2022年、注目の米国株は?下げ相場にも堅調な5銘柄と市場動向も

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米国株投資家にとって波乱の1月が終わり、2月を迎えました。2022年初から大型ハイテク・ハイパーグロース株の下げが目立ちます。米連邦準備制度理事会(FRB)が3月以降、政策金利を複数回引き上げることが確実視されているからです。このため相場全体に不透明感が強く、もう一段の下げもあり得る状況です。

今回は当面続くと思われる下げ相場への耐性がある5つの注目銘柄を紹介します。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年2月1日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。

目次

  1. ナスダックは月間で9%下落
  2. 米株式相場の格言「FRBには逆らうな」
  3. 2022年の米国株の注目銘柄5選
    3-1.アメリカン・エキスプレス
    3-2.ハリバートン
    3-3.ジョンソン・エンド・ジョンソン
    3-4.ロッキード・マーティン
    3-5.フィリップモリス・インターナショナル
  4. まとめ

1 ナスダックは月間で9%下落

1月の米株式相場は大きく乱高下しました。月末最後の2営業日に大きく続伸したものの、月間ベースではハイテク銘柄のウェートが大きいナスダックが9%、S&P500指数が5%下げました。米国で記録的なインフレが進んでいるなか、FRBがインフレ退治に乗り出す姿勢を示したことが売りにつながりました。

2 米株式相場の格言「FRBには逆らうな」

2021年12月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で7%上昇したことを受け、FRBは同月の会合で、それまで「一過性」と説明してきた米国の高インフレに対する認識を改めました。金融緩和から金融引き締めへと、政策転換を図る方針を示したのです。米国の大手金融機関は「2022年内に5~6回引き上げる」と引き締めの強化を予想しています。

11月に中間選挙を控え、インフレを一刻も早く抑え込みたいバイデン政権の意向をくみ、FRBがタカ派に豹変したことを機関投資家は受け入れたわけです。少なくとも今年の前半は、米連邦公開市場委員会(FOMC)での決定事項が相場の方向性を決めることになるでしょう。米株式相場の有名な格言の通り「FRBには逆らうな」(=「Don’t fight the FED」)という状況です。

3 2022年の米国株の注目銘柄5選

 ここからは、逆境でも値動きが堅調な注目銘柄を5つ紹介します。選出にあたっては、【1】年初から株価がプラス圏にある【2】足元の株価収益率(PER)が20前後で割安感がある【3】配当を出している――を基準としました。

3-1 アメリカン・エキスプレス(AXP)

オミクロン株の感染拡大を乗り越え、2021年10~12月期は好業績を上げました。2022年は前年比約2割の増収を達成するとの見通しを示しています。新型コロナが沈静化すれば業績は大きく伸びると思われます。

3-2 ハリバートン(HAL)

原油高による掘削需要の増加で、売上高と利益が着実に伸びています。経営陣は「複数年にわたる上昇サイクルが加速している」と、中期的な成長に手応えを感じているようです。

3-3 ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)

経営陣が「2022年下半期の業績は上半期を上回る」と予想したことや、M&Aに積極的に取り組む姿勢を示したことなどが期待されています。

3-4 ロッキード・マーティン(LMT)

2021年10~12月期決算は市場予想を上回りました。22年通期予想もアナリスト予想に沿った内容です。自社株買いと配当で、2022年に計40億ドル相当を株主に還元すると発表したことも好感されています。

3-5 フィリップモリス・インターナショナル(PM)

2021年12月から株価が上昇基調です。そのため配当利回りはやや低下していますが、それでも約4.8%と高水準です。バリュー株への逃避が進むなか、ハイテク株などに投じられていた資金の受け皿になっているようです。

まとめ

前述した格言のとおり、2022年の米市場はFRBの金融政策に沿って株価が上下することになりそうです。これまでの下げ相場で健闘しているのは総じてバリュー株ですが、低PER銘柄が何でも買われているわけではありません。

今回紹介した注目銘柄にしても、個別のマイナス材料が浮上すれば容赦なく売られることになるでしょう。今年は個々の投資家の銘柄選別力が問われることになりそうです。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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