資後、基本的に相場をチェックする必要がありません。
投資した後は、毎月分配金が安定して振り込まれているのか、ソーシャルレンディング会社から届く連絡メールをチェックするだけでよく、株式のように売買タイミングなどを検討する必要はありません。
1-2 投資を始める際の基礎知識もそれほど必要ない
投資で損失を出さないためには、投資対象に関する勉強が事前に必要です。ソーシャルレンディングに関しても、もちろん例外ではありません。
しかし、株式投資やFX投資と違い、ソーシャルレンディングにおける投資対象の数は基本的にあまり多くはありません。株式は何百銘柄とありますし、FXの通貨ペアも何十種類とあります。また指値、逆指値、IFOなど注文にも様々な方法があるので、運用プランを都度で立てなければいけません。
ソーシャルレンディングではそれぞれの案件の利回りや運用期間、さらに事業保証やリスクをチェックした上で投資先を選ぶことになりますが、投資後に売買や取引に関する細かな条件を設定する必要がありません。案件についてはじっくり吟味する必要がありますが、個別の案件をチェックする以外は特に時間をかけなくても構いません。
1-3 投資は1万円から始められる
投資を始める時には自己資金が必要です。ソーシャルレンディング各社の投資条件を見ると、投資可能金額が少ない会社で1万円、多い会社でも10万円程度からとなっています。まとまったお金を準備する必要がないので、収入がそれほど多くない方でも投資を始めやすい点がソーシャルレンディングの特徴といえます。
ネットショップなどで副業を始めるためには、仕入れの資金などまとまったお金が必要になることもあります。不動産投資を始める時も物件を購入しなくてはいけませんし、融資を受けるにしても100万円程度の自己資金は必要です。
しかし、ソーシャルレンディングは1万円からの投資が可能ですので、毎月コツコツと積み立てるような投資ができます。投資を始めるまでのハードルが非常に低く、始めやすい副業と言えるのです。
2 副業として投資を始めた後の注意点
最近は大手企業を始めとして副業を解禁しているケースも増えていますが、仕事に集中せずに副業に精を出していると、会社からの評価が下がったり罰則を受けたりすることもあります。
以下では、ソーシャルレンディングで副業を始める時に、どういった点に注意すれば良いのかについても見ていきましょう。
2-1 会社の職務規定に抵触しないか注意
まず会社の職務規定に抵触しないかチェックしましょう。一般的にはほとんどの会社で禁止している副業は、『給与を受け取るような仕事』を指します。
そのため、投資に該当するソーシャルレンディングであれば、職務規定に抵触しない可能性が非常に高いです。株式投資やFX投資を禁止している会社は少ないですが、職務規定が気になる方は前もって総務に確認しておきましょう。
2-2 公務員の副業禁止規定には抵触しない
公務員の方は基本的には給料を受け取る副業は禁止されています。これは業務に集中することと、情報漏洩の危険性があるためです。公務員が業務終了後に『アルバイトをしていたことを理由に懲罰を受けた』という報道は、確かによく見られます。
ただし公務員でも投資は禁止されていませんし、そもそも給与所得に該当しない投資は副業には該当しません。ただし、勤務時間内に投資活動を行っていたという『任務懈怠』を理由にした懲罰はありえますので、注意しなければいけないポイントです。
また、不動産投資で公務員が処分を受けたというニュースも見られますが、それは事業とみなされる大規模な不動産物件の運営を行っていたからです。小規模な不動産投資であれば、公務員も許可されています。
ソーシャルレンディング投資であれば、融資を受けて事業として展開するといったことはなく、自己資金の一部を運用するだけになるかと思いますので、その点については問題ないでしょう。
2-3 確定申告は自分で行わなければいけない
1年間で20万円以上の収入が発生した場合は、確定申告を行って納税しなければいけません。これはどの投資でも必ず課せられる義務です。
株式投資で利益が出た場合、特定口座を使用すれば源泉徴収分が自動的に引かれ、納税がスムーズに行われます。そのため毎年2月16日から3月15日の間、税務署に対して確定申告を行う必要がありません。これは株投資のメリットの一つになっています。
ソーシャルレンディング投資では残念ながら、まだこういった便利な口座はありません。利益が発生したら必ず、自分で確定申告を行う義務が生じるのです。初めての人にとっての確定申告は覚えることが色々あり、手間に感じるかもしれません。1年間の収入と経費の額をまとめ、書類に記入して税務署に提出します。
確定申告を面倒と思う方は利益を20万円以内におさめるか、利益を多く出したい方は確定申告を丸投げできる税理士を探しておくと良いでしょう。
2-4 会社に副業収入があることを知られたくなければ自分で納税を
ソーシャルレンディングは投資であるため、会社に禁止されることはほとんどないかと思います。しかし、確定申告の際に会社の給料から納税分を引き落とすというやり方、いわゆる『特別徴収』を選択すると、住民税や所得税が会社の給料から大きく引き落とされてしまいます。
会社で経理を担当している人間から、「同じ給与額なのに、なぜこの人だけ住民税や所得税が多いのだろう。副業でもしているのだろうか」などと疑われる恐れがあります。副業が禁止されていないにしても、何かしらの副収入を得て同僚から「あいつは金儲けをしている」などと噂が立ってしまうと、面倒事にもなりかねません。
そのような事態を避けたい方は、確定申告の納税方法については『普通徴収』を選びましょう。そうすれば自分で納税することになるので、会社の給料から引き落とされる恐れはありません。そこから会社には副収入を知られずに納税を行うことが可能です。
3 まとめ
ソーシャルレンディング投資は手間がかからず、不労所得に近い性質の収入が得られるため、多忙なサラリーマンでも毎月安定した収入が獲得できます。その意味では大いに副業向きの投資手法だと言えるでしょう。職務規定に抵触する恐れもほとんどありません。
一方で1年間に20万円以上の利益が発生した時には必ず、自分で確定申告を行わなくてはいけません。確定申告作業の外注や普通徴収での納税も視野に入れて投資を進めていくと良いでしょう。
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